〈インドネシアで子育て〉渡したいし、受け取りたい。3歳が考えた解決策とは。
親戚もご近所さんもみんなムスリム(イスラム教徒)で、小さなころから「右手を出して」と教えられてきた娘、3歳3か月。
物を受け取るのも、お金を渡すのも右手。その教えをしっかりと守っているのですが、時々、迷ってしまうことがあるようです。
くだもの屋さんでお買い物
先日、母子でなじみのくだもの屋さんに行きました。店内を何度も行ったり来たりして、娘はみかん5個、りんご2個を選びました。
買い物をする時、お金を差し出すのは娘の役目です。1年ほど前、いわゆるイヤイヤ期が始まった頃から、何でもかんでも自分でやらないと気が済まなくなった彼女。最近はやや落ち着いてきたものの、今でもお金を差し出し、おつりを受け取るのは自分だと決めているようです。
それで、くだものを袋に入れてもらっている間に、私は紙幣を娘に渡しました。お金を渡す時は右手と決まっていますから、渡されたお金を右手に握りしめて、お店の旦那さんが出てくるのを待ちます。
渡したいし、受け取りたい。
しばらくすると旦那さんが戻ってきて、くだものが入った袋を、娘に差し出してくれました。
さて、困ったぞ。
右手でお金を渡したい。
でも、くだものを受け取るのも右手がいい。
きっと、色々考えたことでしょう。
お金を渡すと、おじさんが受け取れないくて困るかもしれない。くだものを受け取る右手にはお金がある。
どうしよう、どうしよう・・。
自分で解決できた!
そんな困惑の表情を一瞬だけ浮かべた後、娘は紙幣を左手に移し、くだものの袋を右手で受け取った後、それを私にパスしました。
そして、晴れて、右手で支払いを済ませました。
ちょっと時間はかかりましたが、その一部始終を、旦那さんはにこにこしながら見守ってくれました。
3歳の子がやることですから、時にはもたもたしたり、落としたり、届かなかったりします。でも、くだもの屋さんも、八百屋さんも、お米屋さんも、コンビニやスーパーの店員さんも、みんな、にこにこしながら待ってくれます。後ろに並んでいる人がいても、怒られたことはありません。
(↑お米屋さんでお釣りをもらおうとする娘↑)
この場を借りて、みなさん、本当に、ありがとう。
考えることって、とっても大切なことだよ。
帰り道、娘に、先ほどの出来事について聞いてみました。すると、「そうなの。考えたの。」娘はさっきのやりとりを思い出しながら、右手と左手を交互に動かし、見つめていました。
「でも、よく考えたね。こっちの手でくだものをもらって、それからお金も渡したの。」
「そうなの。Kakak(お姉ちゃん)だから。できるの。」
そうか、口ばっかり達者になったなと思っていたけれど、ちゃんと考えてるんだ。もうお姉ちゃんなんだね。
守るべき決まりは何なのか。どうすれば相手が喜ぶのか。どうすれば自分が嬉しいのか。考えることって、とっても大切で、難しくて、面白いことだよ。
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