あるヨーロッパの小さな国に、金髪で青い目の端正な顔立ちの王子様が豪華絢爛なお城で暮らしていました。お城には、シャンデリアが釣り下がった、パーティールームや、ペルシャ絨毯が敷かれたベットルームなどの部屋が25部屋程ありました。庭の大きさは、学校の校庭程、広く、赤色やピンク色や緑色のたくさんの花や植物が植えられていました。王子様の両親は、高齢で隠居していました。なので、王子様が国の政治を任されていました。王子様は孤独で独りぼっちでした。家来を呼んで「私は、最も綺麗なものを決める会」を開きたいとお願いしました。家来は「畏まりました。すぐに、準備を致します。」と答えました。家来達は、新聞を使って、「最も綺麗なものを決める会」を開くと、国民達に知らせました。数日後、国民達が、お城の玄関に、たくさん集まって来ました。王子様が、国民達を、パーティールームに招いて、挨拶をしました。国民の中の女性の一人が「王子様、とっても、かっこいいわ。」と呟きました。王子様は、「今日は、集まって頂いて、ありがとうございます。最も綺麗なものを決める会を始めます。最も綺麗なものに選ばれた国民に景品を差し上げます。」と言いました。最初に現れたのは、宝石商人でした。宝石商人は、「私が持ってきたのは、本物のダイアのアクセサリーです。」とダイアを王子様に見せながら言いました。王子様は、「うむ。確かに美しいですね。」と言いました。次に現れたのは、美人コンテストの優勝者でした。ブロンドヘアに、大きくて、可愛らしい茶色の目、8頭身でスレンダーなボディの美人でした。美人コンテストの優勝者は、「私は、私自身が、最も美しいものだと思います。」と言いました。王子様は「うむ。確かに、あなたは、この国で一番の美人ですよ。」と顔を赤らめながら言いました。その後、何十人もが持ってきた、最も美しいものを見ました。王子様は、疲れて、「最も綺麗なものは、見つかりませんでした。」と言い、会を閉会させてしまいました。次の日、王子様は、最も綺麗なものを探しに、お城の外に出かける事にしました。外の気温は高く、熱射病にかかってしまい、木下の木陰で休んでいました。そこに年老いた看護婦さんが通りかかりました。年老いた看護婦さんは、「私は、近くの病院に勤務している看護婦です。今から、病院から、お薬と水を持ってきます。」と言って、王子様を介抱しました。看護婦さんは、年老いていて、暗い髪の色、優しそうな目で、真面目そうな女性でした。王子様は、待っている間に、最も綺麗なものが、人間の心だと、悟り、看護婦さんが戻って来た時に、「最も綺麗なものを探していたのですが、あなたの心だと分かりました。景品を差し上げたい。」と言いました。年老いた看護婦さんは、「滅相もございません。私は、当然の事をしたまでです。」と言いました。年老いた看護婦さんのおかげで、王子様の体調は回復し、お城に帰りました。しばらくして、王子様は、熟考した後、年老いた看護婦さんの銅像を、国民達が見る広場に建てる事にしました。最も綺麗なものは、人間のこころと、銅像に刻みました。銅像は、ギリシアの彫刻のように永遠に残りました。景品の事ばかり考えていた国民達は改心して、善良な心を取り戻しました。

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