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印刷だけじゃない!紙にできる加工[カット編]

この前ふと、紙をあまり知らない知人に1つ質問をしました。

「断裁って知ってる?」

「だんさい?なにそれ?どんな字書くの?」

「……!!」

断裁って、メジャーな言葉じゃない???うそーーー!!
紙屋さん時代は1日1回は口にしてたんじゃないかと思うくらい(笑)、すごく馴染みのある言葉だったんですが!!

と、ややショックを受けつつ断裁の意味を広辞苑で調べてみると、「断ち切ること」と記載されていました。デジタル大辞泉だと「紙などを、たち切ること」とあります。

そういや、「断裁」って紙以外に使わないか…。布を切る場合は「裁断」の方が自然ですもんね。

印刷は誰でも知っているけれど、それ以外の加工って意外と馴染みがないのかもしれません。

ですが断裁も含め、紙にできる加工は印刷以外にもたくさんあります。むしろ、パンフレットやパッケージ、封筒などの紙雑貨が私たちの手元に届くとき、印刷だけされていることはほとんどないと思います。
よく観察してみると、印刷以外にも何かしらの加工が施されているはずです。そして実は紙にできる加工は結構多い!というわけで、印刷以外で良く目にする、基本的な紙加工をまとめてみよう…としたら途中でだいぶ長くなることに気づき、まずは紙を切る=カットにまつわる加工3つをまとめました!

1.断裁

まずは、冒頭でも触れた一番基本ともいえる加工「断裁」。

断裁は断裁機と言われる専用の機械を使って行います。
断裁機に切りたいサイズの寸法を入力→上からバスっと刃が落ちて紙が切れる、というような感じです(ざっくりとした説明…)。
私が勤めていた紙屋にも1台断裁機があって、全紙ではなく指定されたサイズに紙を切って納品することがありました。オフセット印刷機の種類によって通る紙のサイズが違うからです。このように印刷前に断裁するほか、印刷後も断裁が欠かせません。

オフセット印刷は1枚の紙に複数ページ配置する or 1種類の印刷物を複数配置して印刷するため(これを「面付け」と呼びます)、印刷後に断裁しなければ完成しないのです…!

スライド1

紙と印刷と断裁は3点セットと言えるのではないでしょうか。

ちなみに、極端に薄い紙や厚い紙でなければ、大体の紙が断裁できます。


2.抜き加工

断裁機では四角形にしか切ることがきません。でもハートの形にしたい!紙に穴をあけたい!と思うこともありますよね。そんなときは断裁機ではなく、抜き加工で行います。

抜き加工にも色々種類がありますが、よく使われるのがトムソン抜き。トムソン型と言われる抜き型を使って様々な形に切り抜きます。(ちなみにトムソンと呼ぶのは関西が多いそう…。関東では「ビク抜き」と言うらしいです)

トムソン型はベースになる木の板にレーザー加工で切り込みを入れ、その中に刃を埋め込みます。例えばハートの抜き型を作る場合、木の板にハート型の切込みを入れ、刃を曲げて入れていきます。抜くときに紙が刃にくっつかないように、刃の周りにゴムがついているのが特徴です。

この抜き型を機械にセットして上から打ち抜くと、型通りに紙が抜かれます。イメージ図を作って見ましたが、クッキーの作りかたみたいですね(笑)

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例えば、私が昔々にどこかで買ったちょっと変わった形のカード(可愛さのあまりもったいなくて使えていない)も、型抜きでカットされているはずです。

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断裁と同じで、極端に薄い紙や厚い紙は加工に向きません。

抜き型を作るのは、印刷会社さんではなく専門の木型屋さんです。前職で紙製品を作る仕事をしたときに、社内を見学させていただいたことがありますが、印刷会社さんとはまた違う雰囲気でした。

1つの印刷物を作るのにも、実はたくさんの会社さんが関わっていたりします。


3.レーザーカット

前述のトムソン抜きは刃を曲げて型を作るため、細かすぎる形はできません。より繊細な切り抜きを求める場合はレーザーカットを用います。

その名の通り、レーザー光線で紙を焼き切る加工です。

レーザーカットは型がいらず、1枚からでも製作可能。
結婚式の招待状などでよく使われています。あとはSNSでも話題になった「OMOSHIROI BLOCK」もレーザーカットで作られていますね。

このように繊細な表現ができる一方、紙の種類や厚さによっては焦げが目立つことも。白い紙は焦げが目立つ傾向にあります。

あと、あまりに厚い紙は焼き切れません。逆に表面を削ることで刻印のようなデザインをすることができます。

トムソン抜きに比べるとお値段は高いですね。


4.まとめ

ざっくりとした説明にはなりましたが、基本的な「カットする加工」はこの3つかなと思います。

断裁=四角形
抜き=四角形以外のかたち
レーザーカット=切り絵のようなかなり細かいカット

というようなイメージで捉えていただけたらいいのではないかと思います。

カットする加工だけでも2,000字近くいってしまった…。紙への加工はエンボスやデボス、箔押しなど有名なものだけでもまだまだあるので、それは次の機会に!

いや~しかし断裁って通じないのかあ…(まだ言うか)


参考文献:デザインのひきだし25

あ、こちらの本の表紙もレーザーカットですよ。

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紙の専門商社に約8年勤務後、現在はインハウスで販促企画や広報的な仕事をしています。好きな紙はアラベール。 このnoteでは紙についてあれこれ綴ります。
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