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「2億円の売上をあげたデザイナー」です

妻が実家に帰っているお盆の週末、深夜に「プロフェッショナルの流儀」を垂れ流しながらハイボールを片手にMacbookを開くという贅沢を楽しんでいます。

さて、(やはりnote書くこともなく)久しぶりのエントリーになります。
フリーランスのデザイナーとして活動し一年ほど、webサイトデザインを中心にマークアップやwordpressとかそのへんのビジネススターターパック的なご相談をいただいたりしている僕ですが、2億円の売上をあげたことがあります。

「え?フリーランスでそんなに売りあげるなんて、どうやって…?」

文脈としてはそう思ってしまうことでしょうがこれは過去の話で、フリーになってからはまぁぼちぼち人並みといった感じです…

今回は、最近、偶然ふとそのときのことを思い出したので、noteを綴ろうと思った次第です。

2億円売れるビジネスとは

当時僕はとある大手情報商材販売プラットフォームを開発した会社で、インハウスデザイナーとして勤務していました。ただインハウスの割に外部パートナーを挟み全く知らない方を相手に仕事をしていたので受託的な動きをしているものの業務フローは独自のものという、なんともお伝えしづらい状況でした。

せっかくこのほろ酔いで書いている記事を御覧いただけている良い機会なので、情報商材とはなんぞや?という方にむけて軽くご説明します。

情報商材とは要するに情報を商材化したもので、CDだったりDVDだったり動画コンテンツだったりメルマガやセミナーなどのオフラインイベントなどのことを指します。

「秒速で一億円稼ぐ男」などといった言葉を耳にしたことはありますでしょうか。
紹介されていたその方の当時の売上は、情報商材によるものなのではないかと思います。(取り組みの全ては存じ上げないので断定は避けますね

その情報商材というのはビジネスモデルとしては非常に画期的で、要するに「あなたの中の“当たり前”が、それを知らないだれかを助ける」的な考えで、自分の持ちうるスキルを発信することで、「それを知らなかった誰かにとっては、まさに知りたかったかけがえない知識である」というものです。全国規模でみればすごい数になるかもしれませんね。

もちろん最終的に鳴かず飛ばずのものもあります。しかしいざそれを情報商材にして売るぞ!となればそこには業界特有のメソッドがあって、アイディアの種類やマーケティングの成功によっては短期的に爆発的な見込み客の獲得→いわゆる「信者」への育成が、スムースに行えたりします。「形のなかったものが、最終的に大きなリターンを得ること」という可能性を秘めています。

で、そのメソッドは心理学に基づいています。もともとは海外で行われていた手法「プロダクト・ローンチ」を導入したことで情報商材はビジネスモデルとして脚光を浴びました。今は更に進化していろいろあると思います。

情報商材のデザイナーとは

前置きが長くなりました。(実際に会って話しても前置きは長い)

当時在籍していた会社は情報商材のプラットフォームの開発・運営をしているので、自社でも情報商材を売るノウハウを活かそうぜ!っていうのが、僕がデザイナーとしてのキャリアで一番最初に所属していた部署です。

先程も申し上げたように業界特有のメソッドというのは情報商材で必要なWebデザインにも言えることで、ECサイトで言うなら過去の「○天市場」の、「蟹!!!!蟹!!!!!!!!」と行った感じのページをイメージしていただければ近いのですが、それがすこぶる効果的なのです。

愛知県でフリーターをしていて、やっと見つけた「やりたい仕事」
もちろん全力で毎日を送っていましたが、それゆえにだんだんと、

「俺、ダサいもの作ってる…」

という意識が芽生えます。

そんな中で、とあるプロジェクトでつくったLPが反響を呼んだようで、最終的にキャッシュポイントであった入会申し込みで計算して、2億円の売上に達しました。

依然と、自分の中の疑問は拭えずにいました。

数字なんてどうでもよかった。どっかの会社のサイトとか作りたい!インタラクションとか提案したい!うわぁぁ!ただ、かっこいいものを追求したかった、そんな時期でした。仕事に対する考えやアウトプットも中途半端で意識も低くなり、部署内の方々にもご迷惑をかけてしまいました。

結局、その思いと、デザイナーとして他の企業でもキャリアを積みたいという思いが相まって、転職をしました。

「2億円の売上を作っているデザイナーなんだから」

幸いにも、転職後も当時の部長にはお酒を飲みに連れて行っていただいたり、良い関係でいます。

ある日渋谷で部長と一緒にビールを呑んでいるとき、「今の部署はどんな感じですか?僕の担当した○○プロジェクトの続編は売れてるんですか?」「転職後はどう?」などと近況について会話をしていました。
すると、自然と在籍当時の僕についての話に移ります。

「○○プロジェクト、僕がやった当時から売れていましたからね〜。いやぁ今だから言いますが、デザインはカオスな仕上がりでしたけどね…」

「それでも、マサヤス(僕)は結果的には2億円規模のプロジェクトのデザイナーだからなぁ〜」


お…


2億円規模のプロジェクトのデザイナー。


そう思ってるのか、いや、そういうことになるのか。。


当時の僕はダサいものを作っている気持ちでいっぱいでした。

作ったサイトやLPから申し込む方の気持ちを「わけわかんねぇ〜こんなページから…」で片付けていた。つまりデザインの力を信じていなかったということです。

いつだってビジネスはデザイナーだけで作られていません。ダサいものをつくっていても、なぜかそれが超売れても、「ハッハァ〜よくわかんねぇ〜!」では、いけないのです。

心理学に基づいたメソッドを実践する外部パートナーがいます。
さらにアイディアを持った方がいます。
プラットフォームを抜群に活用できる営業の方もいます。
オフラインのイベントを円滑に案内する方もいます。

万全の布陣で2億円の売上を作っていたのです。

アタリマエのことですが、事の重大さと自分の責任力のなさに、一瞬、我に還りました。

ダサくてもいいかもしれないという俯瞰

先程のプロジェクトは、僕のデザイン、僕の理解と提案じゃなくても良かったかもしれません。しかし、手法は違えど誰がやろうとデザインというものの力があったのは間違いありません。

ダサくてもいい。デザイナーが生きるのは、ビジネスの中なんだから。

これに気づいたのはすでに職場を去ったあとでした。

ただ、同じように、在籍している団体でのアウトプットのみえない制限に悩んでいるデザイナーの方が居たら、価値観を変えてみると楽になるかもしれません。

いつだってあなたのデザイナーとしての居場所はビジネスの中のはず。環境と仲間にリスペクトできないようであれば、環境を変えるのも正解でしょう。

当時の僕も、先に気づいていたら、今とは全く違った思考と手先の技術で更に活躍したかもしれません。

最後に

今フリーランスになって振り返ると、転職したことはプラスでしかないですが、あのときのポカッと頭に何かが落ちてきたような感覚は忘れないようにしたいなと思います。

僕の場合、なにより人に恵まれてよかったと感じますが、どんなに恵まれていても荒みきっていてはないがしろになりますから、そうなる前に環境を変えるのも良いきっかけでしょうね。

偉そうなことを言いますが上手くいかないことも多いです。

最近、個人で請け負ったお仕事で進行していたデザイン案に大きな修正が入りました。当初からのヒアリング内容に基づき、仮説や調査を踏まえ自分なりにお客様のベストを探って制作をしていました。

修正自体は別に珍しいことではないです。
「なんだそりゃ??見積もるぞ?あ?」とは思いましたが、そんな自分はもしかしたら狭い視点だということを、過去の経験が教えてくれたのかもしれません。

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