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気づけばいつも本がそばにあった。

紙の「本」がすき。

たくさん本を読んできたわけではない。
ただ本という存在と、本がある空間が好きだ。

振り返ると、不思議なくらい本が身近にあった。

中学・高校・大学・社会人と、たまたま学校や職場が東京の「神保町」だった。
神保町は世界最大級の「本の街」。新刊を扱う一般書店のほか、古書店街が形成されていて、約200軒もの書店が集まっている。

そんな環境で学生生活を送り、よく帰り道に古書店に立ち寄っていた。
それぞれの古書店は専門分野を持っていて、文学・芸術・歴史・社会科学など、多岐にわたっていた。

とある古書店には江戸時代の本があったり。古い浮世絵や古地図があったり。
積み重なる本を眺めては、「これらの本にはその時代に生きた人の、その時代背景が描かれ、たくさんの知恵や経験、思想、物語がつまっているんだ」と思うと、現代にいながら過去とつながっているような、タイムスリップしているような不思議な感覚だった。

本の数だけ、自分の知らない世界が広がっている。
そして紙はずっと残り、時空を超えて私たちに語り掛けることができる。
無限の知の世界があるということは、一生をかけて学び続けられるんだという、わくわくと喜びのような感覚もあった。

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そして大学の4年間、大型書店でアルバイトをした。
やはり本のある空間が、なんとなく落ち着くし好きだったんだと思う。

実際に働くと、その時々の売れている本を目の当たりにする。最新の流行や時流がうかがえたり、自分の枠にはないいろいろな本の存在を知って、面白かった。

学生生活を終えると、今度は出版社に就職。本を作る側になった。奇しくも職場はまた神保町のそばだった。

本を見たり読む立場から、作り手になって、一冊の本ができるまでにいろいろな人が関わり、さまざまな過程を経ることが分かった。本の世界は奥深く、ますます本への愛着が増した。

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webの時代だけれど、紙の本は残り続けてほしいし、私ももっと勉強して、本作りに関わり続けたいと思う。

学校帰りにいつも書店に出入りしていたあの頃の私は、自分という狭い世界の外に、もっともっと広大で深遠な世界が存在することを知り、励まされてきたのだ。

そしてその中から縁あって私のもとへと届いた本に、大いに勇気づけられ、学ばされ、人生を豊かにしてもらった。

だからこそ、これからも本が並ぶ空間があってほしいし、未来の古書店や個人の書棚に残っていくような、過去から未来へと受け継がれていく、普遍的かつ新しい自由な本が生まれ続けてほしいと思う。


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長野県在住。編集/ライター/イラスト/デザイン。 仕事のことや日々の暮らしから思うことなど、あれこれ綴ります。
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