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〜初恋〜

ー Episode1〜初めての恋〜

高校1年生、夏。

初恋をした。

同じ学校、同じ部活、でも1個上の先輩だった。初めは何も気持がなくあまり話す事もなかったし、ただの偏見であまり性格良さそうじゃないと思っていたし、実際その先輩は部内でよくコーチに怒られる子だった。それでも恋をした。自分でもなぜ好きになったのか未だにわからない。

ほぼ初めての恋だった。アプローチの仕方もわからない自分はとりあえずLINEを始めた。あっちは自分に興味がないのですぐ終わらせるような返信をしていた。友達にその子が自分のことをどう思ってるか聞いてもらった。人は大体そのような質問をされたら自然と気にし始める。案の定結果はどうも思っていなく普通。だった。初めからわかっていた。でも内心傷ついた。そこからあまり話さなくなったり少し避けるようになった。

そこから2週間ぐらいが経ち友達が手伝ってくれたのかわからないが絡むことが増え、LINEも毎日するようになった。嬉しかった。毎日学校に行くのが楽しくなった。自分もこのチャンスを逃すまいとアプローチをし続けた。完全なる片思い状態。

部活の遠征のバス移動が多々あった。その度隣に座ることができた。毎回緊張していた。

そして高校1年の秋過ぎ、付き合っているような関係までになった。周りも自分たちをそのように汲み取っていた。夜も電話するようになり部室では一緒に暇つぶししたり、学校ですれ違う度に緊張したり、毎日が楽しかった。でもたまに嫉妬もした。

よく恋愛ドラマや、小説で胸が苦しくなるような感情という表現がされる。正直その感情がよく分からなかった。ドキドキする感情はよくある。でもこの恋をして初めてその感情と出会った。人に嫉妬する感情、人を想い胸が苦しくなる感情。’’胸がギュッと苦しくなる’’ほんとにその通りだった。泣きそうになるくらい苦しくなった。自分はその初めての感情に何だか嬉しかった。これがだと思った。

初めての経験が増えていった。手を繋いだり、夜電話をしたり、好きと伝えあったり、嫉妬したり、、、。好きな子ができるとその全てが特別に感じる、好きな子の匂いが好きになる。どこにでも落ちているどんぐりでさえ好きな子からもらったら捨てられない大切なものに変わる。不思議なことだと思った。でも素敵なことだ。

自分は高校2年生に進学して、相手は最高学年になった。一緒に高校で過ごせる最後の年。高校1年の夏に恋をして、いい感じになって一度も好きな感情が減る事はなく、むしろ増えていく一方だった。とにかく尽くしていた。全部相手が喜んでくれるなら何でもする感じだった。相手からも自分のことが好きなんだなと感じることが増えていった。嫉妬してくれることも多々あって嬉しかった。

相手と一緒に過ごしていくにつれて相手のことを自然と理解していきどういう子なのか知っていった。少し意地悪なところもあった。わざと嫉妬させるようなことをすることが多々あった。誰にでも優しいところもいいことではあるが不安なところだった。人から好かれることをとても好み誰にでも気がある振る舞いをする。それでも好きだった、相手にっとてもやっぱり自分は特別な存在だった。

高校2年生の春のインターハイ関東で大会のため2泊3日の遠征があった。もちろん部屋は違うが、みんな1人部屋だったため相手が自分の部屋に来て初めて一緒に寝た。とても緊張した。緊張して全然寝れず朝がきた。人の肌がこんなにも暖かいんだと初めて体感した。幸せだった。それから遠征がある度自分たちは一緒に寝た。ずっと朝が来なきゃ良いのにと毎回のように思っっていた。でも遠征は一瞬にして終わったしまう。遠征後、1人で眠る夜はいつも以上に寂しい。ベットがとても広く感じる。

いいことばかりな恋ではなかった。嫉妬もするし、喧嘩もしたり、相手のことを理解できない時もある。この恋を受け入れてくれない人もいる。自分は自ら自分の首を締めているような恋をしている気がしていた。




なぜなら、自分は、





同性に恋をしてしまったから。


つづく




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