見出し画像

人の発想法は使えない 〜発想と消化の話〜

佐藤雅彦さんの「ルール」を手にした大学生

大学1年の頃、佐藤雅彦さんの全仕事という本を見つけました。ページの後ろの方には佐藤さんがCMを作るときに考えた「ルール」が書かれています。

大学1年の僕はこれを見た時に「勝った…これで無敵だ!」と絶頂しました。それから佐藤さんのルールを使って、いろいろ企画を出してみるものの、全然いいアイデアが出ません。

佐藤さんの本を読んでいるときは無敵感になるんですが、いざ紙の前で考え始めると、脳が動かない。出したとしても、佐藤さんっぽいようなネタに。



人の発想法はそのままでは使えない

この時は分かってなかったのですが、人の発想法はそのままでは使えないことが多いんだと思います。

例えば佐藤雅彦さんが、「映像は音が規定する」みたいな考え方が、本に書いてがあった気がしたのですが…(違ってたらすみません)。それをそのまま使おうと思っても、僕にはうまく発想できませんでした。

でも、それをいろいろ試した結果、「映像の効果音をバグらせる」みたいな言い方に変えることで、案が出しやすくなりました。

やっていることは同じなんですが、自分の脳が動きやすいワードに変えて、自分が好みの発想が出やすい状態に近づけることで、使いやすくなります。新品の道具は使えないけど、それを自分なりに削ったりしてなじませていくようなイメージです。



その発想法を、自分の体内に吸収して、いろいろ試しながら、自分の言葉で説明できるようになることで、はじめて自分の武器になる。

人の発想法を自分のものにしようとする時、1回自分の体内にインストールして、使いやすい「言い方」、その発想法の中にある使いやすい「一部分」を吸収して、自分の言葉で説明できる状態になったとき、初めて自分のものになるんだと思います。

この現象は案外、知られていない気がします。

皆さんも誰かのそういう発想法とか、アイデアの出し方みたいな本を読んだはいいものの、結局仕事に活きてないってこと、ありませんか。だから、読んでも意味ないとか、読んで満足して終わるとかになりがち。

大事なのは、そこで合わないと思ってやめるのではなく、合うように自分でカスタマイズすること。自分が吸収しやすい形になるまで磨く、という一手間をかけることで、自分の武器が増えます。

もちろん、根本的に自分に合う/合わない思考法はありますが。でも、合うものを見つけたら、すごく嬉しいし、それはずっと武器になります。



ネーミング1つで大きく変わる

もう1つ例を書くと、前にnoteにした「マッハスロー法」という発想法も、言い方1つで使い方が大きく変わります。

実はこれは、noteに合わせて読みやすいネーミングに変えたのですが、僕の中では正しくは「コンテンツの賞味期限を変える」発想法、と呼んでいたものでした。

映画は2時間。コンテンツには賞味期限(体験時間)が勝手に決まってるけど、そこの時間を可変させることで、新しい発想は生まれる。

という思想のものでした。でもこれを読んだ人が、消化しやすい形にした方がいいかなということで、覚えやすいキャッチーな名前に変えてみました。

「マッハスロー」とすると、極端に早くしたり遅くしたりなりがちですが、「賞味期限を変える」「体験時間を変える」とすると、もっと微妙なニュアンスの加工がされそうなイメージです。

知的な言い方が好きな人は、小難しいネーミングにすればいいし、もっと覚えやすい名前がいい人はそうすればいいし。スローの部分だけ気に入った人は「スロー発想法」とか、「何でも遅くする発想法」とか、「体験時間を伸ばす発想法」とか、言い方を変えておくだけで、使い勝手は大きく変わります。

イメージは、自分の思考のツールを、どういう形で保管しておくと、実践向きになるか。その整備をしておくといいですよ、という話でした。

画像1




このnoteでは2020年、いろいろ発想法/思考法をまとめてみようかなと思ってるんですが、「人の発想法はそのまま使えない。それを自分に吸収しやすい形に変える」。この前提があると良い気がします。

以上よろしくお願いいたします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?