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【着物コラム】なぜ着物を着るのか


こんにちは、着物コーディネーターさとです。

週末に中国や香港出身の友人達と、お正月茶会をしてきました。
お茶会といいつつ、みんな写真撮ったり喋ったりしていたので、
ほとんど交流会でしたね。
Weiboを始めなかったらきっとこんな体験は一生なかったと思います。
とっても楽しかったです!みんなありがとう。


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私は着物を「日本の民族衣装」であると同時に「好きな服」だと思っているので、
外国出身の方に着物を着てもらえるのも、とても嬉しいです。
しかもみんな自分が好きなように着こなしている、これがとても嬉しいですねー!

日本人は礼装として「ここぞいう時」に着物を着ますが、
どうしても「お上品に振舞うこと」とセットになってしまうので、
日本人のアイデンティティー!とか以前に、
どうしても「お上品な人」ぶっちゃうんですよね。それもそれで日本っぽいのかもしれませんが。

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先日、随分前から知り合いだった人に
「さとちゃんっていつからそんな”着物の人”になったんだっけ?」
とド直球の素朴な質問をされました。笑
不思議ですよね。私も不思議です。


どうして「着物」をファッションとして選んだのか


女性は特に、見た目のコンプレックスで悩んだことがある人が多いと思います。
私も、今でこそ「みんな違ってみんないい」精神で、自分の事も嫌いではないのですが、
若い頃は悩んだ時期がありまして、そんな時に出会ったのが着物(というか浴衣)でした。

日本文化がどうとか、伝統だからなんだとか、
私には全く関係ありませんでした。
「着物って可愛いし素敵だし、
他人から何度も似合うと言われるから、きっと本当に似合っているんだ。
しかも服被りとか全然ないし、めっちゃいいじゃん!
小紋って普段着ていいの?じゃあ着付け覚えようかな。」

そんな軽い理由です。
単純な性格で幸せですね。笑
私の場合は、着物を着て人に褒められることでコンプレックスの克服になったんですね。



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着物って、とにかく着るのがめんどくさいんですよ。
紐を使って服を着るなんて大変効率が悪いし、保管にも気を遣うし、収納するのにも場所を取ります。
動けば着崩れるし、着崩れないように着ようと思うと苦しいし、
その上、お行儀が悪いと赤の他人から叱られたりする事もあります。笑

でもなんで着物を着るのをやめなかったのかな?と振り返ってみると、
そういう面倒さ以上に、好きな気持ちが上回っていた、というのと、
好きな事を安直な理由で邪魔されるのが気に入らなかったから、負けたくなかった、みたいな理由もあったと思います。

でも、コンプレックスだらけだった時期に「邪魔をしてくる人」に出会っていたら、
心が折れていたかもしれません。
「ただ好きな物を選ぶだけ」なのに面倒な事が多いと、普通は嫌になっちゃいますよね。

冒頭のお茶会のような場所にいると、
そういう「面倒」は減れば、
こんな風に着物を着てくれる人が増えるんだろうな、としみじみ感じます。


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「どうして着物が好きなの?」とよく訊かれるのですが、
正直あまり考えたことがないです。
チョコレートが甘くておいしいから好きなのと同じで、着物が可愛くて素敵だから好きなんです。
素敵だと思うものを着るのに、特別な理由なんて必要ないと思うんですよ。

伝統産業や日本文化など、よく着物とセットで付いてくるキーワードも、
それも着物という存在の側面の一つである、というだけです。




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