プロ野球球団からアパレルD2C企業に転職しました

2017年1月から勤めた横浜にあるプロ野球球団を昨年末に退職しました。

在籍中は多くの方に支えられ、球団のIT担当として3年間勤めることができました。
お世話になったみなさん、本当にありがとうございました。

この1月からは既に新たな職場で働いております。
3年間の振り返りと転職先を決めたきっかけについて転職ブログとして記載していきます。

免責
球団内では「IT戦略」と称しており「IT担当」であったわけですが、昨今「IT」という単語はやや限定的であり、「デジタル」という単語のほうが自身の仕事に対する単語として適切だと感じています。そのため以下では「デジタル戦略」「デジタル担当」「デジタル」という単語を利用します。

球団職員としての仕事

球団職員として3年間、デジタル戦略の担当として仕事をしました。
球団の仕事はチームの仕事と事業の仕事に分かれており、主に後者のデジタル周りを見ていました。

球団事業には多くのシステムがあります。
公式HP、チケットEC、グッズEC、POS、会員管理、公式アプリなど。

それらを横断的に見て技術的なディレクションや、大中規模プロジェクトのPM、中長期の事業戦略に沿ったデジタル戦略の立案、推進といった仕事をしていました。

1年弱ワンオペ時代もありましたが、後半はグループリーダーという役職に就いてメンバーのマネジメントにも携わることができました。

3年間、球団事業のデジタル面を支え、引っ張ることができたという自負はあります。

前職で主に学んだこと

前職では多くのことを学びました。
前職に入社するまでは、ベンチャー企業でエンジニアをしていたり、フリーランスとしてスタートアップのCTOを務めたり新規事業の立ち上げ支援をしていました。
いわゆるIT畑で育ち、IT業界以外の事業会社で働くことは初めてでした。

事業ドメイン知識の重要性
もともとエンジニアでありながらビジネスやマーケティングのことが好きで勉強していたりそれらしい仕事もしていました。

しかし、事業会社で働くのは全く勝手が違いました。感覚値ですが、今までは技術7:事業3、前職では技術3:事業7くらいの力の入れ方で仕事をしていたと思います。

もちろん技術の専門家として雇われているため技術について期待されていますが、それ以上に共通言語を身につけること、"自分たちのことをわかってくれた上で"意見を言ってほしいという期待を感じながら仕事をしていました。

事業ドメインを把握、意識した上で仕事ができるかできないかは仕事人として大きな分かれ目になると思います。
プロ野球球団、プロスポーツ事業の事業ドメインの中で仕事ができたのも、とても良い機会でした。

仕事にかける情熱
球団あるあるというかプロスポーツ業界あるあるですが、みんなスポーツのことが大好きで情熱を持って仕事をしています。
3年間で色々なことを学びましたが、これが一番刺激を受けました。

前職に入社する前に色々あって、仕事に対する情熱を忘れかけていました。
それを思い出すことができたのは周りで働いている方々の熱さでした。

色々ありましたが3年前に転職先として前職を選んだのは大正解でした。
意義もあり、興味関心もあり、強みも活かすことができる仕事でした。
正直やりたいことはまだたくさんあって、少なくともあと5年くらいは前職に居続ける選択肢もありました。

個人として今後取り組みたいこと

転職を決めるにあたって、個人として取り組みたいことがおよそ固まったことが大きな転換点になりました。

「このままじゃだめだな」と感じ始めたきっかけは、下記の記事です。

詳細は記事を読んでいただけたらと思いますが、Pelotonについての記事です。
Pelotonはハードウェアからソフトウェアの開発、販売、物流、ブランド、コンテンツ、継続課金モデルを垂直立ち上げしている企業です。

もともとデジタル化はどの業界にもやってくると感じていましたが、それをここまでクールに実現している企業を目の当たりにし、記事を読んだだけ鳥肌が立つほどの衝撃をうけました。

また、中国ではアリババを始めとした新小売(ニューリテール)が台頭しています。
数年前までスマホの中(オンライン)と外(オフライン)で分かれていた世界が、混ざり合って新たな体験が提供されています。

このPelotonと新小売に大きな衝撃をうけました。

既存業界のDX(Digital Transformation)をしていきたい
球団でのデジタル担当を通して、下記の問題に気づきました。
・デジタルテクノロジーがIT業界だけのものになっている
・既存業界内の会社にはデジタル化を推進できる人材がいない

これから多くの業界、会社がDXを推進するにあたり、
既存業界とデジタルテクノロジーの橋渡しをする人間がもっと必要だと強く感じています。
TOYOTAもSoftbankと協業することでDXを推し進めています。

日本にとっての最悪のシナリオは、既存業界のDXが遅れることにより、携帯電話がiPhoneとAndroidに独占されてしまったように既存業界も海外事業者に独占されてしまうことでしょう。
エンタメも、教育も、小売も、金融も、モビリティも全て例外ではないはずです。

デジタルテクノロジーを扱う人間として、DXを通して世界で戦うことができる会社を少しでも増やしていきたいと考えています。

FABRIC TOKYOに入社

前置きが長くなりましたが、1月より株式会社FABRIC TOKYOに入社しました。
プロダクトマネージャーとして働きます。

FABRIC TOKYOとは
FABRIC TOKYOはオーダースーツのD2C企業です。

社名を知らない方も、代表の森がD2Cについてまとめたスライドは見たことがあるかもしれません。

なぜFABRIC TOKYOなのか
転職を決めてから、なぜアパレル?オーダースーツ?D2C?とよく質問されました。

まずアパレルを選んだのは、スポーツからアパレルに転職をすると振れ幅が大きいからです。
もちろん金融やモビリティでも大きいんですが。
転職するからにはスポーツ業界だけは候補から外しました。

「既存業界のDX」をしていくと決めたからには、スポーツだけに特化するより幅広く多くの業界を見るべきだと思いました。

次にオーダースーツという点です。
スーツの需要が下がる中、自分自身もスーツを日常着ることはないのになぜ?という問いです。
これに関してはメンズビジネスウェアと広めに捉えています。

入社面接前にFABRIC TOKYOでジャケットだけオーダーしました。
前職時代からジャケパンで仕事をしているのですが、自分にフィットしたジャケットを着るととても気持ちが良いし気合いが入るんですよね。
今の形のスーツは縮小していくかもしれませんが、ビジネスウェアや自分をより良く見せたいときの服装、自分にフィットした気持ちの良い服装、という文脈は今後も残ると思っています。

最後になぜD2C企業を選んだのか、という点です。
個人的にはFABRIC TOKYOをD2C企業としてではなく、リテールテック企業として捉えています。

D2Cをはじめ、PelotonのようなSaaS Plus a Box、中国のアリババをはじめとした新小売(ニューリテール)。
FABRIC TOKYOもRaaS(Retail as a Service)構想を発表しています。

どれも小売のDXとして大きなインパクトのあるものです。
小売業界のデジタライゼーションは必ず来るものですし、個人としてもそこにトライできるのは非常にワクワクしています。

他にもありがたいことにお声がけいただいた企業や検討した企業もありました。しかし上記の通り、自らのビジョンと会社のビジョンの方向性がマッチするという点でFABRIC TOKYOに入社することに決めました。

あと、FABRIC TOKYOの会社紹介動画、すごく良いのにあまり見られていなくてもったいないのでみなさん是非見てください。

もしFABRIC TOKYOに少しでも興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、いつでもお声がけください。

まとめ

少し長くなりましたが、転職ブログを締めたいと思います。
これからDX分野、FABRIC TOKYOの成功に向けてコミットしていきます。
テクノロジーも大好きですし、それによって生み出されるビジネスモデルも大好きです。
その中でしっかりと成果を出していきたいと考えています。

また、スポーツ業界を離れてしまいましたが、必ずまたどこかのタイミングでスポーツ業界の発展に貢献したいと考えています。
それくらいスポーツ業界のことが好きになりました。ずっとスポーツに助けられてきた人生ですし。

普段は代々木におりますので、お近くの方や、DX、FABRIC TOKYOに興味のある方はTwitterまでご連絡くださいませ。


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