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人生で最初に入る会社の決め方

就職活動を始めるとき、私は近い将来起業をすることを目標にしていたので、その時に自分の商品が売れなかったら話しにならないと思い、まずは営業力を身に着けようと考えました。

参照:「何のために仕事をするのか?」を考えた日

そこで最初に目を付けたのはリクルートでした。就職を考えた時にリクルート出身の起業家、経営者が多いということを知り、ここなら経営の事を一番学べるのではないかと考えました。
実はリクルートの入社面接で私は9次面接まで進みました。「一体何回面接があるんだ?」と思いながらもだいたい一週間に一回のペースで面接に呼ばれ、最初の説明会を聞いてから3か月近くが経っていました。

私は就職活動を始めた時に自己分析と面接対策を徹底的に行いました。私が行ったのは、まず面接対策の本を1冊買ってきてそこに書かれている想定される質問全部に自分の答えを用意しました。そして実際に面接を受けたら、終わった直後に

・今日の面接で聞かれた質問
・そこで自分が答えた内容
・次回同じ質問を聞かれたら何と答えるか

の3つをノートに書き出しました。これを全ての会社の全ての面接で実施しました。これは今思い出してもとても効果的があったと思います。特に「次回同じ質問をされたら何と答えるか」まで考えるプロセスでは、自分が答えた内容で納得感がいかない部分だったり、面接官の表情がさえなかった返答については、自分のこれまで経験してきたことの中で「何を話せば一番相手に伝わるのか」「その質問に対して自分の中で一番当てはまる出来事は何か」を内省することになり、自己分析がそこでさらに進みました。
最終的に自分が書き出したノートは3冊になりました。そのためリクルートの面接を5次面接くらいまで進んだときには「もう面接だけなら落ちることないな」という自信がありました。

しかしリクルートもそう簡単には内定を出してくれず、ついに9次面接まで進みました。次回は人事部長で、その次に役員面接をしたら終わりと教えてもらい「ここまで来たら絶対に受かってやる」と気合を入れました。
ところが9次面接を翌日に控えた日に、不覚にも私は風邪をひいてしまいました。数日前からどうも調子が悪いなと思って悪化させまいとしていたのですが面接前日になってついに発熱してしまいました。当日の朝も熱は38度を超え、体の節々にも違和感があり最悪の体調になってしまいました。しかしここで面接日を変更したいと言ったら相手への心証が悪くなると思い、熱が下がらないまま面接にのぞみました。

面接が始まっても頭が回らない。人事部長からの質問にしどろもどろな返答しかできない。答えられないので余計に緊張する。そして1時間と言われていた面接は30分ほどで終了してしまいました。
いつもならすぐにどこかの喫茶店に入って面接内容の振り返りをするところですが、もうそんな体力も気力もなく銀座のリクルート本社ビルからふらふらしながら帰りました。
そして翌日リクルートから結果の電話があり、案の定「お見送り」の連絡でした。正直この時は浪人時代の大学が落ちた時なみに落ち込みました。(今思えば体調悪いならちゃんとそれ言えばよかったのにと思いますが。。。)

しかしそれでも私は諦めきれず、そのあとリクルート本社に3回「もう一回面接をしてほしい」と直談判しに行きました。それでも結果は変わらず私は9次面接でリクルートを落ちてしまいました。

もうそのころには自分はリクルートに入って、その数年後には会社を辞めて起業することをイメージしていましたので「自分の人生ってなんでこう上手くいかないのだろう」と悔やみました。

その時、大学の研究室の先輩にリクルートが落ちたことを話すと「だったらインテリジェンスを受けてみたら」と教えてくれました。「リクルート出身の人たちが立ち上げたベンチャー企業で、今スゴイ成長しているから面白いと思うよ」と言われました。

■株式会社インテリジェンスとは
株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)は現在はUSEN-NEXT HOLDINGSの代表取締役社長の宇野康秀氏が立ちあげた総合人材サービス企業で、私が受けた時には鎌田和彦氏(現在株式会社オープンハウス取締役副社長)が社長をされていました。また元・楽天野球団代表取締役社長の島田亮氏も創業メンバーで、サイバーエージェントの藤田晋社長もインテリジェンス出身になります。

正直インテリジェスという社名はその時初めて知りました。ネットで調べるとギリギリ最後の会社説明会の募集がかかってたので急いでエントリーして面接会に参加しました。

当時のインテリジェンスは青山のカナダ大使館に本社がありました。説明会では当時社長だった鎌田さんが熱弁をふるっていました。見た目はとんねるずの石橋貴明さんのようで、とにかく話しが面白い。
「なんか分からないけど、この会社メチャクチャ面白そう!!」と直感的に思いました。そして面接になるととにかく面接官に魅力的な人たちばかりが出てきました。
そしておそらく会社としても採用活動の終盤だったのでしょう、私は1週間で5回面接に呼ばれ、最終面接では鎌田社長とお話ししました。この時の面接は今でも「あれは面接だったのか?」と思うほど変わっていて、私が『Tops』というケーキ屋さんでアルバイトしていたことを履歴書で見ると、1時間のうち50分鎌田社長がどれだけ自分がTopsのカレーを愛しているのかという話しを一方的に聞かされました(Topsはケーキの他にカレーも有名だったのです)。
そして鎌田社長が「じゃあ、ちょっと待ってて」と言って席を外すと、そのあとに人事部長が現れ「鎌田が君を採用すると言っているけどどうする?」と聞かれました。

私は半ばあっけにとられ「少し考えさせていただきたいですが、前向きに考えています」と答えると人事部長は

人材総合サービスをやっているうちの会社に入れば、これから色んな会社を見ることになる。その中できっと君が気に入る会社もあるだろう。もしそういう会社が見つかったらその時インテリジェスを『卒業』すればいい

と言ってくれました。
私はその言葉を聞いて「自分の会社を『卒業』という言葉を使って説明する人事に初めて会った。つまり社会人としての勉強をさせてくれる会社なんだ」と思い、社会人として1社目はこの会社にしようと決めました。

私は会社を選ぶときには

・まず自分の働く目的を明確にすること
・自分の働く目的を一番叶えてくれる会社を選ぶこと

これが一番大事だと思います。

このあと私はインテリジェスから本当に色んなことを学ぶことになり、自分の社会人としての基礎は全てインテリジェンスから学ぶことになりました。

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