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三菱電機が人工衛星のアンテナを宇宙で3Dプリントする技術を開発

三菱電機株式会社は、宇宙空間で衛星アンテナを3Dプリントするアディティブ・マニュファクチャリング技術を開発したと発表しました。この斬新な技術は、太陽の紫外線を利用した光重合による低消費電力プロセスで、新開発の液状樹脂を使用しています。

アディティブマニュファクチャリング(Additive Manufacturing:AM)・・・3Dプリンティング技術などの積層造形技術を用いた製造方式のことを指し、今後のものづくりに大きな影響を及ぼすと言われています。その仕組みは、メタルパウダーまたはワイヤーをレーザ光によって一時的に溶融させ、その材料が冷え、次の材料層が堆積することにより、 3D 構造図に基づいた精度の高い造形物を成形すること。

三菱重工業

「3Dプリンターから押し出された液体樹脂は、太陽の紫外線を浴びると硬化して硬い固体になります。この技術を用いることで、従来のアンテナよりも大型で軽量なパラボラアンテナを製造することができます。」と、同社は技術説明のビデオで述べています。

三菱電機は、直径165mmのパラボラアンテナを試作し、13.5GHzのKu帯で23.5dBの利得を確認したと報告しています。同社は、3Dプリント技術で特許を取得し、真空中でも太陽の紫外線で硬化する樹脂の開発で2件目の特許を取得しました。

この開発により、現在制約となっているロケットのフェアリングの大きさや衛星バスの大きさによる衛星のアンテナサイズの制約を受けることがなくなるといいます。これにより、小型衛星で大型衛星並みの機能を実現できる可能性が考えられています。

【原文へ】" Mitsubishi Electric Develops Technology to 3D Print Satellite Antennas in Space "

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