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【孫子の兵法】:「先手を打つ」為の資質を身に着けるためには?

『孫子曰く、先に戦地に処りて、敵を待つ者は佚(いっ)し、後れて戦地に処りて戦いに趨(おもむ)く者は労す。故に善く戦う者は、人を致して人に致されず。』

ドラッカー『明日の問題』に取り組む為には

『孫子の兵法』は戦争をする為の兵法ではなるけど、現代に生きる私たちの立場で読むと応用が利く書でもあります。

この『先手を打つ』は、戦争の一局面のときのみを指して言っている訳でなく、現代における企業にとっても必要なことです。

一例として、ドラッカーの次の言葉をご紹介します。

企業にとって、本業の仕事は三種類ある。(1)今日の事業の業績をあげる。(2)潜在的な機会を発見し実現する。(3)明日のために新しい事業を開拓する。これら三つの仕事には、それぞれ異なるアプローチが必要となる。異なる問題提起が必要となる。したがって、結論もまったく異なったものとなる。しかし、これら三つの仕事は、互いに切り離すことはできない。しかも、同時に行って行かなければならない。すなわち、いずれも今日行わなければならない。そして、同じ組織によって、同じ資源、すなわち人、知識、資金を用いて、同じように企業家的なプロセスによって、行わなければならない。未来は明日つくるものではない。今日つくるものである。主として、今日の仕事との関係のもとに行う意思決定と、行動によって、今日つくらなければならない。逆に、明日をつくるために行うことが、直接、今日に影響を及ぼす。三つの仕事は重なり合う。したがって、一つの統合された戦略が必要である。さもなければ、三つの仕事のいずれも不可能となる。これら三つの仕事に同時に取り組むためにはもちろん、そのうちの一つに取り組むためにさえ、経済的な組織としての企業の現実、その経済的な成果をあげるための能力、利用しうる資源と可能な成果との関係について、理解しておかなければならない。さもなければ、単に目まぐるしさに翻弄されるだけである。しかし、そのような理解は、既成の概念によって与えられはしない。企業ごとに手に入れなければならない。(「創造する経営者」P・F・ドラッカー著より)

他企業に先立ち『明日のために新しい事業を開拓』しようとする、それが『先手を打つ』ってことです。

「先手を打てる」ことが事体が、普段の準備の如何、経営者・指導者・指揮官の能力の差であることは、先程のドラッカーの言葉から推察できます。また同時に、【五事七計】からも推察できます。【将】リーダーの資質が入っているのだと思います。【将】がどの程度の資質を持っており、【法】によって、どのような組織を作っているのかを比較する訳です。ですから、普段から先手を打てない人は、いざっというときに先手を打つことはできない(そう考えながら、ふと、苦しい状況下で寝ていた資質を目覚めさせる人もいるかもしれない、と思いました)。

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