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でんぱ組.incの未鈴ちゃんとピンキーのラジオ番組「でんぱch.♥」の構成を5年間担当して感じたこと。

2020年3月26日にでんぱ組.incの未鈴ちゃんとピンキーがパーソナリティーを務める「でんぱch.♥」というラジオ番組が最終回を迎えた。

放送曜日や時間帯が変わることはあったが、丸5年にわたった番組。

正直な所、アイドル番組としては長くやらせて頂いた方だと思う。番組が終わると聞いた瞬間は、もちろん寂しい気持ちになったが「ついに来たか」という気持ちもあった。

それと同時に思ったことが「最終回どうしよう」。

最終回だけど、逆にさらっとおもしろおかしく終わるやり方もある。ただ、お涙頂戴系の番組も好きな自分。

結論、最終回前の収録で彼女たちにこう聞いた。

「手紙書いてくるとかどう?」

最終回と言ったら手紙。そんなイメージが自分にはあった。

2人は「いいですよ」とすんなり聞き入れてくれた。未鈴ちゃんは「忘れそうだな〜」と言ってメモをとっていた。

手紙というのは自分の想いを届けたり、相手の想いを受け止めるにはとても強力なツールだと思っている。特にLINEやメールが当たり前の今の時代だからこそだ。

ひと文字ひと文字、その人のことを考えながらペンで書くことはパソコンやスマホで文字を打つ作業とはわけが違う。

それは身をもって体感している。

中学時代、好きな女の子に手紙でフラれたことがあるからだ。あの時はこたえたよ。

まあ、とにかく、このnoteでは未鈴ちゃんとピンキーだけに手紙を書いてもらうのは申し訳ないので、自分もこのタイミングで「でんぱch.♥」という番組について書いてみようと思った。

残念ながら、私は字が究極に下手くそなので、手紙ではなくパソコンに向かってこれを書いている。どうかご容赦下さい。

■TOKYO FM「でんぱch.♥〜TOKYO DEMPA INTERNATIONAL〜」
■パーソナリティー:古川未鈴、藤咲彩音
■放送期間:2015年4月〜2020年3月
 ※2020年4月からJFN PARKというアプリに番組が移籍。

ーーー私は放送作家という職業でラジオ番組の構成などを仕事にしているが、ある日、おしゃれディレクター・小野口さんから話を頂いたのが、でんぱ組.incというアイドルグループの新番組。

でんぱ組.incを初めて知ったのは、瑛太さん主演のドラマ『最高の離婚』で本人役で出演していた時だ。オタクアイドルが本気でライブをしていた映像が印象に残っている。

そのほかに知っている情報としては、最上もがちゃんという金髪ショートの子が在籍しているということ。あのビジュアルはキャッチフレーズ通り「異端児」を漂わせていたので覚えていた。

番組の概要について聞いてみると、どうやらパーソナリティーを務めるのは、古川未鈴ちゃんとピンキーの2人ということだ。

「もがちゃんいないんかいっ!」

そんなことは思っていない。絶対に思っていない。

勉強不足で本当に申し訳ないが、未鈴ちゃんとピンキーがどんな子か分からなかった。完全に初めまして状態。

Wikipediaで調べ、ふわっとした情報だと、未鈴ちゃんはゲームオタク。ピンキーはコスプレイヤー。

「はて、どうするか…」

私自身、オタク文化に精通しているわけでもないので、どんなトークをさせるのがベストなのか色々考えた。もちろん、彼女たちもどんなトークをすればリスナーやファンが喜んでくれるだろうかというのは必死で考えていた。

最初はああでもないこうでもないという試行錯誤があった。台本もどんな書き方をすればいいのか悩んだ。

特にトーク部分で悩んだことは「オタクアイドルのでんぱ組.incだからと言って、ラジオでオタクが好きそうな話ばかりさせていいのか?」ということ。

ラジオは老若男女、たくさんの人が聞いている大衆メディアだ。あまりにマニアックすぎる話題だとリスナーが離れてしまうんじゃね?と思った。

それに、ことゲームやアニメ、マンガの話になると、オタク特有の早さで突っ走る。

車に乗りたいのに乗れず、引きずられているみたいだ。

番組開始当初は「もう少しゆっくり話そうか?」と何度か諭していたと思う。

そんな中、番組を進めているうちに自分が想像していなかった状況が起きていることに気づいた。

Twitterだ。

アイドルとTwitterの親和性が強いのもあるかもしれないが、でんぱ組.incとTwitterのシンクロの強さは自分の想像をはるかに超えていた。

彼女たちが話せば「www」とか、ここまでリアクションがあるものなのかと衝撃を受けた。

これを活かさない手はないと思った。

見えないラジオリスナーより、スマホで見えるラジオリスナーを意識してもいいのではないか。

番組の人気も、このTwitterのハッシュタグを見れば一発で分かる。

そこで、私は放送業界に携わる人間として、最低限のトーン&マナーは守りつつ、彼女たちには自分が持つ長所をどんどん出してもらう!

彼女たちが楽しくおしゃべりすれば多少早くてもついて来てくれるはず!

そんな流れにしようと思った。

つまり、いきなり学園のマドンナとして誰からも愛される2人になるのではなく、まず、ある一部の男子から「あの2人かわいくない?」という熱狂的なファンを作る。

そして、そのファンが魅力を発信する。その発信がまわりに伝わり、最終的にオリジナルの学園のマドンナが完成すればいいなと考えた。

「でんぱch.♥」が始まる前にはTwitter上に番組のハッシュタグ「#dempatfm」を付けて「待機」「待機」「待機」のつぶやきが並ぶ。

なかには直前にニュースを読んでいたアナウンサーにお礼をするリスナーもいる。

番組が始まれば実況の嵐。でんぱch.♥的には彼らを「実況勢」と呼ぶが、彼らのつぶやきは番組にパワーをもたらす。トレンド入りは日常茶飯事。

未鈴ちゃんがひとたび大好きなゲームのマニアックトークをすれば共感するリスナーから「始まったな…」と、いい意味であきれるリスナーもいる。

ピンキーが得意の言い間違いやおとぼけ発言を繰り出せば、すかさずツッコミがやってくる。

そこには愛を感じる。

特にTwitterのパワーを感じたのは三才ブックス「ラジオ番組表2017年秋号」の特集「第10回 読者が選ぶ 好きなDJランキング」で2人がFM部門1位になった時だ。

リスナーが一丸となって「2人を1位にさせよう!」と協力して獲得した1位。表紙を見た時「こんなこと起こるんだ」と喜びを感じたのを覚えている。

未鈴ちゃんは当初よりしゃべりの構成力が格段に上がった。フリとオチがしっかりできている。普通のアイドルではなかなかできないことだと思う。生放送になっても責任もって進行してくれる。ラジオに好奇心をもって臨んでいるのも大きい。オタクの性質をうまくトークに活かし始めてからはもう敵なし。他局だがゲスト出演したTBSラジオの番組でライムスターの宇多丸さんにゲームネタで圧倒していたのを聞いてそう確信した。

ピンキーは瞬発力と表現力が魅力だと思う。「日本あざますの会」という番組のコーナーがあり、そこで「あざまーす」とピンキーが叫ぶのだが、あれは演出でもなんでもなくピンキーが見つけたギャグだ。台本にあんな風に叫ぶとは書いていない。「ありがとうございます」という意味なので非常に使い勝手もいい。アイドルの先輩である未鈴ちゃんをリスペクトしていたり「2人で遊びに行きたい!」というコントっぽい遊びも本心から来ていると思われるので、その片想い感も聞いていてほっこりする。

いいコンビだと思う。

ーーー話は戻るが、アイドル番組というのはぶっちゃけ長寿にはなりにくい。アイドル自体の寿命が何年も続くわけではないから。

2015年4月に始まり2020年3月26日で最終回を迎えたわけだが、TOKYO FMで5年もアイドル番組を続けられたことは自分自身もありがたいし、すごいことだと思っている。

それに、最終回を迎えたは迎えたわけだが、まさかの展開で、JFN PARKというアプリで番組が続くことが決まった。

未鈴ちゃんとピンキー、そして、リスナーで作られる「でんぱch.♥」の可能性を、もう少し近くで見させてもらいたいと思う。

ということで・・・
2020年4月からは「JFN PARK」でお楽しみ頂ければ幸いです。毎週木曜日22時に配信されます。

Twitterやnoteのフォロー、お待ちしています。

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放送作家という仕事をしております。日常で気になったこと、面白いと思ったことなど、読者の方のためになる記事を書くよう心掛けます。趣味はサウナです。

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