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文学フリマ香川で買った本の感想(はるはる編)

『リドゥ』畔木鴎(@silver_hat1126)さん
(サークル名:Selfish)

今よりも少し未来の日本。
電脳世界で戦うゲーム(ライトノベルを読んでいる方でしたらSAOに登場するフルダイブ的なゲームと言ったら伝わりやすいかもしれません)の才能に恵まれていた主人公は『電脳の麒麟児』と呼ばれ、小学生ラインキングでトップにまで登り詰めます。しかし、様々な理由で思うようにいかなくなり転落。その後、周囲の人たちの助けを借りながら再起し、もう一度同じ場所へ立とうと頑張るお話です。

パッと表紙を見た感じではライトノベルの印象を抱く方も多いかもしれませんが中身は人間ドラマを描いた作品となっています。

また、電脳世界(ゲーム)の先頭描写や主人公の戦略などは、ゲームが好きな方(FPSなどPvP要素のゲーム)は刺さる部分もあるかもしれません。


ここから先はネタバレを含む場合があります。
注意してください。





電脳世界(ゲームの世界)での適応力を示す電脳係数が小学校3年生の時にとても高いことがわかった主人公。
その「おかげ」で良いことも、「せい」で悪いこともありつつ、最終的には小学生→中学生といった変化(心も体も環境も)で上手く行かなくなってしまいます。

そこから中学校で、小学生時代を知る人たちから助けを得られる展開は良かったです。個人的に、昔に繋がりがあった人たちが、主人公が困ったときに駆けつけて助けてくれる展開が大好きなので。
でも、小学生時代=ランキングトップだったときに嫌な奴だったら助けてくれる人は居なかったはずです。巡り巡るものはあると思うので、その点は自分も人と人との繫がりに感謝をしないといけないなと改めて思いました。


落ちるところまで落ちた主人公が周りの人たちの力を借りて再び立ち上がっていく過程、それを支えてくれた家族や周囲の人たちへの感情だったり認識のような部分の変化、成長がしっかり描かれていて読みごたえがありました。


そして、何と言ってもこの作品。
なんと200円だったんです。
文庫本100Pくらいで、200円。
あり得ない……。

作者の畔木さんが他のイベントに出店されるのか、在庫はあるのか、など全くわかりませんが、もし機会がありましたら読んでみてください。

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