『12月26日』という日時に対する個人的なきもち。

11月も末の頃のお話。
『あとちょっとで12月になるなぁ』などとカレンダーを指折りなぞりつつ、感じることといえば…
もうあれしかないでしょう。赤いアイツの件。

♪きっと君は来ない…独りきりのフンフーフンン。
♪サイレンナーイ、フゥンッ↗フフ、ホリーナーイ。

有名曲ですらウロ覚えなどうも私ですこんばんわ。

いやぁ、クリスマスでしたね。
この時期になると毎度感じるのは、世間のクリスマスに対するゴリ押し感ってパねぇよな、と思うわけであります。

『そんなのただの商戦よねww』なんて横目で流そうとしても、やっぱりどこか気になってしまうクリスマス。恋人はいなくても、ちょっとそのへんのコンビニでジュースを買いにいこうもんならやたらと店内はクリスマスったらクリスマス。ちょっとチキンだけでも買ってみちゃったりしてね。あ、すみません箸は1膳で大丈夫です。

箸は一膳で大丈夫なんだよなぁ…って思いつつ帰宅し、さっき買った袋の中身を出す際に発されるビニール袋のガソコソ…とした音をごまかすかのように、リモートコントローラーをポチッとしてみれば明石家サンタがやっていて、ちょうどよく(個人的には)大ネタがあるから電話を…！とダイヤルしてみても、繋がりすらしねぇのですよ。回線が込み入ってるようです、ようです。余計にむなしくなる電子音声。

そうこうしているうちに、電子レンジからは『弁当あたたまったよー！』というチン音が、乾いた部屋に鳴り響き、なのでレンジの前に立ち、そのドアを開けて弁当を取り出し、ラップてきな透明なやつをペリペリと剥がし。一膳の箸をその包まれている袋から出し『爪楊枝どうしようかな捨てるかな、取ってとくかな』という思考が一瞬でも頭によぎりつつ、四角い箱というか薄っぺらな板からはギャハハハハハ！と陽気な笑い声が乾いた部屋に響き流れるんです。

温まりすぎてクソ熱くなっちまった米をちびちび箸でつまみながら、やっぱり携帯を片手にし発信してみるけれど、電子音声しか流れないところで諦めて、携帯を放り投げて。テレビの陽気な笑い声を見つめながら明日というか今日になっちまった翌仕事のことを思いつつ、弁当をモサモサと食らうのですよ。
そんなサイレンホーリーナイト。

聖なる夜とかクソくらえばいいのに。
まぁ、とりあえず、メリクリ。

そんな風にお過ごしであった方もいらっしゃる事かと思い、文字に起こしてみました。やけに忠実な描写であるのは何故かしらなぜかしら
(理由はご想像にお任せします)
(強く生きてゆきたいです)

まぁまぁ、上記のようにヒトリキリのサイレンナーイだった場合はともかく、フタリダケ(ハァト)な性夜をお過ごしであられるリアル充実派の方々らも、恐らくその頭ん中はクリスマスのことでいっぱいでしたよね。
お店の予約どうしようかな、あそこかな、ここかな。プレゼントはどうしようかな、喜ぶかな。

仲間たちとウェーイ派の方だって、
楽しみだな、どう過ごすかなって。
それはそれはもう、みんな大好きクリスマス。

…馴染みのお店で「クリスマスって何よケッ」と言いながら、常連客たちで結成された死ね死ね団なる組織に属する安心感を肴に酒を呑むも良いし、
「てかアイツ来てなくね？」「クッッソ裏切りやがった！」などという状況がだいたい毎年繰り返されるのも、テキーライッキにライムの酸っぱさも、それもまた酔狂だね。

そんな感じで、各々のクリスマスをお過ごしだったかと思います。思いますが、さてここで本題です。

12月26日。私は、この日がとても大好きなんです。

もう既に25日頃から、クリスマス感は少し遠退きつつある感覚を味わいます。メディアしかり、スーパーの売り場しかり。25日ってまだクリスマスな筈なのにね。散々見かけた赤いアイツでしたが、ふと気付けば体型は似てるけど日本的な金色になっていて、白い袋じゃなくって鯛を持っています。

そして26日にもなると、夢から醒めたかのように。
クリスマスの『ク』の字も無くなり綺麗に消滅。
もうね、年の瀬。だーーれもクリスマスの話なんてしていません。

あれだけサイレンナイだったのに、恋人と過ごす夢のホーリナイだったのに。

なんかね、クリスマスを擬人化するとしたら、とても賑やかで無邪気な女の子だと思うんです。

「見てみて聞いてきいてー！私ね、クリスマスなのクリスマスだよっ大好きでしょみんなが大好きなクリスマスだよー！ねぇねぇ祝って祝ってー！」
と言いながらバタバタやってきて、いらっしゃいませどうぞお茶でも…とこちらが腰を上げた瞬間に
「ちょごめんもう25日だぁー！帰る準備しなきゃー！またねまたね、また来年ねっ☆ありがとー！」
って走り去って行くようなタイプの女の子。
なんだかんだ言ってモテるタイプの女の子。

慌ただしく去った女の子。
金色な神様は、のんびりと、地上の様子を眺めておられるような気がします。

そんな12月26日が、個人的にとても大好きです。

(と、いう文章を12月28日も終わりかけのタイミングで書いてみました。皆さん素敵な年の瀬をお過ごしくださいませませ)