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ずっと浸かっていたい風呂のような作品 ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語

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27年間生きてきて、若草物語という名前は聞いたことがあった。

源氏物語とか平家物語のような古典の一種かと思っていた。

実際に調べてみると発行されたのは1868年。

今から150年前に書かれた自伝的小説だという。

最近とは言えないが、けっこう近代の作品だ。


原題は『Little Women』(小さな女性たち)

意味を調べてみると「著者の父親が実際に娘たちを呼称するのに用いた言葉で、幼い少女ではなく一人の立派な女性であるという意味合いで用いられていた」

・・・タイトルがすでに良い。

子どもではなく、あくまで一人の人間として接する。

もし将来自分にも子どもが生まれたら、女の子なら a womanとして男の子なら a manとして、彼らと対等な態度で付き合って行きたいと強く思った。

さて、この映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

結論、ずっと半身浴で入っていたいお風呂のような作品だった。

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【みどころ】

・キャストの豪華さ(エマ・ワトソン、ティモシー・シャラメもいるよ!)

・流れる音楽と映像の綺麗さ

・アカデミー賞衣装賞を受賞した衣装の綺麗さ(画面の色合いが完璧に計算され尽くされている。ラ・ラ・ランドがよりクラシックにあったような色合い)

【気になる点】

・心地よさ故に眠くなる(前半10分ほど眠ってしまった…)

・時系列が前後するため、ストーリーを把握するのがちょっと大変

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劇中では通奏低音のように「女性にとっての幸せとはなにか」というテーマが根底に流れている。

結婚(生活のために結婚するのか、相手を愛しているから結婚するのか)、独立(地元の親元を離れるのか、都市へ出ていくのか)、職業の選択(専業主婦か、自分の力で稼いでいくのか)

今から150年前の作品とは思えないほど、今の時代にも共通することが多い。

あと、終盤の『傘の下で』はこれまでのどの映画の雨のシーンよりも多幸感に溢れていて個人的にいちばん好きなシーンだった。

一般的に雨は悲しみやよくないことのメタファーとして用いられるけれども、そんな雨の中描かれる幸福なシーンが強いカタルシスを与えてくれる。

雨の中で君と歌おう!

ぜひ劇場へ足を運んでこの世界観に浸かりに行ってみてほしい。

劇場を出る頃には心の芯から温まって今夜はぐっすり眠れるでしょう。

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