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福島映像祭2020で『コールヒストリー』が上映されます

タイトルの通り、昨年公開した映画『コールヒストリー』が福島映像祭2020で上映されます。上映日は 9月19日(土)15:00〜 9月24(木)15:00〜 の2回。ぜひご覧いただけたら嬉しいです。

福島映像祭とは
福島映像祭は、福島や3.11にまつわる、あらゆる映像を集めて上映する映像祭です。映画、テレビ番組、そして一般市民による日々の記録まで、震災・原発事故の記録を継承し、映し出すことを狙いとして2013年から毎年開催しています。震災・原発事故からまもなく10年。今年も福島の今を見つめます。

福島映像祭2020
日 程 2020年9月19日(土)~9月25日(金)
会 場 ポレポレ東中野/スペース&カフェポレポレ坐
主 催 認定NPO法人OurPlanet-TV
共 催 ポレポレ東中野

『コールヒストリー』は、朗読の菊地ゆきさんとの共同脚本です。

舞台は東日本大震災後の福島。架空の都市伝説とアーティスト・イン・レジデンスを媒介として、地域アートや参加型アートにおけるリサーチやフィールドワーク、ドキュメンタリー映画における撮影や取材が孕む構造的・制度的な問題を浮かび上がらせるとともに、より普遍的なテーマ、すなわち、あらゆるコミュニケーションにかかわる「聞くこと」や「受け取ること」の困難に向き合う試みです。

私がこれまで関わってきたアートやドキュメンタリーは、この10年間、「地域」と呼ばれる場所に対して何をしてきたのか。地域/アートにおける「参加」「対話」といった言葉への違和感を、映画を通じて、安直な「敵」や「悪」を設けずに、どこまで精密に思考できるか。そうした問いを出発点に、これまで考えてきたことのすべてを詰め込みました。初期構想から8年(後述)、制作再開から3年をかけて完成させた渾身の一作です。

そして、上述した作品のテーマとも関連して、上映の前にお伝えしておきたいことがあります。

今年の7月に、カオス*ラウンジ(合同会社カオスラ)代表の黒瀬陽平氏によるアシスタントスタッフへのパワーハラスメントが発覚しました。また翌月には、同団体がこの件の組織的な隠蔽を図ったという告発が被害者の方からなされました。

『コールヒストリー』のエンドクレジットには、「スペシャルサンクス:カオス*ラウンジ」という記載があります。2011年に黒瀬氏から福島を舞台とした短編の制作依頼を受け、未完に終わったその作品をプロトタイプとして『コールヒストリー』が生まれたという経緯から、クレジットに団体名を掲載させてもらいました。

一度公開したものを事後的に無かったことにしたり、隠すべきではないと判断し、エンドクレジットへの団体名の掲載は今後も残しておきたいと思いますが、そこに、黒瀬氏およびカオス*ラウンジのハラスメント行為を肯定・擁護する意図は一切ありません。

不均衡な立場を利用して自身の要求を押し付けたり、加害者に加担して隠蔽を図る行為に対して、強く抗議します。一刻も早く事件の調査・検証がおこなわれ、被害者の方への適切なケアがなされることを望みます。

また本件を、一個人・団体だけの問題とするのではなく、映画やアートをめぐる業界、社会全体、そして自分自身の問題として受け止め、今後の活動・行動のあり方を考えていきたいと思います。

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