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jig theater関連

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鳥取県中部のミニシアター「jig theater」と、倉吉シネマエポックで行われた企画「〇〇と映画」に関連する記事です。
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「方法」としてのドキュメンタリー(巡回上映「現代アートハウス入門 ドキュメンタリーの誘惑」を見る)

「方法」としてのドキュメンタリー(巡回上映「現代アートハウス入門 ドキュメンタリーの誘惑」を見る)

2022年12月3日(土)から、jig theaterで「現代アートハウス入門」第三弾の上映が始まりました。今回のテーマは「ドキュメンタリーの誘惑」ということで、私は初日にドキュメンタリー史のガイドを兼ねたレクチャーを行いました。以下は、当日お話しした内容をざっくりまとめつつ、加筆・再構成したものです。

ジャン・ルーシュ『人間ピラミッド』先ほどご覧いただいた『人間ピラミッド』(1961)の監督ジ

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〇〇と映画

〇〇と映画

鳥取県中部のミニシアター「jig theater」による新たな企画「〇〇と映画」に、映画解説役として参加します。

「〇〇と映画」は、jig theaterの柴田修兵さんと三宅優子さんがセレクトした「これはもうぜったいみんなに観てほしい!」「映画史に残る大傑作」を上映し、その作品に関係する身近なテーマ(子ども・ショッピングモール・食卓)でトークをするというイベント。映画史に残るという傑作を一度は映

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子どもと映画——『動くな、死ね、甦れ!』上映に寄せて

子どもと映画——『動くな、死ね、甦れ!』上映に寄せて

2021年10月10日(日)、倉吉シネマエポックで映画『動くな、死ね、甦れ!』(ヴィターリー・カネフスキー、1989)が上映される。トークゲストは倉吉で「自然がっこう 旅をする木」を経営する得田優さん。以下、上映に向けて作品を再見した感想と備忘録を記しておく。

カメラが記録したイメージから成る映画は、たとえ物語が完全なフィクションであっても、必ずドキュメンタリー的な要素を含んでいる。

『動くな

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鳥取とゾンビ——『ゾンビ』上映に寄せて①

鳥取とゾンビ——『ゾンビ』上映に寄せて①

「○○と映画」の初回『動くな、死ね、甦れ!』上映は無事に終了。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。作品が作品だけに解説役が務まるか不安でしたが、jig theaterの柴田修兵さんに巧みにフォローしていただき、それほど硬くならずに喋ることができました。また上映後、楽しんでくださった方の声を聞くことができて一安心しました。

自然学校で日常的に子どもたちと接している得田優さんの映画評にも感

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ショッピングモールと映画——『ゾンビ』上映に寄せて②

ショッピングモールと映画——『ゾンビ』上映に寄せて②

2021年10月31日(日)、倉吉シネマエポックで行われる『ゾンビ 日本初公開復元版』上映&トークイベントに向けて、作品についての考えをまとめておきたいと思います。一応、ネタバレがあるのでご注意ください。前回の記事は以下。

1979年の日本(鳥取)を想像する大学の講義で映画について語るとき、私は公開当時の観客になったつもりで作品を鑑賞することを勧めています。名作と謳われているのにいまいちピンとこ

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食卓と映画——『お茶漬けの味』上映に寄せて①

食卓と映画——『お茶漬けの味』上映に寄せて①

「○○と映画」シリーズ@倉吉シネマエポックもあっという間に最終回。2021年11月14日(日)、トークゲストに蒜山耕藝の高谷裕治さんと絵里香さんを迎え、小津安二郎監督『お茶漬けの味』(1952)の上映を行います。「食卓と映画」というテーマを踏まえて、今回も二回に分けて作品の見所を紹介したいと思います。

『お茶漬けの味』と鳥取『お茶漬けの味』は1952年10月1日に全国公開されました。52年と言え

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食卓と映画——『お茶漬けの味』上映に寄せて②

食卓と映画——『お茶漬けの味』上映に寄せて②

「○○と映画」シリーズ@倉吉シネマエポックもあっという間に最終回。2021年11月14日(日)、トークゲストに蒜山耕藝の高谷裕治さんと絵里香さんを迎え、小津安二郎監督『お茶漬けの味』(1952)の上映を行います。「食卓と映画」というテーマを踏まえて、今回も二回に分けて作品の見所を紹介したいと思います(前回の記事は以下から読むことができます)。

映画と食「映画と食」というテーマには、何かしら人の気

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