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孫大輔『うちげでいきたい』2022年
町の人と映画を作ること・見ることが健康につながるのではないか、という想いから制作された地域映画『うちげでいきたい』を見た。地域における在宅看取りを題材とし、鳥取大学医学部の教員である孫大輔が監督をつとめている。上映日は2022年4月3日。場所は、なかやま温泉・生活想像館わくわくホール。
「演じること」についての物語だが、映画そのものが演技をしているように感じた。フィクションの映画において、役者が
かんのさゆり「New Standard Landscape」於 石巻のキワマリ荘
2022年3月、石巻のキワマリ荘でかんのさゆりの写真展を見た。以下、備忘録として残しておく。いつか機会があれば、前回の西澤諭志展と併せてもう少し丁寧に論じてみたい。
まだ目立った汚れもない、清潔で真新しい外壁材が印象的な住宅地。アスファルトとコンクリートで塗り固められた地面。茫漠とした荒地を覆うブルーシート——。かんのさゆりが「New Standard Landscape」と呼ぶ風景は、彼女が東
水戸芸術館クリテリオム98 西澤諭志
2022年3月、水戸芸術館で西澤諭志の写真展を見た。以下、備忘録として残しておく。
例えば長崎県島原市平成町、島原復興アリーナで撮られた写真。遠くにそびえる雲仙普賢岳を背にして、サッカー日本代表のユニフォームを着た坂本龍馬像が佇んでいる。さらにその手前の広場では、お揃いのユニフォームを着た中学生か高校生の一団が時間を持て余している。島原に龍馬像が設置されていることについては、ここは龍馬ゆかりの
第3回万葉の郷とっとりけん全国高校生短歌大会と『ずぶぬれて犬ころ』
11月7日、鳥取市の県民ふれあい会館で、第3回万葉の郷とっとりけん全国高校生短歌大会( https://www.pref.tottori.lg.jp/301780.htm )を見た。思いの外楽しく、審査員のコメントの隅々まで配慮の行き届いた的確さも流石だった。
出場チームでは、花月マーチ(神奈川県立光陵高等学校)の動画が印象に残った。各チームは事前に短歌を詠む短い動画を制作し、当日はそれを上映し
Experimental film culture vol.3.5 in Japan 特別配信プログラム
11月、上映会「Experimental Film Culture in Japan」の配信プログラムで西澤諭志さんの『百光』と加藤貴文さんの『15s』を見た。
Experimental film culture in Japanは、「劇映画」「ドキュメンタリー」「実験映像」「美術作品としての映像」の垣根を越え、とりわけ国内では紹介される機会が少ない映像作品を継続的かつ集中的に上映します。プログ