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美しい源流ではぐくむひと粒の幸せが誕生するまでのお話。


ここまで、里山の魅力と課題、さともんについてお送りしました。
今回は「さとえ~る便」がはじまるに至った背景について、代表にインタビュー。その内容をお送りします。



さとえ~る便のプロジェクトを思いついたきっかけは?

「シンプルに、この美味しいお米と農家さんの想いをもっとたくさんの人に届けたいという気持ちからです。と言いますのも、うちは、農家から直接お米を買っています。それが驚くほどに美味しい。口にお箸を運ぶたびに感動するんです。ところが、スーパーで買ったお米を食べてみると、正直言って感動がなかったんです。」

スーパーなどで売られているお米の背景


 私もスーパーでお米を買っています。というか、
‐どうすれば、農家から直接買えるのか知らなかった
‐スーパーと農家さんからのお米で味以外に違いがあるのを知らなかった

という理由です。1つ目の理由は置いておくとして、2つ目の理由について代表に聞いてみました。

スーパーで売っているお米と農家さんから直接買うお米の味の違い以外に特筆できることは何ですか?

代表「スーパーで買うお米は
農家から店頭に並ぶまでに卸業者や農協など、流通の過程で様々な中間流通が発生し中間マージンがかかっており、農家さんの稲作にかける労力に対する収入がかなり低い
②無農薬や水などこだわって育てた農家のお米と、そうでない農家のお米がミックスされている

という点です。こういった背景はなかなか世間の人に知られていません。」

 私も恥ずかしながら全く分かっておりませんでした。
せっかく水や土にこだわって作ったお米でも、ミックスされ、そして労力をかけても収入が低い。これでは農家さんの意欲がそがれていくことは、容易に想像できます。

川阪のお米の魅力と育てる人の想い

さとえ~る便でお届けするお米には、米農家さんのどんな想いが込められているのでしょうか。

「私は獣がいを通して農家さんと知り合うことが多いです。
獣がいに積極な人ほど「獣がいに負けずに、本当に美味しいものを作りたい、人に届けたい」と思っている方が多いです。
 そして獣害が発生する土地というのは、山際です。

丹波篠山市川阪地区

 山際は日の影になりやすいことと、機械が入りにくい狭くて小さな条件不利土地が多いです。しかし「代々続く土地を守りたい」という農家さんの使命感で稲が育てられます。そして何より山際の水は綺麗です。丹波篠山には、加古川・武庫川・由良川の源流が流れています。その水を引き込んだ水田と、篠山盆地の栄養たっぷりな土で育てられてられるお米が、感動の一口になるのです。」

 なのに、いざ農協に卸すと農家さんの利益が低いうえに、どこでどのように育てられたかわからないお米とミックスされ、ラベルひとつ値段ひとつ判断される。なので、実は農家さんは卸すお米と直売するお米を分けている方が多いです。農家さんが丹精込めてつくったお米をもっと多くの人に食べて応援してもらい、この美味しいお米が10年後には完全に消滅してしまうという危機を脱したいと考えています。」

そんな想いの詰まったお米は「美しい源流ではぐくむひと粒の幸せ」と
名付けられ、今日、篠来たるとして食卓に届けられることになったのでした。

番外編 田植えを体験してみた

 代表にインタビューをしてから、実際に見に行きたいと思い、
2024年の5月上旬、息子を連れて川阪集落へと田植の体験にいきました。
何十年ぶりの田植でしょうか。とても楽しみにしていた私。「きっと息子の足の感覚にも刺激がいっていいはず!」と思っていたのですが、息子は泥のぬるぬるが耐えられなかったようで、開始30秒で川に足を洗いに行くことになってしました(笑) 息子を知人にみてもらい、私は全力で田植を楽しみました。
冷たい湧き水と泥に足をいれて、ズブズブと使っていく感覚。植えるときに泥を手で整地するというコツ(ただ植えるんじゃないんだなと思いました笑)まっすぐに植えられた時の「やった!」という小さな喜び。何もかもが新鮮な感覚で楽しみながら作業をすることができました。どろどろの足は近くにある川でじゃぶじゃぶ洗い流します。5月にしては熱い日でしたが、澄んだ空気が気持ちよく、鳥や川の音と、人の笑い声や掛け声が響いて、五感すべてがリフレッシュされたような気がしました。

たくさんの人で田植を行いました!

 当たり前ですが、機械のなかった時代は村人総出で手で田植をされていたそうです。ほんとうに骨の折れる(腰が痛い)作業で、気が遠くなりましたが、夢中になっていたらあっという間に終了。きれいに整列した苗を見たときはとても清々しい気持ちになりました。「お米は手間暇がかかる。」とわかってはいましたが、実査にやってみて本当にそうだなと実感しました。

お米の苗ってどうやってできているのかなと思ってみたら、
小さなお米の粒から緑の苗がにょきにょきと生えていました。

 苗を育て、水を引くタイミングや土地の高低差、水の高さを揃え、植えて、草取り、肥料やり、収穫して乾燥させて、、お米を収穫するまでしなければいけないことが目白押しです。暑い夏も台風もすべて乗り越えて収穫される秋の実りを想像すると、改めてお米のありがたみを感じることができました。

 
 






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