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書評〜アートから美しさ以外の何を学ぶか?〜

アートを嗜む。アートを活かす。この道30年の画商・髙橋芳郎さんが書いた『アートに学ぶ6つの「ビジネス法則」 』から紹介します。

美しさのイデアはあるのか?
ただ美しいと感じるこの心は確実にある。

ビジネスに活かすアート?

もともと遊ぶために生まれてきた(遊びをせんとや生まれけむ・・)人間ですから、ビジネスですら本来遊びでないといけない。
もちろん、ルールはあるけれど、その中でどれだけ遊べるか、遊びを出せるかがもはや死活問題なほど大切になっている。

ロジックであれば、価格サイトで横並びに調べればおしまい。
そうすると力のある企業が「規模の経済」で圧勝します。
それで、そもそも消費者としてもいいのか?もありますが、
生産者としても同じように勝負してもしょうがない。

ビジネスで言えば、そこで必要になる遊びをアートから学べんでみよう!というのがこの本の趣旨です。

宗教の代わりのアート?

脳科学でも不明な、エントロピーの逆行する、アート制作活動。
想像する力こそが、自然の摂理に立ち向かう唯一の希望。
宗教すら積亜的に衰退する中、アートがその一端を担うかもしれない。
いや既にになっていると言ってもいい。
人はその前で、笑い、涙し、ジーーンとし、敬虔な気持ちになり、生きる活量をもらえるから。
社会学的な宗教の役目は、「理不尽さ回収する装置」。
9・11のあとNYの美術館に人が押しかけたのも、その表れであった。

「人為を超えた、人為」による「人為を超えた、不条理の回収」をみれます。

アート市場・美術館の訪問回数

ちなみにアート市場は、ここ20年で5倍の150億ドルの市場になりました。世界の不透明化による財産の保護策の一つでもあると思いますが。

ちなみに日本のアート訪問回数は1・9回/年。
世界の都市で最下位です。

価値の問題

ストーリーの力で価値をつける 人の心は情報でなくストーリーで動く
人の間で異なる価値 頭・心の中を理解する ロジック<感性
価値の押し付けでなく、価値の共有・交換
観察する力
取引するなら価値観を共有できる、共感できる会社としたい

ビジネスで活きるアートの技術

アンカリング:高い価格設定のものも披露し、他のものを安く見せる
同じような絵を並べると薄っぺらい空間に:色彩のメリハリ・嫌いな絵も
visual thinking strategy:第1段階〜5段階
美術館にいく多くの人が1〜2。せめて3の「美術史・理論を知っていて作品を分類する段階」にいけるとよい。ちなみに4は解釈の段階。5は客観的な意見も理解できる段階。

アート感の推移

宗教派 パトロンからの依頼(天国を望むメディチ家からの依頼の宗教画)
ロココ主義 装飾的・官能的・貴族的
新古典主義 力強い・理性・ロゴス・ルネサンスの影響『ソクラテスの死』
ロマン主義 感性へ訴える色彩豊かフィクション『民衆を導く自由の女神』
写実主義 リアリズムを求める
象徴派 写真の登場に危機意識 チューブ絵具の登場
    「荒くてもいいから一瞬の光を捉えたい」
     遠くから見ると脳内でそれぞれの色が混ざる
    【筆触分割】【視覚混合】
キュビズム 「アートは(見る人よりも)作る人の制作動機や概念が重要」

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