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書評 明日を読む微・積

微積の基本概念

音源(アナログ)
→微分→音を一瞬一瞬切り刻み、その感覚を極小へ
CD(デジタル)
→積分→極小化された音の単位を繋げ合わせる
音楽(アナログ)

微分係数=接線の傾き=単位が1増えるといくつ伸びるか
この係数の算出を「微分する」という。

細かく区切った時に、ある間の面積を算出を「積分する」(分かれているものを積算する)と言います。

※数字の論理性を補填する「定義(公理)」。
定義とは、そう決めたことで、問わないこと。

そもそも仕事(経営)で必要な能力とは?

「未来を予測する力」:昨日の結果から明日を予測すること
※アラン・ケイに言わせると「未来は予測するのでなく、実現する方が優しい」が・・

仕事でなぜ使える?どう使える?

・微分がわかれば利益が上がる、コストが下がる
・積分がわかれば在庫が減る
・微積マーケティング

はじめに
限界=微分。この概念の誕生が経済学を変え、経営を変えました。
※限界利益:あるものが1単位増えると、それに伴って増える利益の事。

予算の原点とは?
(運営費 + 目標利益) ÷ 限界利益率(粗利率) =予算・目標売上

たとえば、限界利益が物凄い高い商売であれば、
その分予算は低くなることがわかります。

予想でなく、予測を
予想は結果の議論(根性論)、
予想は方法の議論(建設的)へ。
”たまたま”外れたと思える発想。

※ばらつきと”たまたま”。
標準偏差:数値全てが平均からどの程度離れているかの”平均”

「在庫量=欠品率を決める」
こう考えてグラフ化すると、積分でそれぞれの可能性の面積が算出されます。この情報をもとに、欠品率が見える化するので、在庫量を論理的に決めることが可能です。 ※以下参照

「あまり欠品しない」 10%(10回に1回欠品)
「滅多に欠品しない」 5%
「欠品は許されない」 1%

さらに深掘り。平均値、標準偏差から、安全係数を導き、
ここから10%の欠品を許す=安全在庫が算出できます。

安全在庫 = 平均値 + 安全係数 × 標準偏差

標準偏差を制するものが、在庫を制する

上の式でわかるように、ばらつきが少なければ、安全在庫の量も減ります。
ばらつきの最小化には、例えば曜日別に分析する、お店別に分析する・・・
などの工夫で可能です。

※応用:リードタイム リードタイムを3日とする
1 発注点発注 : ここまできたら発注する
3日分になった時点で発注・・・✖️
3日分平均需要 + 安全係数 × 3日分の標準偏差・・・○
(在庫を減らすには・・リードタイムを短く×ロットを小さく or コンスタント。ただこれはこれで、送料が余計にかかる。対策は後述。)

2 発注サイクル 毎週何曜日発注
発注サイクル+リードタイムの間の「平均需要+安全係数×標準偏差」−発注時点の在庫

【処方箋】
SCMによるスピードアップよって、安定在庫が減る
商品を絞り込むことで、標準偏差を下げる、安定在庫が減る

微積マーケティング

・商品ライフサイクル:導入〜成長〜成熟〜衰退
積分して、期間×売上の面積で考えると、成熟期の貢献が大きく、この期間を長くしていくことが大切なことがわかります。
「売れ出している!」ことでなく、売れ続けていることに着目。

・販売予測
散布図と、その真ん中を走る直線から、未来の売上を予測します。

・販売価格
例えば数円刻みの実績×粗利をグラフ化し、販売方法と合わせ、。価格を決めていくこともできます

・絶対品質、絶対満足
定義付けて、数字を持って、上げ下げを考えることができる

・ベクトルの合成
ベクトルとは:力と方向を持つ。
自然ベクトル・戦略ベクトルを持って、市場と自社を見ていく。
その合わさったものが、ベクトルの行き先となる。

以上です。最後までお付き合いありがとうございました!
佐々木真吾

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