月の沙漠の歌詞の意味

佐々木丸美小説の『忘れな草』には、童謡「月の沙漠」が登場します。

この歌は、実は讃美歌なのだそうです。

歌詞に出てくる王子様とお姫様は、ヨセフとマリアのことで、ラクダに乗ってナザレからベツレヘムに向かう情景を描いたものだそうです。

タイトルの「さばく」という漢字は、砂漠ではなく沙漠と書きますが、これは本当の砂漠ではなく海岸沿いの砂浜のことを意味するそうです。

歌詞でいう沙漠とは、ガリラヤ湖沿岸の砂浜のことです。

ナザレからベツレヘムに向かうルートは、一旦ガリラヤ湖に出てからヨルダン川沿いに進む道があります。

つまり、この歌はヨセフとマリアが月の下二人でガラリヤ湖の砂浜を通ってゆくところをあらわしているそうです。(そしてマリアはベツレヘムでキリストを生みます。)

『忘れな草』の次に発表された『水に描かれた館』では、キリストが起こした奇跡などについて書かれていますが(人間心理の起こす奇跡がトリックとして描かれている)、まるでそのことを示唆するかのように『忘れな草』にキリストを讃える讃美歌がさりげなく登場しているのは面白いですね。偶然かしら?それとも丸美さんは何かを意図して書いたのでしょうか!?

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