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絶世の美神クリシュナ:女性たちの止まらないドキドキ

第一巻第十話 ドワーラカーへのクリシュナの旅立ち

ー 聖仙シャウナカは言った ー
「領土の略奪をもくろんだ悪人たちを滅ぼし、ユディシュティラは弟たちとどのようにその王国を統治し、また感官の満足を忌み嫌う王が、何を達成したのか?」
ー 吟誦者ウグラシュラヴァスは言った ー
クル族は内輪争いで滅びかけたが、クリシュナにより蘇り、ユディシュティラが王位についた。ビーシュマの教えとクリシュナの励ましで、ユディシュティラは迷いを断ち切り、インドラのように全世界を統治した。すべての生き物は平和に暮らし、不安や病に悩まされることはなかった。クリシュナは友人や親族を慰め、妹スバドラー(アルジユナのもう一人の妻)を喜ばせようと数ヶ月をハスティナープラで過ごし、別れを告げて馬車に乗った。人々は悲しみのあまり気を失う者もいた。

クリシュナの出発時、多くの楽器が奏でられ、女性たちは宮殿の屋根から花を降らせた。アルジュナは真珠と宝石で飾られた白い傘を主の頭上に広げ、ウッダヴァ(クリシュナの従兄弟で親友)とサーティヤキ(クリシュナの忠実な戦士)は両側でチャウリ(ヤクの尾の毛で作った扇子)を持ち、マドゥ族の王クリシュナは輝きを放った。ブラーフマナの祝福が響き、女性たちの間で会話が始まった。

「この方は、トリグナが現れる前から存在し、宇宙崩壊の夜に自身のアートマンに留まります。ジーヴァ(個の魂)を惑わし、時の力で創造し、形態のないアートマンにプラクリティを授け、ヴェーダを顕しました。賢者たちがバクティで心を清め、感覚と呼吸を支配して至上の大霊を知覚します。この方は聖典に語られる宇宙の創造・維持・破壊を行う主であり、これに執着することはありません。王がタマスに迷うと、純粋なサットヴァを現し、ご自身の中(魂)に全能、真実、正義、憐れみ、神の御業、バガ(神の属性の体現者)を顕し、人々の幸福の為に様々な姿になるのです。かの森マドヴァン(遊戯が展開された場所)を歩くことで、森に名誉を与えたように、クリシュナはヤドゥ族の中に生まれ、彼らを祝福したのです。ドワーラカーの人々は、主が笑みを浮かべる優雅な姿をいつも眼にすることができるのです。ルクミニー、ジャンバヴァティー、ナーグナジティーら何千人もの妻たちは、不浄で自由のない女性に神聖さを与えました。主の口からのアムリタ(永遠の幸福)をいつも味わい、彼女たちはドワーラカーの外へ、一歩も出ようとしなかったのです!」

ハースティナープラの女性たちが話す間、クリシュナは微笑みながら進み、彼女たちを魅了していった。ユディシュティラは敵から守るために軍隊を同行させたが、別れが惜しくどこまでもついてきた。クリシュナは優しく彼らを送り返し、ウッダヴァやサーティヤキたちと共に帰途に着いた。

※※※
現実世界ではルッキズムに走るのはご法度だが、クリシュナほど美しい神様となると話は別。「美とは何か?」なんて問いが自然と浮かんでくる。神々の外見はその力を象徴するものだと言われるけれど、クリシュナの場合、外見だけじゃなく内面も超絶に美しい。まるで「美の結晶はこの私である」とでも言いたげだ。これはもう、凡人の想像を軽々と超越した、まさに至高の存在。その上、「さあ、私を求め、そして目指しなさい」と誘ってくる。理想が高すぎて、追いかける身としては物凄いプレッシャーだけど、それでも惹きつけられてしまうのが、クリシュナだ。

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