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クリシュナ神の物語

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『バーガヴァタ・プラーナ〜クリシュナ神の物語』(訳•美莉亜)を読み、これを要約しマガジンにまとめようとしています。いつまで、どこまでこの努力が続くかはわかりませんが、興味のある方…
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#クリシュナ

クリシュナのマイホーム:ドワーラカー「門のある場所」ってどこ?

クリシュナのマイホーム:ドワーラカー「門のある場所」ってどこ?

第一巻第十一話 ドワーラカーへのクリシュナの入城

ー 吟誦者は続けた ー

クリシュナは領地アーナルタに到着すると、長い不在を嘆く民を慰めるためにパーンチャジャニャ(法螺貝)を吹いた。恐れが震え上がるその音に、ドワーラカーの住民たちは主人に逢おうと都から駆け出し、喜びに声を詰まらせながら言葉を紡いだ。

「主よ、あなたはブラフマーやシヴァ、インドラさえも崇める、時間をも超越した最高の支配者です!

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絶世の美神クリシュナ:女性たちの止まらないドキドキ

絶世の美神クリシュナ:女性たちの止まらないドキドキ

第一巻第十話 ドワーラカーへのクリシュナの旅立ち

ー 聖仙シャウナカは言った ー
「領土の略奪をもくろんだ悪人たちを滅ぼし、ユディシュティラは弟たちとどのようにその王国を統治し、また感官の満足を忌み嫌う王が、何を達成したのか?」
ー 吟誦者ウグラシュラヴァスは言った ー
クル族は内輪争いで滅びかけたが、クリシュナにより蘇り、ユディシュティラが王位についた。ビーシュマの教えとクリシュナの励ましで、

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ビーシュマの臨終:ダルマの最終講義

ビーシュマの臨終:ダルマの最終講義

第一巻第九話 ユディシュティラの王権回復

ー 吟誦詩人は話を続けた ー
犯した大罪に恐れを抱いたユディシュティラは、クルクシェートラの戦場で槍の上に横たわるビーシュマから、神聖な教えを受けようと向かった。兄弟や聖仙ヴィヤーサ、司祭ダウミヤ(パーンドゥ家の司祭)も同行した。天から落ちた神のように大地に横たわるビーシュマに、パーンダヴァたちやクリシュナは恭しくお辞儀をした。梵仙や神仙、王仙など多

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クリシュナの魅惑的な微笑みと、あの一言「タターストゥ」

クリシュナの魅惑的な微笑みと、あの一言「タターストゥ」

第一巻第八話 クンティーの讃美とユディシュティラの嘆き

スータ(吟誦詩人)は語った。
ユディシュティラ王と弟たち、ドリタラーシュトラ(クル族の盲目の王,パーンダヴァの叔父)、その妻ガーンダーリー、クンティー(パーンダヴァ兄弟の母)、ドラウパディー(パーンダヴァ兄弟の共通の妻)らは、亡くなった親族を供養するためガンガーの岸辺へ向かった。悲しみに沈む彼らを、聖仙たちとクリシュナが「

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クリシュナの老獪なゲーム:アシュワッターマンの運命を操る

クリシュナの老獪なゲーム:アシュワッターマンの運命を操る

第一巻第七話 アシュワッターマンへの懲罰

ナイミシャの森の聖仙シャウナカは言った。「ナーラダ仙が去り、その神仙の思いを知ったヴィヤーサはどうしたのか?」
吟誦詩人ウグラシュラヴァスは答えた。「ヴィヤーサはブラフマー神が支配するサラスワティー河西岸の隠棲所シャミャープラーサにある自らの庵に座し、心を集中させた。するとプルシャ(意識)とそのプルシャに依存するマーヤー(幻想,錯覚)が顕れるのを眼にした

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宇宙のエキスパート集団:クリシュナ一家の謎解き

宇宙のエキスパート集団:クリシュナ一家の謎解き

第一巻第五話 ヴィヤーサと神仙ナーラダの会話(前)

スータウグラシュラバスはナーラダとヴィヤーサの会話を語り出した。
天界の聖仙ナーラダはヴィーナー(弦楽器)を手に、悲しむヴィヤーサの傍らに座って微笑みながら話しかけた。「ヴィヤーサよ、あなたはマハーバーラタを書き、神理を追求しブラフマンを悟った。それにもかかわらず、まだ人生の目的を見いだせていないようですね。」
ヴィヤーサは答えた。「私の魂はま

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全力で襟を正す覚悟の一週間

全力で襟を正す覚悟の一週間

第六話 バーガヴァタを七日間で聞く方法

サナカ兄弟は、バーガヴァタを七日間で聴講する手順を次のように語った。「まず、占星術師に吉祥な日時を確認し、講話会を告知してヴィシュヌの信者に知らせるべきです。」会場についても説明し、「屋根を天蓋で覆い、七つの段を設け、ブラーフマナや執着を放棄した人々に座ってもらいます。演者には素晴らしい席を用意し、配置は演者が北を向けば聴講者は東、演者が東を向けば聴講者は

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偽りの果実と真実の悟り

偽りの果実と真実の悟り

第四話 アートマデーヴァの救い

ナーラダ仙はサナカ兄弟に尋ねた。「バーガヴァタを七日間聴講することで、どのような人々が心の浄化を得られるのでしょうか?」サナカ兄弟は答えた。「罪深い者、不道徳な者、悪人、怒りや意地悪に満ちた者、激情に身を任せる者、彼らの心も浄化され、救いを得ることができる。これから語る物語を聞けば、全ての罪が消えるだろう。」

サナカ兄弟は物語を語り始めた。
ある美しい町に、ヴェ

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七日間で悟りを開く?『クリシュナ神の物語』の神秘

七日間で悟りを開く?『クリシュナ神の物語』の神秘

第一話 ナーラダとバクティの会話

聖仙シュカが『クリシュナ神の物語』をパリークシット王に講義しようとした際、神々が現れ、アムリタ(神々の飲み物)と引き換えに話を聞かせて欲しいと頼んだ。シュカは物語がアムリタと比較されたことに腹を立て、講義を中断した。
このエピソードは『クリシュナ神の物語』が神々にとっても貴重であることを示している。

パリークシット王は物語を聞いて悟りを開き、解放された。ブラフ

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