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クリシュナ神の物語

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『バーガヴァタ・プラーナ〜クリシュナ神の物語』(訳•美莉亜)を読み、これを要約しマガジンにまとめようとしています。いつまで、どこまでこの努力が続くかはわかりませんが、興味のある方…
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2024年9月の記事一覧

クリシュナのマイホーム:ドワーラカー「門のある場所」ってどこ?

クリシュナのマイホーム:ドワーラカー「門のある場所」ってどこ?

第一巻第十一話 ドワーラカーへのクリシュナの入城

ー 吟誦者は続けた ー

クリシュナは領地アーナルタに到着すると、長い不在を嘆く民を慰めるためにパーンチャジャニャ(法螺貝)を吹いた。恐れが震え上がるその音に、ドワーラカーの住民たちは主人に逢おうと都から駆け出し、喜びに声を詰まらせながら言葉を紡いだ。

「主よ、あなたはブラフマーやシヴァ、インドラさえも崇める、時間をも超越した最高の支配者です!

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絶世の美神クリシュナ:女性たちの止まらないドキドキ

絶世の美神クリシュナ:女性たちの止まらないドキドキ

第一巻第十話 ドワーラカーへのクリシュナの旅立ち

ー 聖仙シャウナカは言った ー
「領土の略奪をもくろんだ悪人たちを滅ぼし、ユディシュティラは弟たちとどのようにその王国を統治し、また感官の満足を忌み嫌う王が、何を達成したのか?」
ー 吟誦者ウグラシュラヴァスは言った ー
クル族は内輪争いで滅びかけたが、クリシュナにより蘇り、ユディシュティラが王位についた。ビーシュマの教えとクリシュナの励ましで、

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ビーシュマの臨終:ダルマの最終講義

ビーシュマの臨終:ダルマの最終講義

第一巻第九話 ユディシュティラの王権回復

ー 吟誦詩人は話を続けた ー
犯した大罪に恐れを抱いたユディシュティラは、クルクシェートラの戦場で槍の上に横たわるビーシュマから、神聖な教えを受けようと向かった。兄弟や聖仙ヴィヤーサ、司祭ダウミヤ(パーンドゥ家の司祭)も同行した。天から落ちた神のように大地に横たわるビーシュマに、パーンダヴァたちやクリシュナは恭しくお辞儀をした。梵仙や神仙、王仙など多

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クリシュナの魅惑的な微笑みと、あの一言「タターストゥ」

クリシュナの魅惑的な微笑みと、あの一言「タターストゥ」

第一巻第八話 クンティーの讃美とユディシュティラの嘆き

スータ(吟誦詩人)は語った。
ユディシュティラ王と弟たち、ドリタラーシュトラ(クル族の盲目の王,パーンダヴァの叔父)、その妻ガーンダーリー、クンティー(パーンダヴァ兄弟の母)、ドラウパディー(パーンダヴァ兄弟の共通の妻)らは、亡くなった親族を供養するためガンガーの岸辺へ向かった。悲しみに沈む彼らを、聖仙たちとクリシュナが「

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クリシュナの老獪なゲーム:アシュワッターマンの運命を操る

クリシュナの老獪なゲーム:アシュワッターマンの運命を操る

第一巻第七話 アシュワッターマンへの懲罰

ナイミシャの森の聖仙シャウナカは言った。「ナーラダ仙が去り、その神仙の思いを知ったヴィヤーサはどうしたのか?」
吟誦詩人ウグラシュラヴァスは答えた。「ヴィヤーサはブラフマー神が支配するサラスワティー河西岸の隠棲所シャミャープラーサにある自らの庵に座し、心を集中させた。するとプルシャ(意識)とそのプルシャに依存するマーヤー(幻想,錯覚)が顕れるのを眼にした

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ヴィヤーサとナーラダ:神聖な対話と音色で紡ぐ智慧のひととき

ヴィヤーサとナーラダ:神聖な対話と音色で紡ぐ智慧のひととき

第一巻第六話 ヴィヤーサと神仙ナーラダの会話(後)

吟誦詩人ウグラシュラバスは言った。「シャウナカよ、神仙ナーラダの前世と修行について聞いたヴィヤーサは、次のように質問しました。『五歳で宗教的智慧を得たあなたは、その後の人生をどう生き、死の時にいかに肉体を捨てたのですか?なぜ前世の記憶を失わなかったのですか?』」

神仙ナーラダは語りました。「母は無学で、私は彼女の唯一の子どもでした。母は私を溺

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