見出し画像

国際機関で就活をして心底ムカついた事2022

はじめにー国際機関の就活で己にムカついた事

どうもお久しぶりです、畠山です。ゆるふわ日記の順番なので、ゆるっとふわっと近況報告から始めたいと思います。就職活動が上手く行かず、先月ニートで帰国しましたが、帰国前に気の向くまま車を走らせて旅に出ました↓

色々とアメリカに悪態をついているように見える私ですが、旅をしてみて、アメリカって美しいし、色々あれど好きだからこそ10年以上もこの国で過ごしたんだなと改めて思いました。

ただ、旅に出た理由はもう一つあって、帰国前に空席公募に応募できるだけ応募して、帰国したらそれを区切りに国際協力系の就活はせず、全滅したら業界から引退して筋肉系の業界に転職しようと考えていました。なので、納得いくまで応募を続ける時間を作るために、期限も行き先も決めず旅に出ました。

国際協力を引退しようと思った理由は、帰国して東京に来てみて、学生時代と今の自分が否応にも比較されて、とても明確になりました。端的にモチベーションの欠如です。大学生の時の自分は、今と違ってお金もないし(お金がないんで、大学も滑り止めは受けず、週8でバイトしてましたからね)、出版社や大学、企業といった所からお声がかかるような知名度も、途上国での経験もありませんでしたが、赤々と燃えあがる闘魂だけはあったなと、偶然にも学生時代にバイトに行くために使っていた路線に乗っていて思い出しました。

燃える闘魂を失った理由も明確で、仕事と家庭を上手く両立できず、二度も家庭を壊してしまった事が未だに尾を引いているからです。平和を愛し困った人をほかっておけない人を好きになる→世界を平和にするために頑張る→超頑張る→猛烈に頑張る→関係が壊れる、を人生の中で何度も繰り返してきたので、もう国際協力なんてしたくないでござる、働いたら負けだと思っているでござる(ネタが古すぎて伝わるのでしょうか・・・)状態に現在進行形で陥っています。

そんなこんなで、帰国前に受けた3連続面接も見事に3連続で滑り、よし引退だと思っていたら、その3つの中の1つから、Dレベルの偉い人がわざわざ電話してきて、事情があって取れなかったがワンランク下のポストで取りたいし、全然ステップストーンとして数年来てくれるだけでもいいから、ちょっと待ってくれよと言ってくれたので、引退を撤回・・・するほど国際機関は甘くなく、まあこんな口約束守られない事が大半、守られても長時間がかかるのが普通なので、引退することにしました。

が、丁度同時期に、日本政府が内閣府の国際平和協力研究員として拾ってくれました、ありがたい事です。これは業界の大レジェンド明石さんが、国連職員の職は不安定だから「止まり木」的なポストが必要だと提言してくれて作られたものです(明石さんの体調が良ければ表敬訪問できるらしく、今からドキドキしています)。最長2年間の契約なので、引退は2年伸ばして約束通りに拾ってもらえるのを待ちつつ、もう2年間だけ国際教育協力系の面白そうなポストの可能性も探ってみる事にしました。新型コロナで遅れた論文と本の執筆もしつつ、これまで経験してこなかったPKO活動・緊急支援について学んでいこうと思います(実際に途上国に出張に行ってPKO活動を支援したり、自衛隊の駐屯地の方へ出張に行ったりもするようです)。明石さん&日本政府には感謝しかありません。

ちなみに①、上の段落のリンクの中を見てもらうと分かるのですが、PKO事務局は交通費も講演料も無料で出前講座を教育機関や公益に資する団体に行っています。私も岐阜の超田舎出身なので分かるのですが、地方の大学だと学生さんが国際平和協力に触れる機会も限られていますし、講師を呼ぶにも交通費+宿泊費と費用がかさんだりするので、場所さえ用意してもらえれば無料で日本中どこでも行きますので、ぜひこの機会に出前講座に申し込んで頂いてお呼び下さい。まあ私もPKO事務局に積極的に貢献しないと居心地悪いですし。。。

ちなみに②、国際平和協力研究員は何かしら調査をするのですが、、こんな感じの事を応募書類で書きました↓

「Education in Emergency分野では近年産学官連携が進んでいて、具体的には、レゴ財団とセサミワークショップがシリアやロヒンギャの難民の子供達に対して、自社プロダクト(ブロックやマペット)を使ってlearning through playや子供達のメンタルケアを行っています。これにユニセフやUSAIDが絡みつつ、ニューヨーク大学がインパクト評価などで協力している感じです。ザックリとは理解しているのですが、具体的に何をどのようにオペレートして、何を測定しているのかはよく分からないのでこれを調べつつ、日本の玩具メーカーや大学でレゴやセサミのような活動ができないのか調査しようと思っています」。もしこれを読んで興味を持ってくれた方・会社・研究者の方がいたら、ぜひご一報ください。

とは言え、燃える闘魂は消えたままなので、モテるコネを総動員して、心の師であるアントニオ猪木氏にお会いして闘魂を注入してもらおうと思ったら、信じられない事に亡くなられてしまいました。ご冥福をお祈りします・・・が、これどうすればいいんでしょうかね。。。まあという訳で、短い滞在になるかもしれない間に、アントニオ猪木氏に代わって闘魂注入してくれる人がいたら、ぜひよろしくお願いします。「あ、畠山だ!」と道端でいきなりビンタしてこられるとこちらもビックリするので、元気ですかー!と絶叫しながらやって下さいね。鍛えているので、全力で張って頂いて大丈夫です。呑みの席での闘魂注入ならなお良しです。

上手く行かなかった就職活動

就活で滑った最大の要因は、己の弱さ、燃える闘魂の鎮火ですが、ただ、やはり国際教育協力冬の時代だったという環境も大きかったなと思います。アメリカで国際比較教育学のアカポスの公募が全く出なかったのはかなり効きました(とは言えどのような準備をしたのかはこちらの記事に纏めてあるので、興味のある人はどうぞ。関連して代表荒木の香港でのアカポス転職はこちらの記事をどうぞ)。また、NGOや財団でも就活をしましたが、こちらもミッドキャリアレベルの外国人にオファーをくれるようなポストはほぼ皆無でした(奇跡的にオファーを受けられたのに労働許可の関係で取り消された顛末は、多少こちらの記事で触れましたが、またどこかで詳しく書こうと思います。

今回は、国際機関での就活について書こうと思います。JPO期間中にも国際機関での就活をしてマラウイ事務所に教育専門官として赴任することになり(2015年頃の話)が、その顛末はこちらの記事に認めました。今回はP3レベルの経験&Ph.D.を取得した後の就活になったので、大分見えた風景が違いました。非常に腹立たしい事が幾つもあったので、教育分野で国際機関を目指すとこんなムカつくことがあるから心の準備をしておいてね、という意味で私の経験をシェアしておこうと思います。

国際機関の就活でやるせない事ーポストが出ない

私が世界銀行で働き始めた頃は(2008年頃)、JPOの次のポストが取れれば、後は何とかやっていけるだろうと言われていました。というのも、当時も確かに雇用が不安定ではあったのですが、一旦P3のFTを取ってしまえば、次のポストが決まるまでは余程の事が無い限りそのポストに居座れたし、内部オンリーの空席やローテーションがあったという事情がありました。しかし、今やそうではありません。

実際に、この1年間で応募できたポストは、世界銀行/GPEが5、ユネスコが7、ユニセフが14(うち11はEducation in Emergencyで、その経験が無い私は鼻から勝ち目がない)です。JPO期間中と比べて、約半減しています。

しかし、実際には半減なんてものでは済んでいません。なぜなら、JPOの時はP3のポストにしか応募しませんでしたが、今回はP3とP4の両方受けていて、かつJPOの時はあまり出さなかったEducation in Emergencyにも出して26ポストなので、JPOの時と比べて体感では1/4ぐらいにポストが減っている感じでした。

勿論、なぜポストが激減したのか、理由はある程度把握しています。1つはローカルスタッフの台頭です。よく勘違いされる私の専門領域ですが、statistical and planning capacity building in educationが私のお仕事でした。具体的な業務内容としては、教育計画策定の土台となる政府統計と家計調査がしっかりするように、統計・教育統計のあれこれを教えたり、そう言った感じの授業が大学で行われるように取り計らったり、データを取るためのあれハード(ソーラーパネルとか、ソフトウェアとか、パソコンとか、あれこれ)の調達といった感じです。そして、教育統計や家計調査では分からないけど教育計画のために必要なデータを取るために追加の調査を支援して(例えば、体罰って今どうなっている?とか、10代で出産して退学した女の子って学校に戻れている?といったのは、政府統計や家計調査ではちょっと見えないんですよね)、データを分析したり関係者の声を拾い上げて、教育計画を策定する支援を行うといった感じです。自分で言うのも何ですが、結構専門性が要求される領域で、酷い言い方をすると、国際機関あるあるの専門性が必要な部分はコンサルタントにぶん投げてプロジェクトを回す能力さえあれば何とかなる領域とは異なります。

私の領域は2015年頃には、北欧などがこの分野にジャンジャカお金を突っ込んでくれたのと、ローカルスタッフにまだその専門性が無い状況だったので、国際スタッフの空席公募がチラホラ出ていて、私も20代とまだ若かったのですがマラウイのP3のFTに引っかかった感じです。

ですが、2022年現在では、まー本当に外部に空席公募が出ないですね。内部のinternational staffのロスターで回されているのかなと思いきや、そもそもユニセフのinternational staffにそんなタレントがいないのもあるのですが、ローカルスタッフの空席公募として私の領域の物が出ているのをよく見かけたので、ローカルスタッフの台頭が私の専門領域にまで来ていた事が読み取れました。確かに、international staffを一人雇おうとすれば、local staff数人分になるので、コスト面から見れば致し方ない事です。

ただ負け犬の遠吠えをしておくと、これは時期尚早だったんじゃないかとは思います。2015年にSDGsが始まって、schoolingからlearningへ焦点がシフトしましたが、2015年から新型コロナ前まで実は途上国のlearning状況は全く改善しておらず(MDGsがスタートダッシュをある程度成功させて子供たちの就学率がいい感じに上昇したのとは対照的です)、まともな教育計画が策定されていたとは思えません。加えて、新型コロナ禍でガツンと子供達の学習状況が悪化しましたが(サルタックはこれをリカバーすべく頑張っているので、ご支援給われれば幸いです→詳細)、これも対処計画がちゃんと立案できなかったからこそで、教育計画の専門家が機能していなかった証拠だと思います。幾ら費用が安く済むからといって、この領域のローカル化は時期尚早だったのではと私は訝しんでいますが、まあ負け惜しみ&先進国のお金の出し惜しみです。

私の領域ですらローカルスタッフの台頭が進んでいるのに、況や他の領域をや。私が以前いたマラウイ事務所や、よく知っているネパール事務所でも、ここ数年の間に多少の例外を残してEducation Chief以外はinternational staffの陶片追放…ではなくポストがローカルに転換されましたが、これらは二度とinternational postとしては出てこないと思います。今や、P3のFTを取っても、ポストのローカル化で簡単に首が飛ぶ時代になってしまったのです、ほげー。

二つ目は資金面です。SDGs様様のお陰で環境や公衆衛生といった分野は資金が集まるようになったようですが、教育はわりを喰った分野です。国際教育協力に対する支援は横ばいから微減で近年推移しています。

つい先日もTransforming Education Summitが開催されていましたが、International Finance Facility for Educationがサミットの目玉でした(ちなみにこれ、説明を3回ぐらい読むと独自性は辛うじて分かるのですが、例えば世銀内の日本政府の社会信託基金のようにできなかったのか?とか、GPEなどなどとの兼合い的に本当に必要なのか?と読めば読むほどこれの必要性について疑問が思い浮かびました。元となる提言を呼んでも同じ印象です。もしこれは必要なんだと私を論破できたら東京まで来てくれれば酒を奢りますのでご一報よろしくお願いします)。つまり、これが目玉になるぐらいには国際教育協力のお金が無い訳で、しかも今人類の歴史上もっとも緊急支援対象者の人数が多い訳で、緊急支援ではないキャパビルなんて…要らない子…ですね…、という…。。。さらに北欧諸国も自国内の政治事情から手を引きつつあるようですし。

このローカルスタッフの台頭と資金の問題で、既に今いる人達の雇用を守るのが精一杯で(実際に守れていないですしね)、外部にまでinternational staffの空席公募が出なくなったんですよね。実に厳しい。とは言え、少なくともローカルスタッフの台頭に関しては、本来あるべき話なので、それが上手く行く限りは、やるせなくはなっても喜ぶべき話で、決して頭に来るような話ではありません。

が、マジでむかついた事は以下のように沢山ありました。

国際機関の就活で頭にきた事①ー書類で落とした人にメール位出せないもんですか?

さて話を、頭きた、足は南、どうもコンパスおじさん…に移していきます(同じ岐阜県出身のお笑いコンビ流れ星を応援しています)。まずは応募したのに音沙汰無し問題です。

世界銀行はシステムがしっかりしているのか、システムを通じて応募したものについては落ちたらお祈りメールが届きます。また、ユニセフもEducation in Emergencyのポジションについては結構ちゃんとお祈りメールが届きます。問題は、ユニセフとユネスコの非緊急支援のポジションです。

ユニセフの空席公募システムと、ユネスコの空席公募システムを見てもらうと分かると思いますが、ログインすれば個人ページに行くことができます。その個人ページでは、これまでどのポストに応募して、今選考状況がどうなっているかが、下の写真の様に表示されます↓

さて、上の写真は実際の私のページの一部なのですが、皆さん何か違和感を覚えなかったでしょうか?そうです、半年から2年前に応募したポジションが、未だに応募書類をチェックしていますとなっています。そして実際に私はこれらのポストについて何の連絡も受けていません。ユニセフとユネスコの緊急支援以外のポジションは、こんな感じで応募したものの多くが半年以上経ってもapplication under reviewで止まっていて、何の連絡も来ません。さすがに半年も書類審査をしているわけないので、これらは誰かを採用したにも拘らず、落とした人に連絡をしていないというものだと思われます。

そのうち現役JPOのイトウネシアさんもそうだそうだ!と同調してくれると思いますが、国際機関の人事って意味が分からないほど仕事ができず新しい国に赴任するたびに狂騒曲になるのですが、それはこんな所にも現れているのです。

まあ応募したこちらも、応募した事自体をすっかり忘れているケースが多いですが、落としたんだったら自動のメールを送信するぐらいできないもんですかね。日本の民間企業ならちょっと考えられない話ではないでしょうか?

国際機関の就活で頭にきた事②ーキャンセルするなら空席公募を出さないでくれ…

実は、空席公募を出したけど、採用がキャンセルされることはあります、というかしばしばあります。なんなら、この記事を書いている途中に下記のメールを受け取りました苦笑↓

しかもこのポスト、お願いだから応募してくださいと言われて応募したやつだし、Mr.ではなくDr.なのに間違えられているし、まあそんなのは良いんですが、採用キャンセルやられるとガックリ来るんですよね。この採用キャンセルはユで始まる国際機関に集中して起こっていることですが、そのユで始まる国際機関の空席公募は、応募フォームが独特なので、他の機関の応募書類を作るよりもかなり時間がかかるのです。確かに応募した事自体を忘れていますが、それでもそのユで始まる国際機関から空席公募がキャンセルされたと連絡が来たら頭にきます。

・・・、あ、①で話した事を考えれば、キャンセルしたとメールしてくれるだけましなのか、なるほどなるほど。・・・そうなのか?

国際機関の就活で頭にきた事③ー面接までして音信不通って

これはさすがに正規職員のポストで起こる事はそこまで多くないのですが、コンサルタントのポジションの空席公募だと、面接までされたのに、面接の結果が待てど暮らせど来ない事が殆どでした。

もちろん、ただ応募書類を作っただけではなく、ポストによっては筆記試験のために時間を作って、さらに面接のためにそこそこ時間を作って、それで音信不通になるわけですから、頭にきた事①よりも相当コンパスおじさん(頭きた)になってしまいます。

さらにこれ頭がおかしいんじゃないかと思うのが、コンサルタントのポジションでもそこそこ応募はあるわけで、その中から面接にまで呼ぶという事は、結構いい線行っている人な訳で、それってつまり将来その人と働く事や、国際会議や国際学会で一緒になる機会が恐らくあるわけで、よくぞまあそんな扱いができるもんだな、と私は思います。良かった事で教育分野の国連職員には良い人が多いと書きましたが、一つ注釈が必要なのが、そもそも国連職員はぶっ飛んでいる人も、他の職種と比べて圧倒的に多いという点です(Am I one of them?…)。

私だって流石に面接に呼ばれて音信不通なんて扱いを受けたら、相手の顔をおぼ・・・面接に呼ばれる機会が結構あったので、複数回面接で遭遇した例外的な人物以外は覚えていないな・・・。。。じゃあ、面接しても結果をわざわざ伝えなくてもいいのか(違)。

国際機関の就活で頭にきた事④ー人を人として扱う雇用契約を提示できませんか?

国連職員には非常識なぶっ飛んだ人が多いと書きましたが、それは面接して音信不通になる以外の場面にも現れます。それは、仕事のオファーです。

国連職員には良い人も多いので、私が辞めようとしているのを察してか、暇そうにしているからか、ちょっと手伝ってと気分転換をさせてくれる大先輩もいらっしゃいました、感謝してもしきれません。

その一方でマジでビビったのが、「お前、第一候補じゃなかったけど、ポストが空いちゃったから採用するよ、まだ興味あるだろ?」と連絡してきた人がいたことです(しかも、面接で複数回私を落とした奴・・・)。お前もう少し言い方ってものがあるだろうと思い、ムカついたので無理難題を吹っ掛けたところ、再び音信不通になりました。こいつに関してはマジで許せないので、こいつが引退するまではそこには絶対行かないです。

という信じ難いケースに遭遇したのが一度だけではないというのが、国際機関の恐ろしい所です。。。さらに、これはもうtwitter上でも話題として何度か出てきていますが、非常に短い契約期間を、契約更新の可能性ゼロでオファーされることもあります。じゃあ、お前それ自分だったらそのオファー取るのかよ?Ph.D.取って国際機関での経験も10年を超える人相手にそういうオファーを口にするの、失礼だと思わないのかよ?そもそもPh.,D.+職歴10年ぐらいの年齢だったら、家庭があるのが普通で(・・・でもないか・・・)、子供がいるであろう相手に(・・・いや業界的にいないケースがマジョリティなのか?)、半年だけ国際引越しして働いてくれませんかって言えるなんて正気か?という、人間の心を失った国連職員というのは大量にいます。SDGsのゴール8でもDecent workが掲げられているのに、こういうオファーをすることに躊躇が無い連中にSDGs云々言う資格なんてありませんわ。

もちろん、私も10年以上国際機関で働いたので、国際機関の台所事情が苦しいのは分かります。さらに、グラントの期限が近いのに使いきれないから誰か雇ってお茶を濁したいという場面があるのもよく分かります。が、それらを踏まえた上でも、国連職員の多くは自分さえよければ後はどうでも良いというとんでもない奴らが多過ぎる、と私は残念に思っています。

国際機関の就活で頭にきた事⑤ーそろそろ内部候補がいる時の採用の在り方を考えませんか?

いわゆる出来レースですね。これは国際機関に限らず、アカデミアでもよく見られる問題です。ネットワーキングという言葉が持つ意味については、twitterで何度か呟いたので、詳しく知りたい人は検索して欲しいのですが、基本的にはネットワーキングというのは、「持っている人」に有利に働くシステムで(i.e., 白人vs黒人)、国連の価値観を遵守すると誓った人間が平気で口にして良いような言葉ではありません。

が、残念ながらネットワーキングが効いてしまうのも現実ですし、少なくないジュニアからミッドレベルの空席公募は、内部のコンサルタントをスタッフに昇格させるためのものです。

私も実際に、スペイン語も出来ないし、アフリカ・アメリカ反復横跳びが趣味で(?)中南米の経験が無いのに、米州開銀の面接に呼ばれたことが2度ありました。が、そんなのはどう考えても当て馬として呼ばれたに過ぎません(だったらそもそも応募するなよ、という非難があれば仰るとおりだと思います)。さらに、海なし県の岐阜に生まれ、海の無いネパールでサルタックを運営し、海の無いマラウイとジンバブエで勤務し、と私はDr. Landlockの名にふさわしいと思いますが、島嶼部(SIDS)と呼ばれる某国のポストの面接に呼ばれました。青い海白い砂浜が眼前に広がる環境でこの私が活躍なんてできるはずがなく、こんなの当て馬・・・これは違うか。

更にそもそも論として、冒頭で言及した話も、ある事情というのは内部の人を昇進させるためのものだったという話で、実は同じような事を別の機関の超偉い人に言われたことがあります。

当て馬として出ていったからこそ、何とかして取りたいと二つの機関のDレベルの人に行ってもらえたというのは紛れもない事実です。ただ、やはり、この内部候補がいる場合の問題というのはずーーーっと色んなセクターが直面してきた問題で、国際機関というのは高学歴(not高学校歴)の人達が集まっているんだから、流石にそろそろ解決策を見いだせてもいいんじゃないかなと、私は思うんですけどね、こっちとら貴重な時間を割いて応募書類を作成しているわけなんですから。

国際機関の就活で頭にきた事⑥ーファクターX

大っぴらにする話でもないので、ここからは小さな声でやっていきます。

ここから先は

1,395字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?