国際教育協力をアメリカの大学院で学ぶなら、今なら私の第一志望はここ

こんにちは、理事の畠山です。前回の理事の山田による愛校心溢れるサセックス大学の解説で幕が開いた「海外の大学院で国際教育協力を勉強する」ですが、私の番でどこの大学院について書こうかなと悩んだのですが、私が今アメリカの大学院を受験するならどこを第一志望にするか、で書いていきたいと思います。なぜなら、恐らく多くの人がアメリカで国際教育協力というと、ハーバード・スタンフォード・コロンビア大ティーチャーズカレッジを思い浮かべると思うのですが、それらは第一志望には入らないので、ちょっと面白いんじゃないかなと思ったからです。それでは、順を追って解説していきます。

1. 第一志望のハーバード大を滑って、第二志望のミシガン州立大学へ来て、第三志望はピッツバーグ大だった話

第二志望がミシガン州立大学だったので、まあここは受かって良かったなと思います。ただ、冬の天気は酷いよとはチラッと聞きましたが、-30度近くまで下がることがあったり、冬は雪と氷で外を走れなかったりと、ここまで酷いのは想定外でした。物凄く田舎で周りに何もないよとも聞いていましたが、国際協力を仕事としていた自分からすれば、映画館でポップコーンが食べられて、おやつにアンパンの調達も可能で、食卓にサンマを並べる事もできるここは、生活に不便は何もありません、冬の気候以外は。

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なぜミシガン州立大学が第二志望だったのか、理由は二つあります。一つは大学そのものです。ミシガン州立大学は、アフリカ研究と教師教育分野の両方で、20年以上も全米No.1なので、これは良いなと思いました。図書館に行けば、ここに来る前にいたマラウイの新聞も読めるのはなかなかの驚きです。あと、教育経済学のメッカの一つなのも魅力でした。教育学部に所属する先生だけで博論審査委員会を構成して、4人とも教育経済学の先生で揃えられるのは、恐らく米国中を探しても、うちを含めても片手で数えられるほどのはずです。

もう一つは指導教官です。私の指導教官は、Comparative Education Reviewのエディターも務めて、論文のサイテーションから国際教育協力分野で影響力のある研究者一覧にも若くして載った教育経済学者である、と実績が物凄いのですが、インド人の方なので、ネパールで活動するサルタックの理事の私が指導を仰ぐにはうってつけだなと思いました。あと、ユニセフ本部の同僚から、私の指導教官は人格が非常に優れているというのも聞いていました。しかし、指導教官探しで最重要ポイントだったのは性格です。退学・退職・離婚×2だけならまだしも、親戚以外の結婚式に一度も出たことがないし、帰省しても会う人が誰もいないという、対人関係スキルが絶望的な私にとって、指導教官が私と衝突しないような人格の持ち主か否かは絶対に見過ごせません。で、実際に、4年間先生の下で研究させてもらっていますが、一度として人の悪口を言っているのを聞いた事がないですし、いつもencouragingで、死ぬほど研究が出来るガンジーがいたらこういう人なんだろうな、というような方です。この私が脱走せず4年間も同じ先生の下にいるというのが何よりの証拠ですが。

ピッツバーグ大学が第三志望だったのは、いつか理事の山田が理由を詳しく書いてくれると思いますが、私の指導教官と同じく南アジア出身の教育経済学の先生がいて、かつ怪物研究者のリンゼイ・ペイジ先生がいらっしゃるからです。あのレベルの怪物研究者が、アイビーリーグでも、西海岸でもない大学にいるというのが、米国の恐ろしい所だなとも思います。ファンディングの問題でミシガン州立大学を選びましたが、博論のコミッティにペイジ先生に入ってもらえる理事山田は正直羨ましいです。まあ、冬にここ程は寒くならないのも羨ましいですが…。(注:ペイジ先生は、2021年の夏からブラウン大学へ移籍になりました)

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さて、ハーバード大学が第一志望だったというと、ミーハーだなと思われるかもしれませんが、第一志望だった理由は明確で、指導教官にしたい先生がいたからです。世界中の教育学部で教えている先生を集めた時に、国際教育協力×教育経済学で、No.1なのは疑いの余地も無くその先生だと私は思うのですが、一昨年別の大学に移ってしまいました。なので、その移った先の大学が、私が今アメリカの大学院を受験するなら第一志望となるのですが、元々その大学は第五志望で出願していた大学でもあったので、その先生が移った今ならダントツの第一志望に躍り出ます、冬もここより断然暖かい場所ですしね。

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2. 私が指導教官になって欲しかった先生は…

では、私が指導を受けたかった先生は誰かというと、

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