【Unity1week】宇宙猫アクションゲーム「SpaceCat★Planet」制作振り返り
Unity1weekに初参加し、宇宙猫アクションゲーム「SpaceCat★Planet」を公開しました。
猫が宇宙をめちゃくちゃにしてしまう緩いスコアアタックゲームです。
グラフィックはlabradさん、その他の企画・実装・素材集め等は私sartが担当しました。
1週間という短い開発期間でしたが、個人的には満足の行く水準のものが出来たかなと思います。
折角の機会なので、以下に開発の振り返りを書き残していきます。
0日目:参加目的を考えよう
個人制作はのんびり続けていますが、実はゲームジャムは未経験でした。
そもそも停滞気味の個人制作を進めるべきでは...という気持ちもありつつ、最終的には「お題を見てネタが思いついたら参加しよう」とゆるく着地しました。
とはいえ参加するからには目的を決めようということで、2つ目的を定めました。
目的1:小さい作品を仕上げる経験値を積む
これは書いたままですね。
開発中ゲームの方でも、イベント出展ごとに小さくまとまった体験版を作ってはいましたが、1作品として整えて仕上げたことはありませんでした。
お題もあり作りやすかろうということで、作品完成の経験値としようと考えました。
目的2:久しぶりに修羅場を味わう
なぜそんなことを、と思われるかもしれませんが割と大事です。
昨今のイベント中止に伴い、定期的に訪れていた締切=修羅場が失われ、開発に緩みが生じていました。
今回は降って湧いた格好の締切ということで、修羅場を味わって制作の勘を戻すのにはうってつけです。
1日目前半:お題が難しい!
発表されたお題である「回」ですが、非常に難しいお題というのが第一印象でした。
いろいろな解釈ができますが、それぞれ難点があります。
「回転」と捉えた場合、プレイヤーが回る・画面やステージを回すといったギミックが思いつきますが、これは直接の楽しさに紐付きにくいと考えています。
そもそも回転の動きは人間にとって身近なものではないため、メインギミックや操作系に回転を組み込むと、そのストレスを前提としたゲームデザインが必要になってきます。
アクションでステージが回る場合では、そもそものアクションがある程度面白い前提で、回転はプレイヤーに負荷を与えるスパイス的な役割になります。
パズルで回転を取り込む場合も、回転した後のことが予想しにくいという負荷を与えて、難易度を上げる役割です。
つまりは、回転はゲームのサブ要素としてはアリだが、メイン要素に据えて面白くするのは難しい、ということです。
1week開発なので、なるべく1アイディアでいきたいところですが、お題をメインに据えにくいとなると2アイディア以上が絡み、規模が膨らんでしまいます。
「回」という漢字の形に着目する場合、この形をステージにする・ユニットにするといった候補が出てきます。
これは明瞭にお題を満たせてかつ素材がシンプルになり良いのですが、そのシンプルさは没個性感にも繋がります。
この形を活かしながら、見栄えを楽しくするのはこれまた困難です。
シンプルなパズル路線・ミニマルな見栄えで攻めるしかなさそうですが、僕はパズルに強くないのでこの路線も厳しい。
こうなってくると、ゲーム性に「回」を組み込むのをやめて、シンプルに「回っているもの」を登場させてお題を満たす選択肢が有力になってきます。
回転寿司・コマ・歯車・回し車...それ自体が回っているので、登場させればお題達成で、後は1アイディアでゲームを作るだけなので大変良いです。(1アイディアで面白くするのがそもそも難しいのは置いておいて...)
しかし今回はこの路線を選択せず、多少要素が薄くなっても「回」をギミックに入れる方針を貫くことにしました。
今回の参加を企画作成の練習として捉えた時、ギミックへの取り込みを避けるのは経験値的に勿体ないかなという思いからです。
1日目後半:そうだ 宇宙、荒らそう
もう少し視野を広げながら考えてみることにしました。
「ゲームとして出すからには面白い必要がある」、「折角作るからには自分たちがやりたいこと、好きな要素を入れたい」という基礎を意識しながら、もっとブレストしてみます。
「回数」と捉えて、何かの回数に意味を持たせる...ちょっとわかりづらそう。
「周回」と捉えて何度も繰り返すゲーム...ローグライク? アリだけど小規模で面白くするネタが思いつかない。
「周回軌道」...惑星・衛星とかで宇宙ゲーム? モチーフとしては良さそうだが何をすれば楽しいのか。
ここでlabradさんから意見が
「宇宙を猫ちゃんで滅茶苦茶にしたい」
・・・
楽しそう!
お題のことはさておいて、とりあえず宇宙を猫ちゃんで滅茶苦茶にする方針で考えることになりました(最初の議論は一体?)
宇宙モチーフとなると、お題ブレストで出てきていた「周回軌道」を使うのが良さそうです。
日中仕事しつつ考えた結果、出てきた仕様がこちら。
字が汚いですが、共有用にノートアプリでサクッと作成しました。
まず、場を滅茶苦茶にして気持ちいいシンプルなルールのゲームとして、「塊魂」をベースに採用。
小さくて不自由な状態から、大きくなって滅茶苦茶にするカタルシスをプレイ感の軸に据えます。
続いて、「周回軌道」のギミックでお題を満たすため、自機は惑星の軌道および引力に捉われることにします。
最初の議論でありましたが、「回」は妨害要素のサブギミックとし、それを避けつつ破壊する方針になります。
※最初にサブギミックを置くと規模が膨らむ懸念がありましたが、メインギミックをシンプルにすることで行けそう感が出ています。
そして操作方法ですが、周回軌道から飛び出すアクションを想定していることから、クリックorタップ→ドラッグで引っ張って弾くモンスト風にしてみます。
モンストはターン制なので方向決め→ゲージでパワー決めの2ステップがありますが、こちらはリアルタイムなので引っ張った距離が長いほど強く飛ぶ1ステップにします。
というわけでざっくり仕様が決まりました。
labradさんに素材イメージを伝えつつ、1日目は終了です。
2日目:環境構築でハマる
さて実装開始です。
まずは環境構築ということで、RYSTELと同じくUnity2019でプロジェクトを整えていきます。
しかしここでトラブル発生。
UniRxをインポートするとIDE上でエラーが発生、でもビルドは通るという事象に出くわします。
これは以前も遭遇したもので、assembly definition周りをあれこれしてクリアした記憶があるのですが、今回はどうにも解消できない...
小規模ですし、UniRxなしで作ることもよぎりますが、時間周りの処理を楽に書くことを考えるとやはり使いたい...
ビルドは通るのでエラーを無視して書くこともできますが、IDEの機能が死ぬのはつらい...
かなり時間を溶かした後、Unity2018を引っ張り出して来ることを思いつきます。
すると難なくエラーは消滅。
どうにもUnity2019とUniRxの相性が悪いのか...今回は2018を使うことにします。
そうこうしているうちに猫ちゃんが上がってきました。
黒猫といえば黄色目がメジャーですが、なんとなく宇宙っぽいので青目です。
そして細かいことは気にしないスタンスで、首だけアイコンを自機ユニットとします。
ちなみに2Dドット絵で行くことは最初から決まっていました。
RYSTELが2Dドットなので、そちらの練習を兼ねつつ、知見も活かしていく形です。
あまり進まず2日目終了。スタートダッシュ失敗です。
3日目:物理系を実装しよう
実は2日目は祝日ながら仕事があり、3日目はその代休でした。
ここでできるだけ進めないと、後はほとんど土日になってしまいます。
猫以外の素材はまだなので、仮素材をAsepriteで自作しつつ、プレイの肝となる引力・周回軌道の実装を開始します。
どう実装しようかなと思いつつ、まずは安直に現実の物理を適用してみます。
万有引力の式ですね。
Rigidbody2Dのmassを使って、惑星を重く、自機を軽くすることで引力をつけていきます。
惑星ごとに引力の強さを差別化したかったので、重量で差別化できるのはシンプルで良いです。
後はいい感じの速度で惑星付近に自機が入れば、自然とスイングバイしてくれるでしょう。
・・・
しかしこの考えは甘かったです。
式を見れば分かる通り、引力は距離が近いほど二乗で大きくなります。
この効き方は物理的には正しいのですが、ゲーム的にはかなり破綻していました。
一定以上近づくと過剰に引力がかかり、惑星から離れられない。
少し離れると引力がほとんどなくなり、スイングバイすらしてくれない。
係数Gをいじって落とし所を探りましたが、どうにも意図した動きはしてくれませんでした。
・・・
というわけで、都合の良い物理計算を導入します。
今回取り入れたいのは「周回軌道」に自機が乗ること、さらにはスイングバイをすることです。
惑星に張り付いて止まる自機を見ても何も面白くはありません。
問題になっているのは一定以上近づいたときの過剰な引力なので、一定以上近づいたら引力を切り、強制的に等速円運動させることにします。
惑星中心へのベクトルを90度回し、指定速度で自機を上書きすれば等速円運動ができます。
さらに惑星ごとに、引力の強さとは別に周回軌道に乗った時のスピードを指定できるようにします。
これで惑星ごとの特徴付けパラメータも増えました。
引力が強い/弱い、周回速度が速い/遅い、と2種類あればそれなりにプレイ感は動かせます。
はい、猫ちゃんが回りました。
ひとまずお題は達成です。
ここからさらに、いろんな惑星から同時に影響を受けるパターンも考えました。
詳細は省きますが、各惑星ごとに自機に影響できる範囲を指定し、範囲内にいれば引力・円運動を自機にしかけます。
これで各惑星の持つパラメータがまた増えました。
惑星の差別化がそのままゲームの広がりになるので、良い感じです。
・・・
さらに3日目最後には自機の引っ張りアクションも実装しました。
基本的な部分はInput-MousePositionを使ってサクッと実装に成功。
しかし操作してみると、引っ張りアクションで惑星の引力を抜けるのが非常に難しいことに気付きます。
これまたゲームが破綻してしまうので、引っ張りアクションの実行直後は惑星の力の影響を無視する仕様を入れます。
目論見通り、気持ちよく周回軌道から脱出できるようになりました。
2日目の遅れを取り戻す形で、3日目は順調に終了です。
4日目:インゲームのルールを仕上げよう
さて4日目木曜日、仕事もありあまり時間がありませんが、やるだけやっていきます。
ここで発注していた惑星・背景の素材が上がってきました。
見た目が良くなるのでモチベ的にも大変良いですね。
自機の巨大化段階の数だけ惑星も必要だったため、まずは大中小で描けるだけ描いてもらいました。
それをUnity側でScale調整かけつつ、6段階の惑星バリエーションを整えます。
サイズ違いの猫ちゃんも上がってきました。
表情やアニメもついていい感じです。
こちらもScale調整を少しかけつつ、6段階のサイズを用意していきます。
基本的な物理はできているので、次にやるべきはゲームのルールに当たる部分です。
要件を整理してみましょう。
・猫は自分と同等か、弱い惑星を破壊できる
・猫は一定数の惑星を破壊すると巨大化する
・猫は破壊可能な惑星からは引力を受けない
これらを受けて仕様をまとめます。
・猫と惑星はそれぞれLvを持つ
・惑星ごとにExpが設定されており、猫は破壊時にそのExpを獲得する
・猫の所持Expが指定の値に達すると、猫のLvが上がる
・猫と惑星の衝突時および、引力をかける処理において、互いのLvを参照した分岐が必要
必要な変数設計がなんとなく見えてきました。
衝突用のOnCollisionEnterと、引力用のOnTriggerEnterが入り乱れるので、下手な実装をするとバグりそうです。LevelUpの瞬間とか怖いですね。
気をつけながら実装を進めます。
実はここまでPlayerとPlanetクラスだけで話を進めていましたが、繰り返すゲームになることを考えると、そろそろGameMaster的なクラスが必要です。
LevelやExpをリセットできるように、GameMasterクラスに進行を取り持ってもらいます。
それなりに苦戦しつつも、さしたる不具合もなくスムーズに実装は終わりました。
普段作っているRYSTELの実装に比べれば楽勝ですね。というかRYSTELが難しすぎる。
・・・
一旦できたということで、適当に惑星を置いてテストプレイしてみます。
LevelUpも破壊も上手く動いていますが...なんだか気持ちよくありません。
原因は、惑星を破壊する際(相手が低Lvでも)必ず衝突する必要があるという仕様でした。
衝突時はバウンドさせるようになっているので、猫が大きくなるほど小惑星に一々弾かれてしまい、気持ちよさを削いでいました。
これは結構致命的なので、自分よりLvの低い惑星は、衝突する前に破壊する仕様を入れます。
言葉にすると簡単ですが、これまで全て衝突をトリガーに相互作用をさせていたので、中々厄介です。
ここは少し複雑ですが、猫の方にIsTriggerのColliderを持たせ、惑星側が猫に一定以上近づいた際のOnTriggerEnterで処理をします。
同Lv惑星の破壊処理はPlayerの衝突時に呼び、低Lv惑星の破壊処理は惑星の猫接近時に呼ぶ、非対称な形で切り抜けました。
問題は発生しましたが、そこまでハマらずに解決です。
・・・
続いて、肝心のどういうルールで遊ばせるかの部分ですが、悩んだ結果時間制限式のスコアアタックに決めました。
プレイ感の参考にしている「塊魂」の基本ルールを踏襲していきます。
ステージクリア型やタイムアタック型も考えられますが、これらは一定以下のスキルのプレイヤーには優しくありません。
「途中のステージからクリアできなくなったからやめよう...」であったり、「タイムアタックだけど全然終わらないしつらい...」といった形で、ネガティブな感情を持ったままゲームを終えてしまいます。
※勿論一定以上上手いプレイヤーにとっては達成感がありますが
今回はミニゲームものですし、初見の人に短時間遊んでもらうことを考えると、ある程度プレイヤーが「自分はまぁまぁ良く出来たな」と満足していってもらうことを目指すのがよいでしょう。
時間制限式のスコアアタックでは、ゲーム内のゆるいスコア採点でライトなプレイヤーをケアしつつ、ハイスコア争いでコアなプレイヤーもカバーできます。
また、上記のように一人ひとりの満足感を重視する観点から、ゲーム内にランキング機能を実装しないことにしました。
定番機能であり殆どのゲームが付けているので迷ったのですが、「上手く行った!...と思ったらランキング上位の点数と比べると全然ダメじゃん」という経験が個人的に嫌いなので外しました。
ガチ勢はゲームを楽しむのも上手い人達なので、ライトな人達を大事にしていきたいです。
極めてなくても、頑張ったら究極の宇宙猫!と褒めていきます。
※一応、ガチ勢向けにTwitter投稿してドヤる機能はつけました。これはやりたい人だけやる感じなのでランキングより緩いですし、拡散にもなって美味しいです。
・・・
というわけでルールも物理も仕上がったので、残るはUIとリソース、さらにはステージ作りです。
コーディング量は少ないですが、ここの精度で体験が大きく変わるので気は抜けません。
5日目:リソースをリッチにしていこう
5日目はUI・効果音・BGMを整えていきます。
フリーフォントを画面に乗せていい感じなものを探し...中央上のWASABI-GUMを採用。
丸い可愛さとちょっとスタイリッシュな感じがいいですね。
続いてBGMはこちらから。
今回4ステージで雰囲気を変えたいので、タイトル含め5曲お借りします。
猫が題材ですが、やってることが激しいのでBGMもアップテンポでサイバーな感じにします。
SEはほぼ全てこちらのサイトからお借りします。
色々回りましたが、一番しっくり来る上にいい感じの猫声SEがあります。重要。
BGMに比べてフリーSEは合う物を見つけるのが難しいように感じます。
RYSTELの方も未だに納得行くSEが用意できずに詰まり中...やはり自作するしかないのか。
残りの素材作成を待ちつつ、土日に全てをかけて5日目を終わります。
6日目:素材の追加とカメラの調整
さらに惑星の追加をしていきます。
海王星っぽいもの、人工衛星、猫ちゃん禁止ラインです。
人工衛星の他にも本当は、ロケットやUFOなど動くギミックも用意したかったのですが、スケジュール的に断念しました。
アプデする機会があれば導入したいですね。
(labradさんがコロニー置いて破壊しようぜ!とか言ってきましたが、明らかに生命がいるところを破壊するのは倫理がアレなので却下しました。疲れてくると倫理がアレになります。)
猫ちゃん禁止ラインですが、4ステージ用意することから難易度カーブとプレイ感の変化をつけるために導入します。
破壊不可の妨害ギミックとしても良かったのですが、猫ちゃんを禁止するのは極めて困難なので高Lvになったら壊せるようにしておきます。
ゲーム中ではエフェクトが派手で見づらいですが、悪い看板はこうしてやりましょう!
・・・
続いて、カメラの微調整をかけていきます。
カメラは有料アセットのProCamera2Dを使います。
RYSTELの方で試験導入中なので、練習も兼ねていきます。
プレイヤーの追尾・画面端のカメラ制限・揺れ演出・画面遷移フェクトなど、便利に使わせていただきました。
中でも今回のゲームで重要だったのはカメラ速度に応じたズーム設定です。
カメラを引くと周囲が見えて便利ですが、序盤は自機が点のようになって折角の猫ちゃんが見えません。
かといって寄りすぎると周りが見えず、どこに行けばよいかわかりません。
この加減をいい感じに取り持つため、カメラ速度=プレイヤーの移動速度が速い時はカメラを引く、遅い時はカメラを寄る設定を入れました。
この設定がアセットの標準で提供されているのは助かります。
ただ、プレイヤーのサイズに応じて最適なカメラズームが変わる問題もあったため、多少手間ですがズームをプレイヤーLvごとに変更していきます。
こんな感じでMaxZoomInAmountとMaxZoomOutAmountを更新していきます。
地道な調整の結果、いい感じのカメラが用意できたかなと思います。
7日目前半:UIをブラッシュアップしよう
さて最終日です。
できれば7日目はステージ作成とバランス調整だけにしたかったのですが、面倒なことにUIが終わっていません。
ステージの質がイマイチだと終わりのゲームなので、20時に間に合わせるのは一旦諦め、日曜のうちに出す方針に転換します。
ともあれUIをブラッシュアップします。
こちらは調整前のステージ選択画面。
なんだか狭苦しい上に、右上にはデッドスペース、背景も何もなくてつまらないですね。
それに重要な点として、今どのステージを選択しているのかわかりません。
labradさんと相談しながら、レイアウトやフォント設定を見直します。
その結果がこちら。
だいぶ変わりましたね。
レイアウト全体を整え、デッドスペースなく情報優先度通りに整列されました。
また、ボタンは選択中のものだけラベルが塗り潰されるように変更、どのステージを選択中かひと目でわかるようにします。
そして背景ですが、ステージ選択をした時点でそのステージが背景に流れるようにしました。
さらにもう少し見た目を楽しくするため、ステージ上をカメラがうろうろと動くようにします。
これは透明なオブジェクトを仮想プレイヤーとして配置し、それをカメラが追従する設定にすることで実現しました。
この調子で他の画面も整えていきますが、長いので割愛。
その他細かいところですが、折角お題が「回」なので、タイトル周りの画面遷移は回転を使うことにしました。
おなじみDoTweenを使ってクルッと回していきます。
UI遷移は少し工夫するとクオリティ感が上がって良いですね。
もう少しDoTween慣れしていきたいところです。
さてUIが整ってきたので、グラフィック周りの最後の作業、いい感じのサムネ作成をlabradさんに依頼します。
するといい感じのサムネができました。
ゲーム内動画ではなく、Asepriteを使ったさっくり仕上げです。
スケジュール的にチュートリアルを用意できなかったので、最低限サムネでゲームが伝わるようにしました。
以上でステージ以外の実装は完了。
やったことはシンプルですが、かなり時間を取られてしまいました。
7日目後半:ステージを作って完成!(※配置ネタバレあり)
いよいよ仕上げです。
UIに苦戦しすぎた結果、この時点で締切の20時は過ぎています。
調整時間としては心もとないですが、寝るまでが日曜日の精神でステージを整えていきます。
作成するのはEASY/NORMAL/HARD/EXTREMEの4ステージ。
まずは各ステージでやりたいことをざっくり決め、具体的にプレイしながら惑星を置いていきます。
まずEASY、ここは実質チュートリアルです。
操作とシステムに慣れさせつつ、巨大化して無双する楽しさを最低限仕込みます。
このためプレイ時間は短め、引力の強い高Lv惑星は少なめで、端の方に配置していきます。
惑星の間隔もそこそこ広く、宇宙っぽさを味わってもらいましょう。
できたのがこちら。
プレイ時間は90秒、凶悪な青惑星は隅っこに一つだけで中心には低Lv惑星しかない簡単操作なステージです。
・・・
続いてNORMAL。
ここでは引力・周回軌道の要素をそこそこに味わってもらいます。
宇宙っぽさは維持しつつ、序盤から高Lv惑星に遭遇しやすい配置です。
できたのがこちら。
プレイ時間は110秒、開幕土星っぽいものの引力に振り回され、低Lv惑星を探して回る設計です。
最初にどの方向に進むかで大きくスコア差が出ないよう、配置数の対称性を重視しました。
・・・
お次はHARD。
HARDというからには、少しだけ難しさ・厄介さを感じてほしいですね。
また、EXTREMEで猫ちゃん禁止ラインを多用するつもりなので、そのギミックの顔見せも行っていきます。
ここから宇宙っぽさを多少犠牲にしながら、ゲーム性を増していきます。
できたのがこちら。
プレイ時間は140秒、開幕太陽っぽいものに挟まれ動きづらく、猫ちゃん禁止ラインもあるので移動が制限されます。
凶悪な青惑星も中央寄りに来ているので、うっかり触るとタイムロスになります。
また、猫ちゃん禁止ラインの強度は太陽っぽいもの級なので、それなりに上手くプレイできた方は、この時点で禁止ラインが壊せることを学びます。
EXTREMEへの布石というわけですね。
ちなみに惑星直列な感じになっているのはなんとなくやりたかっただけです。
・・・
最後にいよいよEXTREMEです。
実はこのステージでやりたいプレイ感は最初からほぼ決まっていました。
ずばり、初代「塊魂」のメイン最終ステージ「月をつくる」です。
このステージは、街の中の小さな塊から始まり、段々と行けるところを広げながら、ビルを飲み込み船を飲み込み、最終的には元いた島も飲み込んで地表を空っぽにしてしまうという個人的に一番好きなステージです。
最近リメイク版が出たので未プレイの方はやりましょう。神ゲーです。
話を戻し、EXTREMEの設計です。
まず最初から最強クラスの星に取り囲まれ、操作を難しくしていきます。
そして猫ちゃん禁止ラインを多用し、行動範囲を制限しつつ、破壊することでエリアが広がる楽しさを入れます。
さらに、それなりの時間を残して最高Lvに到達できるように調整、敵なしの無双状態を満足行くまで楽しんでもらいます。
ただし調子に乗っていたら時間が足りず、★5評価は取れない...というラインに設定できれば完璧です。
※無双状態になってからスコアに困り始める点も、「月をつくる」準拠です。
というわけで、仕上がりはこちら。
プレイ時間は最長の180秒、スタートした瞬間青惑星に捕まる嫌らしい配置です。
猫ちゃん禁止ラインも大小2パターン用意し、それぞれLv3とLv5で突破させることで徐々にマップが広がる感じを出していきます。
基本的に外に行くほど美味しい惑星を大量配置、禁止ラインを突破することが明確にメリットになる構成です。
禁止ラインによって導線がある程度決まっているので、NORMAL/HARDで意識していた対象性はあまり考えず、雰囲気で配置しました。
テストプレイしながら「月をつくる」感が味わえたので、自分としては満足のステージです。
ステージ単独でカタルシスをしっかり出せたのに加え、これまでのステージでは不可能な「全消し」も視野に入るあたり、通しプレイでのカタルシスもあり良いものになったかなと思います。
・・・
以上でステージも全て完成ですが、最後にもう少し作業があります。
Unityroomに限定公開で提出してテストプレイしながら、各ステージの★1~5評価の境界値を微調整します。
マウスで真面目にプレイして、ゲーム慣れしている人が1・2回目に取るスコアの中間あたりを★5ボーダーとして、ざっくり設定していきます。
慣れていない人、ゲームが得意でない人でも繰り返せば★4くらいには到達するゆるふわ調整です。
ここまで終わって今度こそ完成! 一般公開して作業終了です。
時刻は日曜の27:30!遅刻しましたが寝てないのでまだ日曜です。
まとめ
軽い気持ちで振り返りを書き始めましたが、思いの外大ボリュームになってしまいました。
小規模のゲームとはいえ色々な事を考えながら開発したので、個人的には意味のある振り返りになったかなと思います。
最初に満足行くクオリティのものができたと書きましたが、要因としてはとにかく「出来が良いものをまずは完コピしてみる」が大きいかなと感じます。
もちろん仕様を丸パクりするということではなく、ゲーム開発なので「自分が面白いと感じた感情」を再現しようとするのが大事です。
この再現の精度がそのまま面白さに繋がっていくので、インプット時/アウトプット時共に意識していきたい観点だと思います。
・・・
といったところで振り返り記事は以上です!
もし読んでくださった方がいらっしゃったらお疲れ様でした、そしてありがとうございました。
引き続き「RYSTEL」の開発も頑張っていきますので、応援いただけると幸いです。
(評価良かったら「SpaceCat★Planet」のアプリ版も作ってみたいかも。)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?