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変わらないと約束しても『恋の病~潔癖なふたりのビフォーアフター~』【台湾に行きたい】

『1秒先の彼女』に続く台湾映画『恋の病~潔癖なふたりのビフォーアフター~』が現在上映中です(10/1~10/14)。「恋は盲目」をテーマのひとつに、「恋の約束と固執」を描いた本作。他の誰からも理解してもらえないと思っていた潔癖症という共通点を持つ2人が出会い、この人しかいないという確信とやっと巡り合えた運命の相手との恋が始まる高揚感が、ポップでキュートな映像で描かれていきます。そして恋愛関係の本質を正面から描く予想外の展開に・・・

あらすじ

重度の潔癖症の青年ボーチン。家では隅々まで徹底的に掃除し、自身も何度も手を洗いシャワーを浴びる毎日。外出する時はもっと大変!防塵服を着て手袋とマスクをするほどの完全武装!そのために彼は一般的な社会生活が送れず、他人から見るとまさに“偏人”であった。
ある日、いつもの完全武装で電車に乗っていると、同じ車両に同じような完全武装をした女性ジンを発見!ふたりは運命的な出会いを果たす。彼女も潔癖症で、さらに4時間以上外にいると肌に発疹が出るアレルギーの上、スーパーなどで万引きを重ねてしまう窃盗症まで持ち合わせていた。
「自分は一生、他人と隔絶してひとりぼっちで生きていくのだ」と運命に縛られていたふたりが、天の采配で出会い、清らかな恋愛がスタートする。それは「他人から疎外される」という恐れのない安心感に満ちた唯一無二の関係。何の希望もなく、暗かった日々が次第に色づいていく。
だが、この運命的な関係は突然破綻を迎える。ボーチンからこの厄介な症状が消えてしまったのだ。永遠にこの関係は続くと信じ合えていたふたりだったが、徐々にすれ違っていく…

全編iPhoneで撮影

iPhoneで撮影された映像は、ビビットで良い意味で平坦。それ故に世間からは疎外されたボーチンとジン2人きりの世界がファンタジックでポップに映ります。多くの時間を過ごす2人の部屋は計算された配色や家具の配置でオシャレだけれど、生活感をあまり感じません。
映像がいわゆるスマホの縦画像の比率なのですが、途中あるシーンから映像の横幅が広がります。とても自然に広がるのでお見逃しなく。横幅が広がるだけで映像から受ける印象がこれほど違うのかと感心しました。
しかし、ここから二人の関係はすれ違っていきます。

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約束された不変と固執

ある朝突然ボーチンの潔癖症が治ってしまうことをきっかけに、ボーチンとジンの関係が破綻を迎えることになります。
今までお互いを繋ぐ大きな共通点としての潔癖症が、片方にとってはもういらないものになってしまう。人間変化することは当たり前でどうしようもないのに、好きな人のそれを受け入れられない苦しさ、永遠と信じたものが崩れていく恐怖がリアルで、胸が苦しくなりました。結局、相手の中の自分と同じ部分が好きなだけだったのかと思う悲しさを思ってしまいました。
恋愛関係の永遠を約束した相手に変化があったとき、どうするか、どうなるのかを正面から描いた骨太な作品です。
台湾映画の好きなところは湿っぽくなりすぎずに、フラットに物事の真の部分を描くところなのですが、今回もそこはバッチリでした!最後の仕掛けもお見逃しなく。

【おまけ】台湾に行きたくなる

台北市内のおそらく限られたエリアで撮影されたこの作品、観ていると台湾行きたい熱が猛烈に高まります!
特に二人の距離が近づく印象的なシーンで使われている地下鉄。以前台湾に行ったときに乗って、あまりに便利で綺麗で快適だったのでお気に入りになりました。それから時々台北地下鉄情報を調べていますが、最近特に気になるグッズ(?)が。
台湾の交通ICカード「悠遊卡」は日本のSuicaのようなものですが、そこが出しているコラボ立体ICカードが面白いのです。

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ガチャガチャのキーホルダーみたいなICカード。これは欲しい…!改札でタッチすると光ったり喋ったり、パンは触感も再現されているそうです。カナヘイのうさぎ指示棒で改札タッチしたいですよね。
この立体ICカードを使って『恋の病』のロケ地巡りや、夜市に行ってご飯食べたい!
早く海外に行ける世の中になりますように!!それまでは色々な国の映画を観て気持ちを高めていきたいと思います。

『恋の病~潔癖なふたりのビフォーアフター~』
10/1~10/7連日①16:30
10/8~10/14連日①14:15

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