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KSAテンプレート + 時間配分

以前、KSAについては取り上げてみましたね。
Kは知識、Sはスキル、Aは姿勢。これらを習得していただくことこそ、「研修の目的」を達成する近道なのです!それを時間配分の中に組み込むにはどうするのでしょうか?


KSAを組み込む際の注意点とポイント

KSAを組み立てる上での注意点と組み立てのポイントを挙げていきます。
これらを意識して、時間配分の中に組み入れていきます。

K(Knowledge)知識

組み立てる上での注意点
 一方的な情報提供になりがち
 大量の情報提供になりがち
 ⇒効果的ではない

ポイント
 7±2の法則 (後述します)
 長期記憶への移行

S(Skills)スキル

組み立てる上での注意点
 理解だけではなく練習を組み込む

ポイント
 
無理のない練習の積み上げ

A(Abilities)姿勢・態度

組み立てる上での注意点
 正論やロジックだけでは伝わらない
 インパクトのある方法で感情に訴える

ポイント
 
感情を動かす

以上のKSAを意識し考えを進めてみましょう。

K(Knowledge)知識に関するコンテンツを組み立てる

「時間が足りない」という問題

 この問題に差し掛かった時のダメパターンは
・NG! 早口で話して、全部の情報を提供する。
・NG! ワークなどの時間を削る。かつ、キーワードだけ伝える
ダメダメです。「情報を伝えた」=ノルマを果たしたという講師の自己満足だけで終わってしまいます。

8分に1回の、情報を沁み込ませる時間

20分間で注げる情報量として、さらに8分に1回は記憶に沁み込ませる時間が必要になることを前提としてみてください。
おのずと、伝えられる情報量は限られてきますね。

この情報量がMAXの伝えられる情報量なのです。そこを意識して講義や研修を組み立てましょう。

情報の多さが抱えるリスク

受講者へ情報を注ぎすぎると溢れ出てしまいます。どの情報を溢れさせて、どの情報を持ち帰るのかは「受講者次第」となり、講師は関与できません。

講師が大切だと思う情報を溢れさせ置いていくリスクが生じます。

多量の情報を浴びせるということは、リスクにもなるのです。

7±2の法則

人間が一度に記憶できる量です。
 5~9個

20分という単位の中に組み入れる情報の個数は、この数を超えてはいけません。これ以上は無理なのです。
「いやいや、どうしても12点教えないとだめなんだ」という方は
最初の20分で6個、次の20分で6個としてください。

S(Skills)スキルのために体験を入れこむ

百聞は一見にしかず。受講者への体験を組み入れることにより、スキルの習得がより深まります。2時間の講習では20分のターンの一つくらいは、体験の練習を入れるのをお勧めします。

例えば、「接遇」の講義であれば、接遇の型を知識で教え、実際に練習しスキルを体験していただくということが言えますね。

体験は、実際に練習・体験する以外にも
・ペアワーク
・手を動かして記述する
・理解したことを説明してもらう
などが考えられます。

大切なのは、「無理のない経験の積み上げ」とすることです。

「接遇」でも、「知識を得たでしょうから、すぐやってみてください」とせず、「まず一つ目は、お辞儀をやってみましょう。私がやりますからみなさんも真似てやってみてください」など、階段を一段ずつ昇るイメージで無理なく体得させていきます。

成功体験によりスキルは身に付きます。失敗体験をすると「もうやらない」となってしまいますからね。

A(態度・姿勢)に関するコンテンツを組み立てる

一番の問題はここ。「感情」に訴えることによって与えられる要素。どのように受講者の感情を動かすかです。

感情を動かす手法を考え出す手法

どのように感情を動かすかを考える時、次の要素を考えるとよいでしょう。

  • 目指す姿を明確に受講者とイメージ共有できているか?

  • 目指す姿を明確に受講者に提示できているか?

  • 目指す姿のメリットが実感・共有できているか?

  • 目指す姿に到達できなかった時のデメリットは共有できているか?

  • 「一歩踏み出す」ために背中を押す仕掛けを入れ込む

  • 感情を動かす障害になっているものはないか?取り除けるか?

この辺りを考え抜いて、コンテンツに埋め込みましょう。

効果的な手段

効果的な手段は次の通りです。

  • 映像

  • 証言者(目指す姿を得られた人の成功体験)

  • 証言者にインタビューを行う

  • ディベート(討論)させる

  • 疑似体験

  • フィードバック

などがあります。取り入れるには難度高めですが、挑戦する価値はありそうです。

時間配分

研修のコンテンツを具体的に組み立ててみましょう

手順は次の通り。

  1. 研修目的をKSAあに分類し、表現する

  2. 参加者について分析する

  3. 20分を単位として大まかなコンテンツを決める

  4. 20分の中に説明・参画・振り返りを入れ込む

  5. 90分の内容を組み立て、オープニング・クロージングを決める

となります。

この20分をひとつとしたパッケージの順番、一工夫をするとより良いものになります。そのお話は次回で!

まとめ

KSA + 時間配分 を誤らなければ、初体験の自作講習や講演でも、それなりにまとまった、受講者に満足を得ていただける講義が組めるようになります。


讃良屋安明公式ブログあります。お時間のある時に覗いてみてください。


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