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制作を楽しくしてくれる作家活動の「軸」が出来るまでの話

私は「amulet accessory」をコンセプトに作家活動をしながら(作品はこちらでご覧いただけます)、「ハンドメイドをもっと楽しく!」をテーマに、ハンドメイド作家ビギナーさん向けにオンラインコンサルもしています。

(無料モニター定員は残4→3名。LINEで行います!詳しくはこちら。

私はコンサルに熱くなってしまうみたいで、いつも回答が長く長~くなってしまう。

なので時々、「noteの記事」という形でも回答させていただいているんです。

という訳で、今回は継続コンサルを受けて下さっている方からお寄せいただいたご質問について、こちらで全力回答していこうと思います。

Q. 自分らしいモチーフ・デザインの生み出し方とは?

今回頂いたご質問はこちら。

制作していて「これこれ~!楽しい!」という気分を味わえるような、自分らしいモチーフ・デザインの「軸」を定める方法はありますか?

かつて私も同じように悩んでいたことがありました。

思いつくアイディアをとにかくアクセサリーという「カタチ」にして楽しむものの、使用している素材が天然石だったり、コットンパールだったり、金属だけだったり…。

「なんだか素材感がバラバラだなあ」というモヤモヤを抱えてはいるものの、「これだけでいこう!」と決め切ることも出来ず、色々な素材を使って制作をしていました。

ただ、もともとシンプルなアクセサリーが好きという事もあって、「シンプルなデザイン」という部分だけは最初から変わっていないと思います。

最初は「どんな人に使って欲しいか」を考えていた

使用素材がバラバラだったころ、一応はペルソナを設定して活動していました。(ペルソナとは、商品やサービスを使ってほしい人のイメージを設定することです。)

当時の私が設定していたペルソナは「アラサーで、会社員で、会社はオフィスカジュアルな服で行ける感じで、シンプルな服が好きで、休日はひとりでプラプラ街を歩くのが好きな女性」といった感じ。(ほぼ会社員時代の私のことです。)

なので最初は特に「職場につけていけるデザインか」「オンもオフも使えるシンプルなデザインか」というところを重視して、素材にはこだわらずに制作していました。

それはそれで楽しかったんですが…ペルソナを設定しているせいなのか、制作やデザインに自分が関わっているようで関わっていない感覚がありました。

しかも「売れない」という現実が今よりも重くのしかかり、ストレスに耐えられなくなってしまったんです。

「売るため」のハンドメイドは苦しかった

ペルソナを設定していたのは、「そうすれば売れる」と信じていたからです。

当時の私はハンドメイド関連のノウハウ記事を読み漁っていたのですが、ビジネス書を読むのも好きで、ペルソナもそこから知って行うようになりました。

ただ目的は「楽しむこと」ではなく、「売れること」。

今なら「楽しくてやった行動」が「売れること(売上)」に繋がると分かるんですが、当時は「売れるための行動」が「売れること(売上)」に繋がると考えていました。

私の「売れるための行動」には必死さや、辛さや、苦しみの感情が伴っていて、やり続けることが本当にしんどかった。

「このまま続けていたら、売れたとしても自分がダメになる」と思って、「売れるための行動」(ペルソナの設定や、流行っているデザインやモチーフを調査することなど)を止めることにしたんです。

ペルソナは決めていたけど「私、オシャレじゃない」

ペルソナ設定をやめたのには、もう1つのきっかけがありました。

「私…別にオシャレに詳しくないよね」

と気付いてしまったことです。

かつてペルソナに設定していた女性は「オシャレに気を使っている人」だったのですが、これもまた売れるためにやっていた行動でした。

「売れるにはアクセサリーをファッションとして見て、その視点からアピールをしていかなければ!」と思い込んでいたことが原因しています。

しかし現実の私はオシャレに詳しくないし、オシャレでもないし、そこを掘り下げ、学んでいく気力も無かった。

「オシャレしたい人向けにアクセサリーを作るのって無理なのでは?」

そこに気付いたことで、私はスパッとペルソナを手放すことが出来ました。(それに、モノを買う理由って「オシャレ」だけではないと今では思えます。)

そしてハンドメイドを始めた頃から大切にしていた「お守りのようにアクセサリーを身につけて欲しい」という自分の願いの方に焦点を当てるようになったんです。

コンセプト「amulet accessory」の誕生

私は自分なりの「願い」を込めて、「意味」を持った素材・モチーフのアクセサリーをお守りのように身につけることが「好き」です。

「意味を持った素材・モチーフ」とは、例えば天然石、ハートや蝶などのラッキーモチーフ、それから「LOVE」などの言葉のこと。

私はそれらを使って「amulet accessory(お守りアクセサリー)」という世界観を表現しています。

ハンドメイドを始めたばかりの頃からショップのプロフィールにも「お守りアクセサリー」という言葉をずっと入れてきたほど、「アクセサリーをお守りのように身につける」ということを自然に行ってきました。

ただ、自分にとって当たり前すぎて、まさかそれがコンセプトになるとは思っていなかったんです。

なぜなら「売れるには『自分が好きかどうか』じゃなくて、世間的に『良い』と思われるかどうかの方が大切」と考えていたから。

しかし、売れるための行動をやめてからは「自分の『好き』を全面に出していく」と決めて活動をするようになり、コンセプトを、これまでずっと大切にしてきた「amulet accessory(お守りアクセサリー)」に変更しました。

そして「好き!」という基準で決めたコンセプトがあるから、今は楽しんで制作をすることが出来ています。

軸になるのは「これが好き!」という気持ち

私は時々「売れている人って、ノウハウやセオリーに従ってやっている人ばかりなのかな?」と思います。

そして「そんな訳ない」とも、思います。

実際に調査したわけじゃないので定かではありませんが、活躍している作家さんのエネルギー源って、やっぱり「好き」「楽しい」「面白い」だと思うのです。

それに、この3つのエネルギーは枯渇しません。

やればやるだけ幸せになれて、「もっと楽しいことがしたい!」「もっと面白いことがしたい!」と自然と行動力を高めてくれます。

私の場合はこのnoteもそうで、毎日更新する時のエネルギーは「楽しいことがしたい!」という感情だけです。(文章を書くのが好きなので、毎日至福の時間です。)

素材選びも「これが好き!」が基準

私らしいモチーフ以外にも、私には「私らしい制作の仕方」もあります。

デザインについてはこちらの記事で書いているので割愛させていただきますが、今回は素材選びについて、さらに掘り下げてお伝えさせてください。

私がメイン素材(天然石など)以外に主に使っている素材と言えば「ワイヤー」「14kgf(ゴールドフィルド)の2つです。

それぞれの素材を使っている理由は、

【 14kgf 】
・ ゴールドという色が好き
だから
・ 憧れの作家さんたちが使っていて、羨ましかったから
・ メッキよりも14kgfの方がその輝きを長くお楽しみいただけるから
・ 金属アレルギーの症状が出にくい素材だから

※14kgf…金を熱や圧力で素材(真鍮など)に圧着させたもの。金メッキよりも金の層が遥かに厚く、変色しにくく、圧着した金の層も剥がれにくい為、金の輝きを長くお楽しみいただける素材です。

【 ワイヤー 】
様々な形、様々な用途に使える自由さが好きだから

以上の理由からもお分かりいただける通り、私は素材選びでも「好き!」という基準で選んでいるんです。

ただ、これについても最初から好きだと分かっていたわけではありません。

最初は14kgfは使っていませんでしたし、Tピンや9ピンも使っていました。

ただ…使ってみて分かったんですが、私、Tピン・9ピンが苦手なんです。

最後に輪っかを作る時にちょうどいい長さにカットできなくて、大抵イライラしてました。

でもワイヤーなら自分の好きな長さにして、どんな大きさの素材でも通して使うことが出来る。

ワイヤーさえあれば長さの違ったピンを買いそろえる必要もなくなり、「何て自由な素材なんだ…!!」と惚れ込んだ訳です。(恥ずかしながら、私がずぼらで面倒くさがりなのも原因になっているかと思います。)

また、14kgfを使い始めたのは「憧れ」という感情が理由です。

14kgfは天然石アクセサリーの作家さんの多くが使用していて、ずっと憧れの素材でした。

ただ通常のメッキよりも金が多く含まれているために、価格も高い。

なので最初は少しずつ取り入れていたのですが、委託販売をすることが決まったことをきっかけに、それ以降はほとんどの作品を14kgf素材を使って制作するようになりました。(ちなみに最初の納品に40点ほど必要でした。)

14kgfはきちんとお手入れすれば金の輝きを長くお楽しみいただける素材なので、そういう所も気に入って使っています。

「好き!」のセンサーを育てていく

ここまでの流れで、私のコンセプトや素材選びの「軸」が最初からバシッと決まっていたわけでも、最初から全力の楽しい気分でハンドメイドが出来ていたわけでも無いことがお分かりいただけたと思います。

以上の私の経験からお伝えできる、ご質問への回答は

「色んなことを試しながら、どんな作業、どんな素材、どんな色、どんな雰囲気の作品だと楽しく作れるのか、作りながら考えてみませんか?」

ということです。

様々な方法でデザインや制作をしながら「この作業楽しい!」「この素材を使うとウキウキする!」など、自分の「好き!」に対するセンサーの感度を高めていくイメージでもあります。

「楽しい!」「面白い!」「好き!」というエネルギーは枯渇しないので、何に接したとき、何をしたときに、自分の内側からそのエネルギーが湧くのかを知ることが大切だと思うんです。

人によっては一朝一夕で分かるものではなく、私のように時間が掛かるかもしれませんが、このセンサーが優秀になればなるほど、ハンドメイドだけでなく人生そのものが楽しくなっていきます。

なので色々なことをやってみて、「好き!」のセンサーを育てていく。

私はそうやって、「sarari」としての軸を定めてきました。

転んでも、そこから見た景色を糧にするタイプ

私は賢く作家活動ができるタイプでも、ブランドとしてがっちりコンセプトが決まっていたタイプでもなく、「考えたって分からないんだから、とにかくやって考えよう」という体当たりタイプです。

文系大学卒、元建設業勤務の普通の主婦が普通にハンドメイドを始めただけなので、ビジネスという視点から賢く売り上げを上げつつ作家活動が出来たわけではありません。

でも私が「普通の人」だったことが幸いして、その視点からお伝えできる経験を山のように手に入れることが出来ました。

私は転んでも、作家として売れない期間が長かったとしても、それで諦める性格ではありません。

むしろそれすら糧にして、それすら強みにして進んでいく、転んでもただじゃ起きないタイプの作家です。

そしてそれすら楽しんで、noteに足跡を残し続けています。

今日のこの記事と私の経験が、何かお役に立てたら嬉しいです。

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