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あの島の私は小学生女児だから。

~あつ森やってる小学生並みの感想文~

みんなやってますか。「あつまれ どうぶつの森」。通称「あつ森」。やってる?興味ない?そもそも本体が手に入らない?ええ、皆さんそれぞれだと思います。

さて、小学生2人を抱える我が家には当然のように以前からニンテンドースイッチがありました。今どきの小学生には必須アイテムですから。スプラ―トゥーン2をやり、スマブラをやり、マイクラをやり、ポケモンをやり、とくれば当然あつ森もやりたがります。奇しくも3月から新型コロナウイルスの影響で学校が休校になってひと月近くたち、子どもたちも暇を持て余してた頃です。宿題をやれ宿題を。そうも思いますが、可哀想に家から出て友達と遊ぶこともままらない毎日、ねだられれば買わないわけにもいかない状況です。発売日には見送っていたものの、みんなの楽しそうなプレイ画像も後押しし我が家もついに無人島に移住することになりました。

ハマりました。

お母さんが。

お前かーい!ええ、私が。そういえばわたくし、今を遡ること20年近く前、「どうぶつの森」をプレイしていたのでした。あまりに昔過ぎて記憶もおぼろげですが、「雑草をむしらないと村の評価が下がる」ということを知らなくて草ボーボーにし、ひどく寂れた村を作ってしまったような気がします。いやいやあの頃は攻略サイトなんていうのもほとんどなくてですね。あの時の村には悪い事をしたなぁ。

そんなどうでもいい思いとともに、私は「にゃんこ島」に入植しました。島の名付けは当然、リアル小学生女児の娘です。猫が好きだから「にゃんこ島」。これがリアル小学生ですよ奥さん。大人がみんな「シュガーとさ島」みたいな名付けしてる中、「にゃんこ島」ですよ。これですよ小学生。

さて、この小学生の娘、島民代表にも関わらずひじょーーーーーーーにゆっくり。下手すると「今日は知らない虫を捕まえました。おわり」で終わってしまう。進めて。早く進めて。たぬき商店作って。橋かけて。住人呼び込むための家具を作る資材を集めて。言ったって「今日はもういい」で終わっちゃう。仕方なしに住人呼び込むための資材はほとんど私が揃えたりしていました。娘は「わかったわかった」という感じで必要な家具をこしらえたりしていました。

しばらくすると、先行してあつ森をやり込んでいた人たちからツイッターで情報が流れてきます。曰く、「3月が終わるとしばらく釣れなくなる魚がいるよ!」と。そう聞けば私なんかは慌てちゃうわけです。必死で釣り糸を垂れる日々。なかなか釣れません、イトウ。そうだ、娘も図鑑を埋めたいはず。娘にも教えてあげなくちゃ。

「ねえ、イトウって魚がいるんだけど、3月終わるとしばらく釣れないらしいよ!!」

「へえ」

へえ!!へえで終わった!!えっ、興味ないのかな?

「いや、釣れるなら釣りたい」

…だよね?そうだよね?とはいえ、娘は相変わらずのーんびり、釣りをしたり虫をとって「見て見て~、リュウグウノツカイ釣れた~」とか言ってます。いやそれは先日もう釣ったやん。今はイトウだよイトウ。私は砂浜をほじくり返しまくってアサリを集め、せっせと娘の家の前に釣り餌を置いておきました。娘はといえば、マイデザインで「お星さまのドレス」を作っています。釣れ。もう3月終わるぞ。あまりにも母がうるさいせいか、娘はようやくマイルりょこうけんで島巡りをし、ぎりぎりで大きい魚しか釣れない島にたどり着きイトウをゲットしていたのでした。それで、娘は確かに幻の魚を釣れたことは喜んでいたんです。でも、わりとどうでも良さそうでした。「釣れたら嬉しいけど、釣れなければそれはそれで」。たぶん娘にとってはそのくらいだったのでしょう。以降、私は言われない限りは娘にその手を話を言わないように決めました。

発売からしばらくたち、大人たちも緊急事態宣言で家に居る時間が増えたせいか、ツイッター上の私の相互さんたちも徐々にあつ森をやりはじめて、フレンドになって交流するようになっていました。たぬき商店やエイブルシスターズのラインナップをツイッターに上げ、あれが欲しいから何時に島に行くね!とか、それ郵便で送って!とかそんな事もやり始めました。これはちょっぴり公言するのは気恥ずかしさもありますが、私とあるフレンドさんは島のキャラになりきって交流したりもしています。島でデートしたり、あの子が好きそうな家具やらラグやらを勝手に送りつけたり。「また会おうね」「今度はそっちに行くね」…なんとも、懐かしいやり取りです。ノートの切れっ端にどうでもいいことを書いて、その場で話せばいいのにわざわざ渡してたあの頃を思い出します。

そう、このゲームって、きっと「そういうゲーム」なんでしょう。慌てて図鑑を埋めなくていい。また次のシーズンを待てばいい。今手元にない家具はお友達にもらったり交換したりすればいい。学校で約束して、家に帰ってきてSwitchの電源を入れて。約束の時間に友達の島に行けばいい。

先日、あつ森に苦言を呈するnoteを見ました。「毎朝出てくるしずえはスキップできないのか。まめきちからかかってくる電話がうざい。運ゲー。毎日欲しい家具や住人が来ないかガチャ回してるみたい」以下、あそこがうざい、これができないと延々続きます。わかります。私も思う所あります。大人だもの。みんな忙しいんです。ちゃっちゃとお目当ての家具手に入れて、ツイッターで人気の住人そろえて自慢したいですよね。

でもたぶん、そういうゲームじゃないんですよ。

洋風のオシャレ家具で揃えたかったのに和風家具ばかり来て和風の家になっちゃったり、「こういう家具ほしいなぁ」って言ってたら「あるよ!あげるね!」って声掛けられたり、そういうゲームなんですよ。全種コンプリートできなくてイライラするようなゲームじゃないし、たぶんそういうのをやりたいなら別のゲームをやったほうが時間の無駄を防げると思います。ちなみに娘に「しずえ毎朝出てくるけどどう思う?」って聞いたらキョトンとした顔をして「今朝は茶柱が立ったって言ってた」言ってました。そうこれ。たぶんそういう人のためのゲームなんですね。

大きな島民のみんなも、「ともだち」を作りましょう。約束をして流星群の日には一緒に祈りましょう。ほしかった洋服をともだちが持ってたら、ねだって送ってもらったり、ともだちが欲しがっていた家具を偶然手にいれて我が事のように喜んで送りつけたりましょう。最初はイマイチだった住人も、話していくうちに愛着がわいて「島を出ていこうと思う」って言われたら引き止めちゃったりしましょう。欲しい家具が来ない時期の微妙な家も、整ってきたステキなお家もみんな等しく「思い出」になります。写真を撮って残しましょう。

あつ森関連の動画の中では一番大好きなの、この曲なんですけど。

「明日を楽しみにする」、まさしくこれなんだなぁと。「君のお花畑 どうかな 希望の色は咲いてる?オレンジ色のコスモス 綺麗な青のアネモネ」ほんとこれです。朝起きて眠い目こすりながらしずえのどうでもいい話を聞き、のんびりお金の振り込みの電話を受け取り、欲しかった色の花が咲いてるのを見つけてぱっちり目が覚める、そういうゲームなんですよ。たぶん。娘は小学生、私も小学生、きっとあなたも小学生。手紙を出して友達と待ち合わせして、今日もちょうちょを追いかけ回そう。島はいいぞ。島はいいぞ。

そういいながら、今日はエイブルシスターズで試着室を出たり入ったり、「めんどくせぇなこのやろう!」と毒づきながらパイン柄の帽子を全色買い占めました。大人、汚いですね!

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