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髪を切るために向き合った自己肯定感

年末に髪を切りました。35cmくらい、ばっさりと。
人生で初めて、ショートカットというものになりました。

切ろうかなと思ったのはちょっとした気まぐれで。
2020年、面白いことがあまりになくて、これは人生で一度もやったことないことを何かするくらいしか変化がつかないなと思ったのがひとつ。
最近宝塚をよく観るようになって、どんな顔でも男役さんはみんなショートカット(にせざるを得ない)のを見て、私も似合うショートが存在するのでは?と思ったのがひとつ。

それでも、ほんとに切る??と迷う気持ちも大きくて。
子供の頃からロングの期間が長く、短くてもボブまでにしかしたことがなかったから、ショートの自分が想像できなくてこわかったです。
それに、面長でパーツが小ぶりだからショートは似合わないはずなんだよね……というところまで考えて、ひとつ気付いたことがありました。

「面長だからショートが似合わない」というのは、子供の頃の刷り込みというか、誰かが言っていたことをうのみにした思い込みなんじゃない?

そしてその気持ちをもう少し掘り下げた時、
「ショートにしたら女の子だと思ってもらえない」みたいな気持ちがひっそり深く根をはっているのを見つけてしまったんです。

昔のnoteでも書いたのですが、小さい頃に大人からかけられた何気ない色んな言葉から、自分に対して「かわいい」を全否定してきたところがあります。
そこには、私はかわいくない=「女の子らしい」部分を残しておかないと性別を否定されるのでは?みたいな恐怖が同居していました。
ひらひらのレースやピンクのお洋服が全然好みではなかったものの、髪が長いことにはずっとこだわりを持っていたのは、思い込みによる「似合わない」以上に、見た目としてのジェンダーみたいなものを「誰かに」「言葉で」否定されたらどうしようという、実現してないしするかも分からない予測による恐怖があったからです。

田舎の遠い親戚とか、こわいんですよ(笑
子供には何を言ってもいいと思ってるし相手がどう思うかなんて考えないから、平気で傷つくことを悪気なく言います。
そういうの、今でも忘れられないんですよね。もういない親戚なのに。
親戚じゃなくても周りの誰かに(例えば忌憚なきご意見をおっしゃるのがコミュニケーションだと思ってる会社のおじさまたちとか)言われたら、立ち直れないんじゃないか、みたいな気持ちがあります。
(この想像自体が、相手に対する思い込みで、失礼ですね。苦笑)

でもこの気持ちに気付いた時、「あーこれは、私の女性性みたいなものとの戦いだ」って思ったんです。
今、やりたいと思った時にやってみて、かつ私はそれでも自分のことを女性だと思ってるし、それを他人がどう言おうと私の好きにする!って思えないと、この先ずっと他人の悪意のないひどい言葉の想像におびえることになるなって。

だったら、切っちゃおう。
今ならマスクだし、髪なんてまた伸びるし。
切ってみて、その後のことはその後の私が向き合えばいい。
そう思えたから、思いっきり、ばっさり切ってやりました!(どや

結果、何が起きたか。
「誰にも、何も言われなかった」

↑結局、そういうことなんです。
私の恐怖なんて、勝手に私が作った妄想なんです。うん。知ってた。
でも、知ってることと分かってることは違うから。体感して実感して、初めて私の一部になってくれるところがあるのです。

さすがに30cm以上切ったので、職場では会う人会う人に驚かれましたが、私がこわがってたことなんて何も起きなかったという喜びと、そのほかに4ついい発見がありました。

ひとつは、絶対にお世辞を言わない女性の先輩に「さらちゃんそっち(ショート)の方がいいよ」と言われたこと。
女性特有の「髪切ったんだ?かわいいーー!」(ほんとは似合ってない)が私は大嫌いなのですが、その先輩はダメなものは絶対にいいって言わないことを過去の言動から知っていたので、他人目線で私のショートカットがさほど問題ないということが分かったこと。

それに付随して、あぁやっぱり私は他人の評価がないと自分に自信が持てないんだなと気付いたこと。

初めてのショートカットが見慣れず、自分では「似合わないかも?」ってなっていたことから、「慣れない」「習慣にない」は「悪」だと判断してしまう、習慣に対する一般的な反応・認識を自分で体感できたこと。
(これはアレクサンダー・テクニーク教師としての私に、役に立ちます)

それから、会社のおじさまたちが誰も「お!なんだ失恋かー!?」みたいな言葉をかけてこなかったことです。
若い頃、少し髪を切るといつも年上の男性に「失恋か!?」と言われた記憶があるのですが、ついに時代が変化してきたな!セクハラみたいなものへの認識が変わってきたな!という嬉しい発見でした(笑
(単に私がそういう年齢じゃなくなっただけかもしれませんが)

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髪を切るまでの過程で、改めて自分に対するジェンダーの認識とか、人からどう見られるかの不安と向き合ってみて、別に髪を切るくらい大したことではないはずなのに、それに付随する思い込みが私の判断をくもらせていることを思い知りました。

結局他の色んなことも、自分と和解できていないがために自分に禁止していたり逃げていたりすることがあるのでしょう。
これからもひとつひとつ、見つけては仲直りし、見つけては対話し、アップデートしていく人生なんだなと思っています。
そしてその先には、自由しかないから、楽しみなんだと思います^^

#note  #コラム #ジェンダー #女の子 #自己肯定感

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