教育虐待と親の狂気

殺人は絶対悪ですが、少し同情してしまいますね。そして、受験生父母がドキッとする事件でもあります。(自戒も込めて)

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「教育虐待」って親の「狂気」の行き着く先ですからね。

中学受験は親の占めるウエイトが大学受験とは比較にならないぐらい大きいので、いつ自分の熱意と愛情が暴走して「教育虐待」の暗黒面に堕ちるかわからない負の面もあります。親子タッグの中学受験は、そんなギリギリのバランスの上に成立している危なっかしいものだと常に自覚しておかねばなりません。中学受験には浪人がない(時期限定)ので、それが安全弁になっているというのはあると思います。

中学受験の裾野が広がり、校舎によっては低学年から受け入れ停止が常態化する等すっかりバブルの様相を呈していますが、そうした覚悟がないまま周囲の雰囲気に流されてファッション感覚で参入する家庭が増えると親子の悲しい衝突も増えてしまうのではと危惧しております。

中学受験がバブった時代はこれまでも何度かあって、私が経験した時期はまさにバブル真っ只中でした。但し、今と違って中学受験の裾野は狭く、少し嫌な言い方ですが高学歴の夫をゲットした専業主婦の一部界隈だけで熱狂的に流行ってたマイナー競技でした。現在の中学受験がダービースタリオンだとすれば、当時のそれは専業主婦による子供を使ったポケモンバトル。

当時は勉強中にウトウトしている子供を母親がコンパスで刺すなんて日常茶飯事。中学受験生のコンパスを調べたら、半分ぐらいはルミノール反応が出たのでは。我が家はコンパス刺しこそありませんでしたが、掃除機でよく殴られました。「教育虐待」そのものだと思います。みんな感覚が麻痺してた。現在なら児童相談所が飛んでくるような事案で溢れてた。

母親の「狂気」は自分の子供だけでなく、他人の子供にも向かいます。私は四年生からSAPIXに通学していましたが、同時並行で四谷大塚の日曜テストも受けていたんですね。四谷大塚は日曜に毎週テストがあって、その答案と成績資料が水曜か木曜に郵送で届くのですが、同じ社宅のママが我が家の郵便受けを勝手に開けて封筒を破って中の成績表を見ていました。

封筒の糊付けが変だったのでおかしいと思っていたら予感的中ですよ。現行犯で現場を押さえたら白々しく「あー間違えちゃった」だって。ポストの形が同じだから毎週間違えちゃうよね、にんげんだもの。ママたちの教育熱が暴走して、もう何でもアリ、モラルハザードの時代でした。

私の中学受験へのモチベーションは、この腐った大人どもを「結果」で全員黙らせること。後ろ向きの感情で戦う悲しきポケモン。偏差値表しか見てないので、中学校への憧れなんてない。開成も筑駒も入試日が初訪問だったし、直前まで「ちくこま」だと思ってた。決めるのは親で子供に選択権などない。だって私はポケモンだから。これは母親たちの代理戦争だから。

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カリキュラムが現在ほどシステマチックにまとまってなくて効率的に勉強する術がなく根性だけでやっていた時代の笑い話です。

現在の中学受験バブルは裾野の拡大と共働きの増加もあり、総狂気量は増えたものの母親一人当たりの狂気は減少した印象。その狂気が向かうベクトルも以前のような暴力や虐待ではなく「課金」に向かっていますね。親世代が共働き中心になり可処分所得が増えたこと、少子化で兄弟が少なくなって子供一人にかけられる時間と金銭が増えたことあたりが原因でしょうか。

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「課金」だけで済んでいる家庭は健全・・・なのかも。


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