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ユーザー企業から見た、SAPのデメリットとは?

前回の投稿では、SAPとは何か?なぜSAPが好まれるのか?について解説しました。
SAPは世界No1のERPシステムです。もちろん選ばれるだけの優れた点がたくさんあります。
そんな中、今回はあえてデメリットについてお話したいと思います。
ダメな点も知ってこそ初めてSAPを理解したと言えるのではないしょうか。
私は別にSAPからお金をもらっている訳でもないので、ネガティブなことも含め私の経験を正直にお伝えします。

SAPとは何か?またSAPのメリットについて知りたい方はまずこちらをご覧下さい。

では、早速。SAPのデメリット3選はこちら。

1.とにかく高すぎ!

SAP導入を企業が躊躇してしまう最たる理由はなんと言ってもコストの高さでしょう。ほんと高い。。。
導入にかかるコストはざっくりこんな感じ。
1.SAP製品の購入費用
2.コンサルタント費用
3.保守料
4.オンプレの場合はサーバー費用も

どれもERPを導入するならば必ず必要になるコストなのですが、SAPはその単価が他のERPシステムに比べて非常に高額です。

特に2つ目のコンサルタント費用については、月当たり300万円超/人なんてよくある話です。
さらに、SAPは機能ごとにモジュールと呼ばれる区分けがされていて、1モジュールにつき1コンサルタントが必要な場合が多いんです。
つまり、SAP導入には最低でも数名の高単価なコンサルタントを雇う必要があるということです。導入に掛かる人件費だけで半端ないですね。。。

2.設定が複雑!!

2つ目のデメリットは設定が複雑すぎること。初心者は手も足もでません。
裏を返せば、カスタマイズをしなくても色々なことができる優れたシステムということなのでしょうけど、まずシステムが動くようになるまでに準備しなければならないことが多すぎ。
また、細かな業務の流れを制御するためのパラメーター類もたくさん用意されています。どこにどの設定があって、どういう組み合わせが必要なのか、まるでパズルのようです。
挙句の果てには、そのパズルを解くための解説書は英語のものばかりだし、SAPの専門用語で書かれています。
解説所すら私には暗号に見えてしまう程です。
だからこそSAPを理解しているコンサルタントは重宝されるんでしょうね。コンサルタントなしでの導入はほぼ不可能と言ってもいいでしょう。

3.人材不足!!!

SAPのデメリット3選、最後の一つはSAPコンサルタントの人材不足です。

コンサルの人材が不足している理由は色々ありますが、独学で学ぶハードルが高すぎるというのが一番の理由ではないでしょうか。
勉強するための教材をSAP社から購入しようとすると、1モジュール60万以上掛かったりします。個人では手が出せない金額です。

また、少し前のことになりますが、こんなニュースがありました。

SAP社が5,000人以上のフリーランスを確保するというニュースです。

「2025年問題」とは、現行の「SAP ERP」の標準サポートが2025年までに切れるので、今SAPを使っている全ての企業は否が応でも「S/4HANA」への切り替えを実施しなければならないという問題のことです。
*現時点ではサポート期間が2025年から2030年まで延長されており、「2030年問題」と呼ばれています。

要は「2025年問題」が原因で、SAPのコンサルタント不足がより一層深刻化しているということですね。

先ほどもお話した通り、SAPの導入にコンサルタントは必須です。
2025年に向けて世界中の企業が一斉にSAP導入プロジェクトを始めるとなると、ユーザー企業たちはSAPプロジェクト失敗のリスク削減のため、優秀な人材確保が急がれます。今以上に高額なコンサル費用を払わなければ優秀なコンサルは雇えなくなるでしょう。

以上、SAPのデメリット3選でした。いかがでしたでしょうか?
SAPは世界中の企業から選ばれている一方で、コスト高・設定の難しさ・人材不足などの問題も抱えているのです。

これからSAPを学ばれる方には是非メリット・デメリットの両方を理解して頂きたいと思い、今回あえてSAPのデメリットを紹介させて頂きました。
少しでもみなさんの学びの手助けになれば幸いです。

次回投稿では、上記のデメリットを利用して実はかなり甘い汁を吸っている人たちがいるので、彼らの職業についてお伝えできればと思います。
ご興味がある方はフォローよろしくお願いします。

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