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それはとても晴れた日で

それは晴れた日で
空を見上げたら 雲一つなくて
高く高く高く 高く
果てを知らない蒼が
一面に広がっていて

それは雨の日で
色とりどりの傘が 道を埋めていた
傘をささないのは誰かというように
すれ違う人すれ違う人みんな
視線だけ 叩き付けて

すれ違う
通りすがる
行き違う
生きているうちに何度
あるんだろう

手のひらを広げてみたら
少し汗ばんでいて
霧雨はその姿も残さず
形も残さずに 手のひらを
濡らしてゆく
ばかりで

それは晴れた日で
それは雨の日で

横断歩道の向こう側から
誰かの呼ぶ声がした

それは晴れた日で
それは雨の日で

両手を 空に
思い切り広げた 日 で

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