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マーケティングは、サイエンス(科学)でアート(芸術)である

マーケティングとは何か、をあたらめて考えた時に、この言葉に出会った。

“Marketing management is the art and science of choosing target markets and getting, keeping and growing customers through creating, delivering, and communicating superior customer value.”  - PHILIP KOTLER 
マーケティング(を管理するということ)は、ターゲットとなる市場を選択し、優れた顧客価値を創造、提供、コミュニケーションをとることで顧客を獲得し、維持、成長させるためのアート(芸術)とサイエンス(科学)である。

近代マーケティングの父、フィリップ・コトラーの言葉だ。

そして、彼は「What is Marketing? / マーケティングって何?」という質問に対しても、こんな風にも答えている。

"Marketing is the science and art of exploring, creating, and delivering value to satisfy the needs of a target market at a profit. Marketing identifies unfulfilled needs and desires. It defines, measures and quantifies the size of the identified market and the profit potential. It pinpoints which segments the company is capable of serving best and it designs and promotes the appropriate products and services."  - PHILIP KOTLER 
マーケティングとは、利益がでるターゲットのニーズを満たす価値を探索、創造、および提供するサイエンス(科学)とアート(芸術)です。
マーケティングは、まだ満たされていないニーズと欲求を特定するのです。そして、特定した市場の規模と潜在的な利益を定義、測定、定量化します。
それにより、会社が最良のサービスを提供できるセグメントを特定して、適切な製品とサービスを設計・促進するのです。

私は、いわゆるコトラー信者ではなかったため、彼の本を読み得た知識からそれっぽい言葉を振りかざすタイプのマーケターを嫌煙してきたところが少なからずとしてある。

なので、最先端をいっているプロフェッショナルのマーケターからしたら、すでにマーケティング4.0がでている2020年、今更だと思うかもしれないが、私にとっては、今、このタイミングだからこそ、彼の言葉にとても納得感がある。

改めて調べてみると、日本で「コトラーのマーケティング3.0 ソーシャルメディア時代の新法則」が発売されたのは、2010年秋のこと。

いつも新しい概念は海外からやってきて、日本は「それは海外だから成り立つんだよ」と様子見をしているように思えるが(マーケティングに限ったことではないが)、今、マーケットは着実に価値主導になっているように感じる。そして、コロナ禍になって、より「価値」というものの重要性に着目が集まり、再定義、見直しがされているとも思える。

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マーケティング3.0
顧客満足、商品差別化は当たり前になり、「どんな会社が」「どんな社会をつくるために」「どんなストーリーで作られているのか」といった社会性視点が加わり、人間の「精神」部分に訴える考えが重視される。

その背景には、
・ 生活環境の変化
・ 消費者の価値観の変化
・ テクノロジーの進化
・ SNSをはじめとするメディアの多角化
・ 社会問題の深刻化(格差、限られた資源、地球規模で取り組まなければならない状態)
がある。

それゆえ、持続可能な開発目標(SDGs)に企業が取り組むのもその活動の一環という見方もできるだろう。

人間の「精神」部分に近づいた手法だからこそ、

マーケティングは、サイエンス(科学)でアート(芸術)である 

と言えると私は思うのだ。

サイエンス(科学):「属人的でなく、他の人でも再現可能、規則性があり、答えが決まっている」
アート(芸術):「属人的で、再現性がなく、規則性がなく、答えがない」

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オフラインデータ(来店履歴、顧客情報)とオンラインデータ(ウェブ解析、ビックデータ)や、数値を中心とした過去データからの推移分析、予測等、傾向が定量的につかめる部分はサイエンス(科学)であり、アイディアや発想、クリエイティブスキルが発揮されるサービス開発やキャッチコピー、プロモーションでの見せ方などは、アート(芸術)に相当すると私は考える。

マーケターは、1からすべてを考え、発想、創造する、いわゆる独創的なアーティスト(芸術家)が求められているのではなく、すでに存在しているマーケティングという理論や分析といったノウハウから学び、戦略を立てることができる。消費者を知るためのデータも身の回りにたくさんある。そのデータを分析することで得られる情報から、新サービスを生み出すこともできる。

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マーケティングは、サイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である
とも言えると思う。 

簡単に得られる・学ぶことができない部分 = その人の独自性が求められる = ようは、正解がないから、やってみなくちゃわからない!のは、発想などのアイディア、アート(芸術)部分だけなんだと思うのだ。

そここそが、人の精神・価値主導と直結する。

どれだけ人を想えるのか
どれだけ社会を想えるのか
どれだけ世界を想えるのか

そんな想いがきっと世界を変えていく
そんなサービスが売れていく時代に私たちはいる

マーケティングは、サイエンス(科学)でアート(芸術)である

テクノロジーが進化した時代だからこそ、スピード感を持って、サイエンス(科学)×アート(芸術)の価値が光っていくことだろう。

世界をよりよくするサービスを生み出していきたい。

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