「繊細な気質」を自分への諦めに使わず、自分を好きになるために使いたい
「感受性が豊か」
「細かな変化に気づく」
今やさまざまな情報が発信されている繊細な「HSP気質」の特徴の一つにそう書かれてある。
「確かにそうだな」と思う人もいるだろうし、「誰にでも当てはまる」と思う人もいるだろう。
ほとんどの要素が当てはまる側のわたしにとっては「確かにそうだな……!」と深く共感するわけだけど、真相は個人的にはどちらでもいいと思う。
HSPに限らず、その情報を得てどう思うかは個人の自由だし、みんな違ってみんないいと思うからだ。
大切なのは、自分がその情報から「どんな影響を受けたのか」や「何を学ぶのか」かなど「自分にとって何なのか?」と、情報と自分に向き合うことかなと思っている。
ということで、HSPの特徴でもある「感受性豊か」「細かな変化に気づく」で、最近感じた良い面や陥りやすい悪い面を実体験から表してみよう。(前置き長くなったな)
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わたしはおそらく、HSP気質と言われる部類に入る。
31年間生きてきてよく思うのが「感受性豊かで良かったなー」と思うとき、「うぅ……しんどいなぁ」と思うときが交互でやってくる、という事実だ。
良いと感じるときあれば、そうでないと感じざるを得ないときもある。
たとえば、今日は空が綺麗だなぁと思って感動するときや、季節の変わり目には外の空気の匂いがちょっと違ったなと思うとき。些細だけど、すごくしあわせに感じる。
季節の変わり目に感じる独特の匂いは、その匂いを感じた瞬間の一緒のときのこと……通学路の帰り道を思い出したり、会社の通勤時の空気、旅先の空気の感じなど思い出したりする。
空気の匂いに紐づいてある、過去の思い出とかあの時に思ってたこと・感じたこと、喜怒哀楽などを思い出して胸がいっぱいになり、なんとも言えない幸福や切なさなどを感じるのである。
……と言語化するのは難しいけど、こういうことを話しても「わかる!」と言う人もあれば「わからない」「そんなに深く考えない」などと言われることがある。(ちなみに非HSPの主人に伝えても、「よくわからない」って返されるので、この部類の感想はあまり共有しない笑)
ふとした小さな刺激に、しあわせだな、懐かしいなぁ、など、ふわっと過去に一瞬遡るような感じで心が癒される。
反面、紐づいた記憶がしんどいことなら、ちょっとメンタルをするときつくなることがある。
……と、このように感受性が豊かであると言うことは、良くも悪くも感じることが倍になると思うのだ。
うれしかった、楽しかったなどのプラスの感情も倍に感じる。
一方、「あれで大丈夫かな」「これで本当によかったのかな」ど不安や心配などのネガティブも倍に感じやすい。
プラスの感情なら、そのまま人に共有したらお互いに良き感情が連鎖するからいいと思う。
問題は、そうでない感情が増長されるときである。
たとえば、心配事や細かく気になったことなども共有しすぎると、「細かいと思われているんじゃないか」とか「面倒だなと思われているんじゃないか」などと気になり、無意識に思考グルグルとして、考えすぎてしまう。
なので、それらの感情が出ても「あえて人には共有しない」もしくは「あまり気にしていないと言う風な空気を出す」と言うことも長年の経験で身に付けた。
なるべく「普通」に見えるように、かつ相手に気を遣わせないようにしなきゃ……みたいな謎の言動を無意識に発動させている。そういう人も多いのではないだろうか。
それらの細かな神経や考えが、繊細気質の人がよく感じる「生きづらさ」や「疲れやすさ」につながりやすいのかなって思う。
確かに、人に会うと楽しくても数日はグッタリするし、慢性的に疲れを感じやすいのは神経が常に張っているからなのだと思う。
会社員時代、家に帰るとしばらく何もできないし、心配ごとや不安があると休日もそれらの要因に振り回される。
なので、普段から意図的に疲れやすさや傷つきやすさにいかに事前対処をしていくか?が重要だと感じる。
わたしの場合は、プライベートな面で何か感情を共有したいとき、なるべく分かち合えそうな人のみに共有する。共感できる人が1人でもいると、心は癒されるし思考も深まる。相手も深い思考であれば気づくことも多いし、何よりホッとする。
また、その豊かな感性は音楽や絵を描くこと、文章を書くことなどで表現するといいのだろうな、と個人的に思う。
個人的な独断と偏見だけど、HSP気質は芸術方面に発揮されると、実はすごいのでは?って思う。「感性が活かされる活動」で、長年の自分が癒されたりする人も多いのでは、とまわりを見ていても思う。
今こうして書いている文章も、半分自己満足で自己完結だからしあわせである。常に誰かから評価されたり比べられたり、利用されたりする現実社会からスルッと抜け出せる。白紙から思考を自由にまとめられたことに、自分のなかで意味を感じるし、創作の時間自体が楽しく癒しなのである。
また仕事の場であれば、丁寧さが活かされるし、不安に感じやすい面は、ミス防止や発見に活かされる。
わたしの場合、派遣で職場を転々としていたが必ず去り際に言われた言葉が「いつも丁寧な処理・正確で助かりました」などだ。
HSPを知らないときは「……やはり、仕事が遅いということ?」「それ以外ないのだろうな、自分は」などと勝手に落ち込んでいたりした。
新入社員時代、スピーディーで臨機応変に行動しないといけない電話対応メインの事務をしていたとき、向いていなさすぎて先輩にいじめられていたり、人事異動になった。(以下の記事に当時の黒歴史の様子あり)
気質が活かされない、向いていない環境にいると人は誰でもポンコツになるのだと体感して気づいた。「石の上にも3年」という言葉を間に受けて、努力してがんばって5年いたけれど……やはり苦手は苦手であまり上達しなかった。むしろレクチャーした新入社員のほうが上手だった。
このときに、もう少し自分の気質と向き合えて、知れていたらなと思った。
しかし、そんな向いていない仕事の中でも、その当時に電話先のお客さんから言われていたのは「丁寧な説明で、よくわかりました」「事前に知らせてくださり、ありがとうございます」などだ。その時はスルーしていたけど。
数年後、毎回同じようなことを言われるのは、自分の強みなのだと認識してラクになった。
書類や情報を丁寧にまとめたりする場面でも「わかりやすい、助かる!」言われたことや、ミス発見や先のリスクの予測がつくのでそれとなく失敗を潰す感じるように、前もって相談したり聞いたりして相手に気づかせることができた。
「そういえば、あの件って大丈夫ですかね?」「この表の数字って、〇〇ですか?」……など、それとなく相手に気づかせるってことができるのである。
すると、「よく気づいたね、ありがとう!」などと予想以上に感謝されたり、失敗リスクを防げたりした場面は数えきれないほどある。
また、この「丁寧」や「細かい部分が気になる」などの気質をライター業に活かしてみたところ、予想以上に自分には向いているなと気づいた仕事だったため、わたしは会社員から離れてフリーランスになった。
「感受性豊か」「細かな変化に気づく」
そんなHSP気質の方には、悪いことじゃなくていいこともあるよって言うことを伝えたい。
確かに疲れやすいし「この気質なんてなければ、自分はもっとラクなのでは?」なんて思う日も正直何度もある。けど、それがなくなると同時に自分の良さも少し薄まりそうな気がする。
自分の個性の1つだな、とありがたく受け止めて「ならどうすればいいのか?」と向き合って「自分ならではの最適解」を作っていくといいと思う。
そのあなたの気質が活かされる環境や仕事、助けられている人は必ずいるよ、ということを頭に入れるだけでも希望になる。
「HSPの情報」を、自分の諦めや妥協に感じたり使ったりするのではなく「一生付き合う気質だからこそ、プラス活かすには?対策するには?」と少しでも目を向けられたのなら、ラクになるのかなと思う。
自分の気質を活かせる環境を自覚したり、自分作ったりできると、それだけで人から喜ばれる機会もウソのように増えるため、自分を好きになることにつながるよねって。
最後までお読みいただき嬉しいです♪ありがとうございます!これからも心を込めて執筆していきます。