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「女性社長」やめます

私が今役員をしている山陽不動産は1969年に私の祖母が創業し、現在は私の母が社長を務める会社です。

祖母が創業したきっかけは夫が病気になり仕事が出来なくなり、一家を支えるために働くことになった祖母。

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働きに出ようと思って調べても
当時女性の賃金は低く…高額な医療費が必要で、、、。
そこで祖母は色々調べて男性でも女性でも同じ仕事をして同じ国が定めた法定手数料をもらえる不動産業に目をつけて起業。
当時はまだ男女差別も酷くて女性が起業するなんて世間的にも色々なことを言われたり、女性というだけで取引をさせてもらえなかったり…
最初はお店も借りれず、軒先を借りて黒板に椅子からスタートしその後、店舗を構えました。

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大変だった?と聞いても
祖母は、本当に自分は介護と子育てもあって周りの男性経営者に比べて出来ないことは多かったけど、何を言われてもとにかくやる!っていう気持ちと周りに助けてもらって感謝しかないと。

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夫を介護しながら仕事をこなしていました。


『親子3代、代々女性社長の山陽不動産』の始まり。

そこに私の母が結婚後、1975年より祖母を手伝うようになり・・・

2004年には私が福山にUターンして帰ってきて、手伝うようになりました。

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まさか、この3人が

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同じ会社の経営者として一緒に働くことになるとは・・・

ただ、私は祖母や母に「いつの日か山陽不動産を継いでほしい」なんて言われたことはありません。神奈川からこの福山に帰ってくるのも私が決めたことで逆に「継いであげる!」くらいの気持ちでしたが

まさかの母から反対・・・「継がせない」と・・・

そこから6畳1間、オシメも買えないまさかの地元福山での極貧生活が始まったわけです、、。

その詳しい話の取材記事はこちらをご覧ください。

『親子3代、代々女性社長の山陽不動産』と言い始めたきっかけは?

私が福山に帰ってきた当時は上記の記事のように母も私を歓迎していたわけではなくそのまま廃業していく予定の会社でしたが、私が福山に帰ってきて主人と一緒に仕事をするようになり、会社も徐々に経営も上向いてきて、2013年1月山陽不動産をより多くの人に知ってもらう為に・・・とプロジェクトを始めるようになり、私たちは当たり前に思っていた親子3代の経営、そしてたまたま全員が女性が社長ということで『親子3代、代々女性社長の山陽不動産』というキャッチコピーで広告をするようになりました。

『親子3代、代々女性社長の山陽不動産』というキャッチコピーで得たもの失ったもの

『親子3代、代々女性社長の山陽不動産』というキャッチコピーで会社をPRするようになったころ、世の中では女性活躍など言われ始めていて女性でもキャリアを積んで役員に・・・仕事、子育ての両立を頑張っている女性を応援という流れがあり、なんだか自分が思い描いている「女性活躍」とのギャップに違和感を感じながらも、当時は女性が頑張って仕事や育児をしていることを少しでも知ってもらうことで世の中は変わっていくのでは・・・という想いもありました。

実際、会社には「女性社長だから相談したい」「女性社長に頑張ってもらいたいからお願いしたい」というお客様が増え、会社としては売り上げを伸ばしていくようになりました。

ただ、逆に「不動産という高い買い物を女性に任せたくない」とか何かご批判があった際に「女性だから・・・」と言われることもありました。

ただ、それは自分が『親子3代、代々女性社長の山陽不動産』というキャッチコピーを出している以上仕方のないこと考え前向きに出来ることをコツコツとやってきました。

女性活躍っていう言葉への違和感

以前にも記事を書いていましたが・・・

ただやはり、私も母も祖母も「いわゆる女性活躍」を目指して仕事をしてきたわけでもなく、3人が口をそろえて常々言っているのはやるべきことをコツコツとやってきただけ。そしてそれは自分の力ではなく「周りの人に支えられてここまでやってこられた」。それは男性でもあり女性でもあります。女性社長だからといって一緒に仕事をする人が女性ばかりではありません。むしろ男性社員の方が多く、一緒に働く人が男性、女性ではなくそれぞれが出来ることを頑張って仕事をする。その会社の経営者がたまたま女性だっただけ。

女性社長として何かを変えたいとか思って経営しているわけではなく、逆にみなさんに支えられて会社が成り立っているのに『親子3代、代々女性社長の山陽不動産』というキャッチコピーを使い続けることに違和感を感じるようになりました。

男性経営者やお客様見たら、弊社はもしかしたら女性経営者だから・・・と思われることもあるかもしれません。

でも私たち山陽不動産はそれを意識して行っているわけではなく、自分たちが最適だと思う働き方を柔軟に対応し、それぞれが挑戦できる環境を整え、出来ることを出来る人がやるという考えで仕事をやっているだけなので『親子3代、代々女性社長の山陽不動産』というキャッチコピーはやはり合わないことに気付きました。

先日高校生が集まる機会があったので高校生たちに意見を聞いてみたらやはり同じく「女性社長ではなく社長でよくないですか?何故女性ってつけるんですか?」と言われました。

その詳しい記事はこちら↓

確かに私たちは「女性社長」を目指していたわけでも「女性社長」に誇りをもっているわけではない。

私たち親子3人は、結婚、妊娠、出産、更に介護もしながら経営者としての道を生きていますが、「女性社長」ではなく「社長」として生きているし「社長」としての経営者が3代続いていることに誇りをもっている。

「女性」はいらない。

私たちが「女性社長」ということで女性が社長となることは「女性社長」と思われたくない。

「男性社長」ではない「社長」

「女性社長」ではなく「社長」

そこに性別は必要ない。女性経営者でプラスに思っていただけることがあればそれは「仕事」で感じていただけたら嬉しいです。

ということで、

「女性社長やめます」

ようやく言えた!!あーーすっきり!!

私は「女性社長」ではなく「社長」でいたかったんだ。

またこの続編は書いていこうと思います。是非フォローお願いします。

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