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【70球目】IPO

IPO=新規上場のことです。

三陽工業は数年前、IPOすると決意をしました。
その為に先代にも引退して頂き、新しい会社づくりを進めてきました。
そして、2020年のコロナ禍において一旦その動きをストップしました。
理由はシンプルです。先が見えなかったから
今日は、このIPOについて詳しくお話をしていきます。

何のためにIPOするのか

最近も、これを聞かれました。

なぜ、IPOを目指すのですか?

私は、
インナーブランディングの為です。
三陽工業で働いている社員が当社で働いていることに誇りを持ち、この会社で働いていて良かったと思ってもらう為です。

こう答えています。

知名度上昇採用・営業への貢献資金調達など、様々なメリットと言われていることがあります。
三陽工業のIPOの目的は、その1点です。
資金調達は、間接の方が随分とコストが安い時代ですからね。

IPOをしようと決めた時に最初にやった事は、IPOした人に話を聞くことでした。高校の野球部の先輩の縁もあって、IPOを実際に行った人と話す機会を頂きました。

そのうちの1人の言葉をよく覚えています。

IPOに過度な期待をしない方がいい。

知名度が上がると言っても、それは投資家の間での話で一般的な知名度は上がらない採用や営業についてもIPOする前とした後で、そんなに違いがあるとは思えない

そんな話をして頂いたことをよく覚えています。

生の声ですから、その通りなのでしょう。

IPO停止

2020年の意思決定の中で最も悩んだものの1つです。

2020年3月から三陽工業は直前期に入っていました。本来のペースでは現在は申請期です。直前期になって止めてしまうのか。その葛藤は凄かった。様々な準備をしてきました。証券会社監査法人コンサルと共に準備をしてきました。

それを止める。

リーマンショック後の10数年間で、意思決定のほとんどが前へ進むことでした。事業所の撤退もいくつかありましたが、目に見えている根拠がそこにはありました。

今回はそうではない。

どれくらい悩んだでしょうか。

その根底には、自分がIPOすると決めたのだから、自分で止める時も自分で決断をしないといけないという想いです。なので誰にも相談していません。

久しぶりに、というより、初めてに近いかもしれません。
あの精神状態は。

そんな状況を経て、今はIPOよりも大切なものがある
そんな結論に至りました。

結果、2020年41期が始まってまもなく、IPOへの準備は一旦停止しました。しかし、それまでに出来ていた仕組はそのまま継続です。
監査法人との契約も継続、証券会社もしかり、いつでも再開できる状態のまま、停止ということにしました。

今後どうするのか

現在、42期が進行中です。

この42期の予算はコロナ前の40期の予算を上回る設定です。
この予算達成が、IPO再開の条件だと考えています。

もちろん、達成=再開、未達成=再開せずという単純なことではありません。達成しても再開せずとなるかもしれませんし、未達成でも再開という流れになるかもしれません。

総合的な判断にはなりますが、1つの基準が今期の予算達成です。

昨年1年間で、一旦はIPO準備という鎧を横に置きました。

やることやルールは、さほど変わっていません。

私の考え方は、とても変化をしました。
今までは、IPOの優先順位が高かった
IPOの為に・・・という発想を無意識にとっていました。
それくらいIPOすることに夢中だったのかもしれません。

今は、いたって冷静です。

自分自身を、三陽工業を客観視できています。
本当にこの会社がIPOする力があるのか、する必要があるのか、そういったことを考えながら、これからの42期も進んでいきます。

上場企業を目指すこと

これは間違いなく正解でした。
IPO準備というものがツールとなって、会社の仕組みが整ってきた

残念ながら、その準備中に辞めていった人たちもいます。
今のテンションなら残ったかもしれませんが、過去を振り返るのは好きではないので振り返りません。

全ての企業が監査法人の監査を受ければいいのに

そんなことを考えたりもします。そうするともっと税収も上がるでしょうし、世の中が良くなるような気がします。

1度目のチャレンジは、まさにやったことがないことをやってみようでした。

分からないことばかりの中で手探りで不安で、でも突っ走ってやってきました。きっと2回目のチャレンジはもっと余裕を持って、分かることも多くて、でも突っ走っていくのだと思います。

あの鐘を5回鳴らす。

その想いは消えていません。
ただ、その価値を、目的を、常に自身に問いかけながら、まずは今期の予算達成を必達していきます。

余談ですが、亡くなった創業者の先々代が、上場企業は良い企業みたいなことを言っていたことをよく思い出します。

本日もありがとうございました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!