【73球目】動くことのリスク<動かないことのリスク
やったことがないことをやってみよう。
会社にある言葉です。
とても大切にしている言葉です。
この言葉を言い続けている言葉の1つは、自分への戒め。
新しいことをやらない方が楽に決まっています。
何も変えずに、変わらずにやっていければ、それはストレスも少なくリスクも少なく見えるかもしれません。
ただ、今の世の中においては
動くことのリスク < 動かないことのリスク
です。間違いなく。
でも、世の中を見渡すと、決してそうなっているとは思いません。
変わらない人、変わらない所は数多くあります。
今日は、そんなことについて書いていきます。
動くことのリスク>動かないことのリスクの時代
こんな時代もありました。下記のグラフをご覧ください。
日本の総人口は、急激に増加して急激に減少しようとしていることが見て取れます。1900年代に入って急激に増加した人口は、大きな戦争を経てもそのスピードを緩めることなく、日本の経済発展の後押しをしました。
人が爆発的に増えている状況では、多くの好循環を生み出します。
人が増える=消費が増える
単純にそうですよね。
そして、そこに経済成長も加わり、多くの工業製品も生まれ、そして売れていきました。
この好循環な状況の中においては、
動くことのリスク>動かないことのリスク
が成り立ちます。
わざわざやったことがないことをやってみるリスクを取らなくても、成功している企業や人の真似をすれば、それが二番煎じであったとしても、それなりの成果が出てくる。
多くの業種が全体として成長しているので、その流れで特別なことをしなくても成長していく。
三陽工業がまさにそうです。
1980年に会社が出来てから、2008年のリーマンショックまでは、
動くことのリスク>動かないことのリスクでやってきました。
それが、それなりの成果に繋がりました。
川崎重工1社ではありますが、その中で人がやらない事、嫌がること、面倒なことをやることによって、固い基盤を作ることができましたし、新しいことをやらないと投資も必要ない訳ですから、動くことのリスクを排除しながら事業活動を行っていたのです。
同業者の中には、多角化経営に乗り出して結果的に、本業もダメになった会社もありました。
平たく言うと、いらんことをしなければそれなりに上手くいった訳です。
人口が増加している時代は
動くことのリスク>動かないことのリスク
これでも上手く行きました。
そして、そういう時代に生まれ育った今の30才以上位(とてもアバウトですが)の世代の中には、この過去の特殊な事例に未だに捉われている人も多いです。
上のグラフの急上昇、見て頂ければ一目瞭然ですよね。
とても特殊で劇的で異常な時代が戦後50~60年間くらいは継続してきた訳です。その時の体験も当然、特殊なものにも関わらず、それに依存してしまっている人も多いのが事実です。
ここでは、書くことができませんが、先日「昭和か!!」と突っ込みたくなるような、企業の考え方を目の当たりにしました。
もう、怒りは通りこして呆れしか出てきません。驚きましたね。
動くことのリスク<動かないことのリスク
人口が劇的に減少している今の時代はどうなのか。
動くことのリスク<動かないことのリスク
なのは明白ですが、外部環境も急激に変化をしています。
コロナ禍はそれを加速させていますが、もしそれが無くても、今の外部環境は急激に変化をするいわゆる乱気流のようなものです。
さっきまで右からの風だったのに、次の瞬間左からになる。
向かい風と思っていたら、追い風になってきた。乱気流です。
もし、三陽工業が変わらない選択をしていたとすれば、
リーマンショックの翌年、718百万だった売上はどれくらいになっているでしょうか。今持っている不動産のほとんどを所有することができていません。
リーマンショック以降に購入したものは、西神戸LC、玉津第二、西河原、サンテック、魚住工場、福岡営業所、佐賀営業所、長野工場、そしてこの本社。
ほとんどがありません。そして、そこでやっている事業もない訳です。
もし、私たちが、動くことのリスク>動かないことのリスクという考えでいたとすれば、今の売上予想は約10億です。
今の明石支店より少し多いくらいです。
そんな世界線もあったのかと考えると、怖くなります。
リーマンショック以降、「動かないこと、変化しないことが最大のリスクである」、そういう考えでやってきました。
今の日本という国には余裕はありません。
昔の特殊な時代のように、全体が良くなるということもありません。
そこそこの努力で、そこそこの成果が出る時代は終了いたしました。
過去に捕らわれて動くリスクを取らないのか、未来を想像して動くリスクを取っていくのか、もちろん選択は自由です。
しかしながら、ここまで環境がスピードを持って変化していくと、自分たちが変化してシンカしていく必要があるのは、誰の目から見ても明らかです。
強い者が生き残るのではない、変化に対応できる者が生き残るのだ。
誰かの言葉です。今の時代には完全にピッタリくる言葉ですね。
経営に失敗しない方法。それは経営をやらないことです。
勝負でもギャンブルでも同じことが言えます。
負けたくなければ最初からやらなければいい。
そして、競争する相手は誰でもない自分自身。
昨日の自分を乗り越えていきます。
本日もありがとうございました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!