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「それが一番の褒め言葉でした」福を呼び込む居酒屋と、あるご夫婦との不思議な出会いとは!?


居酒屋はもちろん、行列ができるキッチンカーとしても人気の『のみ処くい処 七福』さん。
料理人を志したきっかけと、『七福』に纏わる不思議なエピソードなどについて、料理人・代表取締役の横川さんにお聞きしました!




ー 「居酒屋だけでは難しいと思います」


ー 横川さん、よろしくお願いいたします!

よろしくお願いします。

ー 市内のイベントに顔を出すと、必ずと言っていいほど七福さんのキッチンカーをお見かけします。いつもすごい行列で…!

ありがたいことに、並んでいただけるまで成長することができました。

ー 炙り豚丼や唐揚げなど、食べ応えのあるメニューが多いですよね!あの匂いを嗅ぐだけでお腹が空いてしまいます。

そうですね。唐揚げはもともと居酒屋でも人気のメニューだったんですが、豚丼はキッチンカーだけの商品になります。

和風の装飾が目印の七福キッチンカー


ー キッチンカー限定って言われると、食べなきゃ!って気持ちになってしまいます(笑)
七福さんは、居酒屋からスタートされたんですよね。

はい。居酒屋は11年目になります。コロナ禍で居酒屋の営業が難しい時期に、スタッフが働けるようにとキッチンカーを始めました。

ー 今でこそ少しずつ戻って来ているのかもしれませんが、当時はどこもかしこも休業していましたね…

やっぱり飲食業全体がかなり衰退したと思います。予約が全てキャンセルになったりもしましたね。うちはその直前からお弁当を始めていたこともあって、そちらを優先して営業していました。

ー お弁当を始めたというのは知っていましたが小耳に挟んでいましたが、コロナ禍になってからのことじゃなかったんですね。


もちろんお弁当も全て店内仕込み。


そもそもコロナ禍になる前から、このままだと居酒屋だけでは厳しくなってくるのでは?という懸念があったんです。そこでフランチャイズを利用して弁当事業を始めた矢先に…というタイミングでした。

ー たしかに『お酒を飲まない人が増えている』なんて話も聞いたことがあります。

まさにその通りで、若い人で居酒屋に行く人って減っていくと思うんです。それがコロナ禍で宴会需要も無くなったり、より居酒屋だけで続けていくのが難しくなっていると思います。

ー 宴会なんて久しく参加していないので、『宴会が無くても平気』という考え方の人が増えてもおかしくはないですね。

毎日朝早くからお弁当の仕込みが始まります。

ー 踏ん切りがつきました


ー ところで七福さんがオープンして11年目とのことですが、それ以前も飲食のお仕事をしていたんですか?

ずっと飲食で働いていました。高校生の頃には『芽キャベツ』さんでバイトをしていたこともあります(笑)

※芽キャベツ:下妻市の人気イタリア料理店


ー 芽キャベツさんで!居酒屋だけでなく、イタリアンでバイトをしていたこともあるんですね!

高校卒業後はホテルで中華の見習いをしていた事もあります。していたりもしました。一時期は実家で家業を手伝っていたこともあるんですけど、その期間以外は飲食ばっかりですね。

行列の絶えないキッチンカーは、中も外も大忙し。

家は飲食店では無いんですね。どういったお仕事をしていたんですか?

貴金属製造なので、指輪とかを作る仕事ですね。でも人件費を安く抑えるために市場が海外に移っていっていましたし、継いだとしてもこの先長いこと続けるのは難しいんだろうなと…結果として、飲食での独立に踏ん切りがついたタイミングでもあります。

ー 先ほどの弁当事業の話もそうでしたが、横川さんは常に長期的な状況判断でより良い方向へ舵を切っているんですね…!

続けることって難しいですからね。できるだけ続けていけるように考えています。


「コワモテなんですけど…」と自らを語る横川さんですが、とても気さくな方です!


ー 横川さんご自身も飲食の道を『続けて』きていると思いますが、『飲食に興味をもったきっかけ』はどのタイミングだったのでしょうか?やっぱり高校生の頃のバイトとか…?

いえ、小さい頃からの夢だったんです。保育園の卒園アルバムに将来の夢『お刺身屋さん』って書いてあります。多分ですけど、お寿司屋さんと間違えて書いてますね(笑)

ー なるほど!(笑)それにしても保育園から夢が変わらない人ってそんなに多くないと思います。私も『コックさん』とか書いた記憶がありますが…(笑)

小さい頃から飲食に触れる機会が多くて…父親に色んな飲食店に連れて行ってもらったのも覚えていますし、母親が料理教室をやっていたので料理を教わったりしてたんです。

食べ応えのあるメニューがキッチンカーの売り!

ー私にとって一番の褒め言葉でした


ー たしかに、小さい頃に楽しかったことは覚えてます。横川さんにとってそれが『料理』や『飲食』だったんですね。

小学生の頃に教わってアジを三枚おろしにしたり…とにかく料理するのが楽しかったのを覚えてます。

ー 小学生で魚を捌いていたんですか!私含め、大人だって出来ない人がほとんどなのに…

あとは『美味しい』って言われるのが、私にとって一番の褒め言葉だったんですよ。その言葉が嬉しくて、「あれも作ってみよう!これも作ってみよう!」って思えたんですよね。

「料理は好きですけど、もう自分のためには作らなくなっちゃいましたね(笑)」と横川さん


ー やっぱり褒めてもらえると嬉しいですし、じゃあもっとやってみよう!ってなる気持ち、分かります!『美味しい』って言ってもらえるように、どんどん料理の世界にのめり込んでいったんですね。

勉強とかスポーツって成果を披露する機会が限られてますよね。その点料理は毎日でも出来るし、作ってすぐにリアクションをもらえるので…性格に合ってたのかも(笑)

ー よほど『美味しい』って言ってもらうのが好きだったんですね(笑)

そうですね。あとはやっぱり『喜んでもらいたい』っていうのもあります。友達に料理を振る舞ったり、クリスマスにケーキを作ったこともありました。


ー 『誰かのために美味しい料理を作って、喜んでもらいたい』というのが横川さんの原点にあるんですね。

ー 「あなたにとってのパワースポットだから」って言われて…


ー そういえば、お店の名前『七福』って『七福神』から取ってたりするんでしょうか?

そうです。こんな理由もあれですけど…茨城の暴走族と言ったら『毘沙門天』じゃないですか(笑)

ー え!まさかそこから名前を…?(笑)

それだけじゃないですけどね(笑)独立する前に働いていたお店で経験した、とあるご夫婦との出逢いも『七福』の由来になっているんです。
独立する前に働いていたお店での話なんですけど、とあるご夫婦がカウンター席に座ったんです。なので注文は何にしますか?くらいのやりとりをしていて…

ー とあるご夫婦、ですか?

そのご夫婦はお客さんとしてお店に来ていて、私が注文を聞いたりしていたんです。

ー お客さんに注文を聞く、いたって普通のやりとりですよね。

真夏のキッチンカーは車内の温度が50℃を超えてしまうそう…


本当にそれくらいの会話しかしてなかったんですけど…突然、『へー、独立するんだ。大丈夫だと思うよ、うまくいくと思う。』って言われたんですよ。

ー えっ…独立の話はしてないわけですよね…?

話はしてないですが、その時には独立を決めていたので驚きました。それで、『君にとってのパワースポットだから、行ったほうがいいよ』って言われたのが『毘沙門堂』だったんです。

ー 不思議なご夫婦…でも信じてみたくなりますね!

せっかくなのでお参りもしましたし、困った時には行くようにしています。特別な実感は無いですけど、神頼みとかそういう心は大事だと思っています。

ー まさか店名の由来にそんなエピソードがあったとは…そのご夫婦も、横川さんの決意を感じ取っていたのかもしれませんね…!何が起きるかわからないですね…!

あとはほら、私って体つきが恵比寿様みたいじゃないですか(笑)そんなこともあって、友達と話しながら『七福』ってどうかな?って決めちゃった感じですね。

まるで恵比寿様!?な横川さん。


ー そう言われると、横川さんの料理を食べたら縁起が良くなる気がしてきました…!(笑)

今は居酒屋は週末だけの営業ですし、キッチンカー出店がある時はお休みだったりしますが、ぜひ食べにきてください!

ー 居酒屋、キッチンカーと色んな七福さんを楽しめちゃいますね!ちなみに、お弁当はお店で購入できるんですか?

今は法人向けの仕出し弁当のみですが、近いうちに店舗販売も検討しています。あと、実はこの弁当事業は『就労継続支援A型』の事業所としての側面もあるんです。

※就労継続支援A型:障害や難病のある人が雇用契約を結び、一定の支援を受けながら働くことが可能な福祉サービス


ー 『就労継続支援』というと、障害や病気などを理由に一般企業で働くのが難しい人が利用できる福祉サービスですね。

はい。私は福祉のことについては詳しくないので、別の方に担当して頂いています。

ー 居酒屋やキッチンカーだけでなく、福祉事業にも取り組まれていたなんて知りませんでした。
ぜひそちらについてもお話をお聞かせください!


◯次回、担当の熊倉さんを交えて、七福フードサポートさんの福祉事業についてお聞きします!

◯のみ処くい処 七福
〒304-0056 茨城県下妻市長塚325−1
☎︎0296-54-4565
HP:https://shiti-fuku.com/

取材執筆・編集・写真:宮澤
取材月:2022.5

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