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築地の小さなマーケティング会社は2020年をどう乗り越えたか

写真は2020年の年賀状用に撮影したものです。そういや今年はねずみ年でしたね。


2020年も終わってしまいますね。この年は多くの方にとって、忘れられない1年となったのではないでしょうか。

世界中が鎖国状態となり、自宅からは出られないという、誰もが想像していなかったような状況が現実となりました。

多くの人が仕事やプライベートを含めて、なんやかんや対応を迫られた1年となったと思います。

私の会社はITツールを扱っておりまして、領域で言えばデジタルマーケティングに該当する分野なのですが、飲食業や宿泊業の皆さんに比べれば影響は軽微だったと思うものの、そうはいっても翻弄された1年でした。

今回はこの2020年のコロナ禍を、築地にある小さなデジタルマーケティングの会社がどう乗り越えたのかを振り返ってみたいと思います。


2020年前半(1月〜6月)

私の会社はGoogle社が提供している「Gsuite(現:Google Workspace)」とZoho社(インド)が提供している「Zoho」というツールの販売をメイン事業にしています。

こういったITツールを会社に導入するときに、初期の設定を色々お手伝いしたり、操作方法などをレクチャーしたりするのが具体的な業務なのですが、世の中のデジタル化の流れもあり、この数年は徐々に事業が拡大していました。2020年の1月あたりは一定の引き合いを獲得する体制ができつつあり、このまま拡大していきたいなと思っていたところでした。

そんな中、コロナが社会問題として認識されはじめ、私達のビジネスも徐々に影響を受け始めます。

明確な影響が出始めたのが2月下旬ごろ。当時ITツールの導入支援や商談を進めていたクライアントのうち、旅行・飲食などの今回の影響をもろに受ける方々から、次々とプロジェクトの延期や中止を通告されたのです。

うまくいきかけていたプロジェクトが次々と消えていく・・・。

3月の中旬の時点で、クライアントの1/3ほどが中止や休止に追い込まれました。一方、幅広い業種のクライアントを持っていたことが幸いし、2/3はプロジェクトが継続になったことが救いでした。売上は減少したものの、財務的には致命的な状況までには陥らなかったのは運が良かったと思っています。

また、私の会社は創業期に何度か倒産の危機を迎えていて、これらの経験から、業績が好調な時期に内部留保を一定蓄積していたことも要因としては大きかったです。
以前こちらの記事でも書きましたが、お金がなければ打開策を考える余裕もなかったと思います・・・。

やっぱ経営は現金だわ・・・って認識した瞬間でした。


経営者として「何か手を打たねばやばい」と思い、様々な情報を収集しました。そういった中で「今回のコロナ禍でテレワークが進む。行政からの助成金もテレワークを後押しするものが拡充する」という情報を得て、この世の中の流れに社内の全戦力を投下させることにしました。

テーマは「格安ITを活用してテレワーク環境を整えましょう」です。

どちらかというと、ITを活用したマーケティングが私達の本業なのですが、世の中の流れはそれよりもテレワーク環境の構築であろうという感じていて、まずはテレワーク推進に重点を置いた営業活動を行いました。

結果としてこれが奏功し、テレワーク環境充実のニーズを一定獲得することに成功。落ち込んだ売上分を取り戻すことができました。


2020年後半(7月〜12月)

どうにかこうにか、前半を乗り越えた我々でしたが、テレワーク絡みの助成金は永遠に続くわけではないですし、テレワーク環境構築という領域に自社の強みがあるわけでもありません。

今後を見据えたときには、最も強みを持つ本来のデジタルマーケティングの領域で事業で拡大をしていかねばならぬと思っていたのですが、そこで取り組んだのが「社内のチーム制への移行」です。

私の会社は10人弱の少人数であったこともあり、様々なプロジェクトを社員が複雑に絡んで対応していました。

これはこれでクライアントの要望に柔軟に対応ができたり、その時手の空いている社員を割り当てることによって業務負荷を平準化できるというメリットはあったのですが、一方で自分の役割やミッションを見失いがちというデメリットもありました。


かなり悩んだのですが、これを原則的には廃止しました。明確な役割をもたせたチームつくり、全メンバーはそのどこかのチームに属する形にして、チームにはリーダーを配置。メンバーとリーダーの役割の違いもはっきりさせました。


この成果はすぐに出ました。

メンバーは全員自分のミッションを明確に把握できるようになり、「仕事で何をしたら良いのか」「何を目指せばいいのか」を悩むことがかなり減ったように思います。

チームごとに目標が明確になったことで、業績にも良い効果を生みました。2020年の下半期は「テレワーク環境構築の案件」よりも「デジタルマーケティング支援の案件」の数が再び上回るようになり、本来の強みであるプロジェクトを担えるようになってきています。11月頃には問い合わせや受注金額などが、前年より大きく伸びてきました。


一方でデメリットも発生しています。
業務バランスを考慮しつつチーム体制にしたものの、結果的に一部のチームに業務が集中するようになったのです。「チームの役割外の業務は原則しない」ことにしているので、偏りが発生するのは仕方ないのですが、これは来年解決すべき課題かなと思っています・・・。

小さな会社だと、一人の人が複数の業務にまたがってやりがちですが、これでは、なかなか組織は拡大しません。コロナ禍ではありましたが、この組織改編はやってよかったなと思っています。


ちなみに、社内で役割分担をするときに参考したのがこの考え方です。よろしければどうぞ。


まとめ

なんとか2020年を乗り切った我々ですが、業績的にも昨対比を上回る結果を出すことができるようになりました。
ざっと、まとめると下記になります。

①業務内容的にコロナの影響を比較的軽微だった(運がよかった)
②状況を立て直す財務的な余裕があった
③世の中の動きに対応できた
④組織体制を変革した


なんといいますか、①が一番重要だったように感じます・・・。こればっかりは、誰も予想できないですもんね・・・。

2021年もがんばります。

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