5分で理解するビジネス名著「ビジョナリー・カンパニー」
比較的、家の近くに図書館がある関係もあって、よくビジネス書を借りて読んでます。
そういった中で、先日ジム・コリンズさんの著書「ビジョナリー・カンパニー(1995年刊)」を、図書館から借りてきて読みました。
経営理念に基づいた経営を行うことの重要さを解説した名著と言われていますが、全部で468ページという分厚さであることもあり、なかなか手が出せていませんでした。てか、文量多すぎでしょ・・・。
今回、コロナウイルスの影響で図書館が閉鎖になってしまい、借りた本が大幅に延長して読めることになったため、この機会にということでたまたま借りていた「ビジョナリー・カンパニー」を頑張って読んでみました。そして多くの学びを得ました。
その「ビジョナリーカンパニー」を読んだ内容を、簡単にまとめてみたいと思います。
「読もうと思っていたけれど、時間がなくて読めなかった」というひとは、ここで読んだ気になってください笑
題して「5分で理解するビジョナリー・カンパニー」
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ビジョナリー・カンパニーの概要
まず結論として、この本が訴えているのは「何十年もの間、経営者が変わりながらも成長し続ける企業は、優れたビジョン(経営理念)を持ち、それを愚直なまでに実行し続ける組織・文化を持っている」ということです。
この本では、様々な業界や業種の企業を取り上げ、ビジョナリーカンパニーと認定した企業と、そうでない企業の業績の動きや成長度合いなどを徹底的に比較し、ビジョナリーカンパニーと呼ばれる企業が、いかに長年に渡り継続的に成長してきたのかということを事細かく解説しています。
また、ビジョナリー・カンパニーにはいくつもの共通項があり、それらの共通項から多くを学び、自らの会社やチームにビジョンを浸透させていくことの重要性を説いています。
ビジョナリーカンパニーとして挙げられているのは、下記のような企業です。こちらでは一部を紹介しますが、本では全部で18社あります。
■3M
■アメリカン・エキスプレス
■ボーイング
■GE
■ジョンソン&ジョンソン
■マリオット
■ソニー(日本企業唯一)
■ウォルト・ディズニー
この記事が書かれたのは1995年のことであり、その後の環境が大きく変わったことによって、状況が変わってしまった企業もいくつかありますが(モトローラなど)、ここで掲げられた企業の大半は、現在でも一流企業として存在しています。
ビジョナリー・カンパニーの共通項
ビジョナリー・カンパニーにはいくつもの共通項があると書かれていますが、それぞれの特長は下記のとおりです。
①思想と利益のどちらも追求する基本理念を掲げている
ビジョナリー・カンパニーでは、基本理念を掲げているわけですが、それらは「基本的価値観」と「目的」に分かれます。
基本的価値観とは「組織にとっての不可欠かつ不変の主義」であり、時代や環境変化などにとらわれることなく、少々のことでは曲がらないものです。
それぞれの企業で3〜6つのシンプルかつ分かりやすい言葉でまとめられています。
P&Gを例に取ると、
・優れた製品を提供する
・普段の自己改善を進める
・誠実で公正であれ
・個人を尊重し、配慮する
といった形です。
「目的」は企業の根本的な存在理由のことです。これは明文化していない企業も多いのですが、「何のための会社が存在するのか」を明確にしたものです。これもまた、基本的には不変であるとの考え方です。
②基本理念を維持し、進歩を促す仕組みがある
基本理念は掲げただけでは意味がありません。それを会社全体に浸透させるための仕組みが徹底して施されています。このあとに続く③〜⑦がその仕組です。
③大胆な目標を掲げている
GE(ゼネラル・エレクトリック)は「参入した市場でナンバー1かナンバー2になり、当社をしいさな企業のスピードと機敏さを持つ企業に変革する」というという目標を掲げたそうです。
「目標」は明確で説得力があり、進化を促す可能性が高いものであることがポイントです。
④文化がカルト的
こういった企業には、基本理念を徹底的に信奉する文化があります。これらの文化は、そういった文化に触れてない人にとっては、ある意味狂信的とも感じられるレベルで、それは「カルト的」であると解説しています。
ビジョナリー・カンパニーでは、基本理念を徹底しているので、それらに馴染めない人は、まるで病原菌のように組織からはじき出され、いられることができません。
ビジョナリー・カンパニーは、決して社員に優しいだけではないのです。
⑤トライアンドエラー
ビジョナリー・カンパニーの共通項として、とにかく「挑戦を歓迎する文化」があります。様々アイデアを出しては次々に挑戦をし、数多くの失敗を繰り返しながら成功へと近づいていくのです。
一度成功した企業は、過去の成功体験からなかなか離れられず、新たな挑戦をするのが難しいというケースが多いですが、何十年と続く企業は過去の成功体験には全くとらわれずに、新しい領域への挑戦を怠っていないのです。
⑥経営陣は基本的に生え抜き
こうしたビジョナリー・カンパニーでは、歴代経営者の多くが生え抜きとなっており、外部から経営者を招聘するのは望ましくないと明確に述べています。
ビジョナリー・カンパニーでは、基本理念に対して徹底的に即した経営を行っており、こういった理念を十分に理解していない人が外部から経営に入ってくることの弊害が大きいのかもしれません。
⑦常に満足せずに前進する
ビジョナリー・カンパニーでは、従業員が現状に満足せず、常に製品やサービスのクオリティを向上させていくための仕組みを作っています。
たとえばホテルチェーンを経営するマリオットでは、顧客にアンケートを送ってその結果を昇進やボーナスに反映させたり、利益の5%を経営幹部育成のために投資を惜しまないといった取り組みがされています。
ビジョナリー・カンパニーのまとめ
このように代表的なビジョナリー・カンパニーでは「基本理念を明確に策定し、それを組織全体へ浸透させ、継続的に企業の成長へと活かしていく仕組みが作られている」ことがわかります。
これら基本理念は大企業だけが実践すればよいわけではなく、中小企業や企業内の小さなチームであっても取り入れることができる考え方です。
「メンバーがなかなか同じ方向を向いてくれない」
といった悩みを抱えているリーダーには、とても良い示唆を与えてくれるでしょう。
すでに理念がある、という会社やチームは、それらが「シンプルかつ分かりやすいものになっているか」を今一度見直し、「継続的に浸透していくための仕組み」を考えてみると良いかと思います。
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