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ビジネスに活用できる!司馬遼太郎さんの名作4選!!〈幕末編〉

世の中的に、外出自粛が続いていますが、こうやってまとまった時間があるときは、読書をすることも結構お勧めです。

以前、私が好きな司馬遼太郎さんの作品をご紹介した記事を作りました。

その時は「戦国時代」をテーマに、私が好きな司馬遼太郎さんの名作4つの作品をご紹介しましたが、皆様からの反応がとてもよく、多くの”いいね”をいただきました。

どうもありがとうございます!

まぁ、いま家にいるしかないわけですし、こういうまとまった時間があったら読書に費やすのも悪くないですよね。

そんなわけで、前回引き続き司馬遼太郎さんの名作をご紹介したいと思います。今回は、歴史小説と言うジャンルでは「戦国時代」に並んで人気の「幕末時代」をテーマに扱った作品をご紹介したいと思います。

幕末時代については、戦国時代と異なり大掛かりな戦いが少なく、戦争というより幕府側と倒幕側の政治的な駆け引きや、決闘などの場面が中心となります。

戦国時代より現代に近い出来事が中心ですので、残されている資料も比較的多く、司馬遼太郎さんの小説も戦国時代シリーズに比べて、より細かな描写が多いのが特徴だと思います。

当然のことながら、これらの作品を通して得られる事は、ビジネス現場においても役に立ちます!


前回の「戦国時代」は時系列にご紹介しましたが、幕末時代はせいぜい10年ちょっという期間ということもあり、今回は2つの勢力である「徳川幕府側」「倒幕側」それぞれの立場から代表的な2作品・合計4作品をご紹介します。

それでは、まいりましょう。


①世に棲む日々(倒幕側)

江戸時代末期の長州藩の思想家・吉田松陰と、その愛弟子の1人である高杉晋作の生涯を描いた作品です。文庫本だと4巻に分かれているのですが、1冊の分量が結構少ないので、とても読みやすいです。

前半が吉田松陰、後半が高杉晋作の話となります。

<あらすじ>
ペリーの日本来航、いわゆる黒船の登場により、長らく太平が続いた江戸時代は、攘夷(鎖国を続け、外国を打ち払う)か開国(鎖国を解き、海外と広く交易をする)かの議論を中心に、激しい政治闘争へと発展していきます。

長州藩(山口県)の上級藩士として生まれた吉田松陰が、前半部の主人公です。彼は見聞を広めていく中で、日本の将来を切り開くためには、徳川幕府が大きな障害になっているのではないか、と言う思想に行き着きます。彼は、自らの見聞をさらに広めるべく、鎖国真っ只中の江戸時代に、よりにもよって外国船に乗り込み、海外留学を試みます。

しかし彼の試みは失敗に終わり、江戸幕府から危険人物と目された彼は、長州藩で幽閉されることとなります。

そのうち自宅での謹慎処分となった彼は、自宅で「松下村塾」と言う私塾を開き、長州藩の若者たちを集め教育していくこととなります。やがて彼は、江戸幕府によって処刑されることとなるのですが、彼の思想を叩き込まれた長州藩の若者たちは、その後激しい倒幕運動に身を投じていきます。

その松下村塾の塾生の1人であった長州藩士・高杉晋作が後半の主人公です。彼は吉田松陰の意思を引き継ぎ、徳川幕府を倒すために様々なテロ活動に従事します。やがて晋作は、日本史上初の志願兵による軍隊「奇兵隊」を創設。仲間とともにクーデターを起こし、長州藩を掌握することに成功します。

晋作を含む倒幕派が実権を握った長州藩は、その後江戸幕府に対し正面切って戦争を挑んでいき、彼は奇兵隊を率いて各地を転戦していくことになるのですが・・・。

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吉田松陰は思想家ではありますが、単に理屈を語るだけでなく様々な過激活動を実際に行っていて、もはや革命家といったほうがいいかもしれません。高杉晋作にしても、長州藩でわずか数十人でクーデターを決起して、内戦を起こすなど、ちょっと常識人ではないなという感じがします。

とにかく行動力の塊みたいな二人ですので、読むだけで勇気がもらえます。

②竜馬がゆく(倒幕側)

土佐藩出身の維新志士、坂本龍馬の生涯を描いた作品です。文庫本だと、全部で8冊と言う長編ものですが、全体的に非常に読みやすく飽きさせません。

<あらすじ>

土佐藩(現在の高知県)の下級武士に生まれた坂本龍馬は、脱藩(藩を抜けて浪人になる)して維新志士となります。貿易会社(裏の顔は政治組織)である海援隊を結成し、幕府を倒すために日本中を奔走。当時犬猿の仲であった、長州藩と薩摩藩を結びつけて薩長同盟を成し遂げます。

時代は沸騰し、いよいよ倒幕勢力と江戸幕府が激突濃厚となったその時、彼は新しい国家の基本方針を示した「船中八策」を立案。内戦を回避しながら、新時代を切り開こうとします。彼の作った「船中八策」は、なんと時の将軍・徳川慶喜に受け入れられ、大政奉還が実現することとなります。

一人の志士が、時代を大きく動かしていくのです。

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言わずと知れた、司馬遼太郎さんの名作です。2500万部を売り上げたベストセラーでもあり、面白さは折り紙付きといえるでしょう。

坂本龍馬自体も何度もテレビドラマになっていますし、知らない人は余りいないと思いますが、実は彼がクローズアップされたのは割と最近の話で、それこそ「竜馬がゆく」がベストセラーになる前は、割と地味な人物扱いだったのだとか。

ちなみに坂本龍馬が本名ですが、本作品では竜馬という字になっています。これは、司馬さんが「これまでにない、新しい坂本龍馬像を描きたい」ということで、敢えて少し違う字にしているそうです。


③燃えよ剣(幕府側)

幕末の京都における治安維持組織・新選組の副長である、土方歳三の物語です。新選組の組織としての話と言うより、 土方歳三個人の青春群像といった趣が強い作品です。

<あらすじ>

武州(いまの多摩地方)に生まれ育った農民の子である土方歳三は、同じく田舎で剣術道場を営んでいた近藤勇と出会い、ひょんな流れから道場仲間たちと京都に向かうこととなります。そこで会津藩お抱えの京都治安維持組織「新選組」を結成に参加。

新選組の組織運営全般を担う「副長」の役割を果たすこととなった土方歳三は、単なる浪人の集団に過ぎなかった新選組を日本史上稀に見る軍事組織と変貌させていきます。

長州藩などの著名な維新志士たちを一挙に捕縛した「池田屋事件」を含め、その幕末史に名を轟かせた新選組。やがて時代は、倒幕側と幕府側の全面戦争に突入。歳三はあくまで倒幕側に屈せず、日本全国で転戦を重ね、最後は函館で明治政府軍に戦いを挑みます。

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これまた、司馬遼太郎さんの名著ですね。幕末時代を描いた作品でいうと、上記の竜馬がゆくと双璧を成す名作と言えるでしょう。

どのような状況でも、己の信念を決して曲げずに突き通す彼の生き方は、現代のビジネス社会においても、大変参考になるのではないでしょうか。


あれ・・・「燃えよ剣」は映画になるようですね・・・。主演は岡田准一さん。岡田さんはここ数年で、黒田官兵衛・石田三成を演じてましたが、土方歳三もやるのか・・・。


④峠(幕府側)

越後長岡藩の家老である河井継之助の物語です。歴史上、無名と言っていいほど知られていなかった彼ですが、この作品により一躍脚光を浴び、世間が知るところとなった人物です。

<あらすじ>

越後(新潟県)の小藩、長岡藩に生まれた河井継之助は、その知見を深めるべく地元を離れ、江戸やその他日本各地を留学して回ります。

留学先で多くのことを学んだ継之助は、財政難に苦しむ長岡藩の改革に着手。凄まじい成果をあげ、あっというまに藩の財政を立て直します。また、成果をあげることによって、藩の中で異例の出世を重ねた継之助は、藩の実務責任者に就任し、その辣腕を振るっていきます。

そんな中訪れた幕末。危機感を覚えた継之助は、諸外国と自ら交流し最新の武器を大量に入手。長岡藩を少数ながら最新鋭の軍備を兼ね備えた近代的な軍隊へと変貌させます。

そして彼は長岡の地において、倒幕軍を迎え撃つことになります。彼が率いた長岡藩は、その最新装備の威力を遺憾なく発揮させ、後に「北越戦争」と言われた激しい戦いを繰り広げていくことになります。

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河井継之助については、類まれなる改革手腕や戦場での統率力について高く評価される一方、彼によって引き起こされた戦争で焦土と化した地元・長岡の方々にとっては、決して良いリーダーとも言い切れなかったようです。

ただ、彼が実際に行った改革の様子などは、経営難に苦しむ企業や経営者にとっては、大変参考になるかと思います。領主・牧野家が所蔵する美術品などを、片っ端から売り払う様子などは、なかなか圧巻です(笑)


この記事を作ってて知ったのですが、なんと役所広司さん主演で映画化されるようですね!うわ、見たい・・・。

2020年9月に公開予定だそうです。




司馬遼太郎の作品が、これから2つも映画化されるとは・・・めっちゃ楽しみです。コロナ、収まってるといいなぁ・・・。


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