4.4 今後の方針 | さのかずや修士論文

こうした反省・考察を踏まえ、メディア「オホーツク島」の今後の方針についてまとめる。

まず直近・短期的な方針としては、10月末に北海道で7件の取材を行ったので、その記事化を急ぎ行う。また連載もストックがあるので、そちらの記事化も行っていく。デザイナーの方のキャパシティなども考慮し、概ね週に1回程度の更新を目標として継続的な更新を目指していく。またできるだけ多様なメディアから閲覧者にアプローチし、更に深い関係を築いていくため、これまで使用していないメディアを積極的に使用していることも考えている。例えば更新の通知としてLINE@(注:株式会社 LINE が運営するメッセージサービス「LINE」を用いたダイレクトマーケティングツール )、グッズの制作やイベントの開催のためにクラウドファンディングを利用することなどは現在具体的に検討している。

また基本的な方向性として、安定的に運営を行っていくためには、筆者とデザイナーの鈴木さん、そして連載のみという現状の運営メンバーではリソースが足りなすぎるので、運営メンバーを増やすために何かしらの行動を行いたい。具体的には、東京や北海道オホーツク海側地域などで直接顔を合わせるようなイベントに参加したり、自ら主催するなどして、興味があるという人を運営に巻き込んでいきたい。この点に関しては、4.1の事後調査インタビューを通して協力を申し出て下さった方がいたり、筆者の友人にお願いすることで協力してもらえたりなどしたので、引き続き積極的に声をかけ、イベント開催の機会などを伺いながら継続的に活動していきたい。

中期的な方針としては、やはり本研究の目的と同様、もし理想的なリソースが得られたとして、「第三の柱」としての影響力をコミュニティに持たせていくためにできることは何か継続的に考え、オホーツク島を通して継続的に活動していきたい。また継続的に活動していくためには、基本的にモチベーションを最重視し金銭的な解決策に頼らないとはいえ、最低限必要な資金や労力などのリソースを集める必要があると考えられる。現状考えられるものとしては、まずは体面を整えるため、NPO法人を立ち上げ、メディア自体は名実ともに非営利なものとして運営を行っていくという目標がある。営利法人や企業、個人事業としない理由は、「第三の柱」として企業セクターにも行政セクターにも所属しないためであり、非営利法人の立ち上げを目指す理由は、北海道オホーツク海側地域においては、非営利法人格がないと運営のためのお金を得ることさえ「お金を稼いでいる」とみなされてしまう可能性が高いためである。

またメディアから派生して、地域にクリエイティビティ(≒問題解決能力)をもたらすための活動も行っていきたい。具体的には、オホーツク島による地域のクリエイティブな情報発信に紐付いたECサイトや人材募集サイトの開設・運営、デザインや宣伝方法も含めた地域産品を活かした商品の開発や、地域課題解決のためのワークショップの開催、そして実際に、地方自治体や企業の施策を実働面で支援するなど、地域課題を解決する場面に様々な知識・技能を提供し、実行していくための手伝いを、企業的なものにも行政的なものにも属さず行っていく、などが考えられる。

それらを踏まえた長期的な方針として、今後もしリソースが整い、継続的に存在感を示していくことができれば、同様に継続的に活動しているオホーツクの関係者とともに、次第に実を結ぶものが出てくるのではないかと考えられる。

たとえば事後調査において、4.1で調査にご協力頂いた、北見市で活動する西野さんは「4月頃立ち上げ予定で、北見市からの受託で商店街にコワーキングスペースを運営する」という話を進めていることが明らかになった。その際にコワーキングスペースの活用施策として、北海道オホーツク海側地域唯一の国公立大学である北見工業大学のまちなかキャンパスとしての活用や、ハッカソンイベントの開催などを計画しているという。また北見市出身で、北見市でシーシャバー「いわしくらぶ」経営やオホーツクを発信するYouTube番組運営などを行っている磯川大地さん(28)は、現在オホーツクを東京で発信するための拠点として「いわしくらぶ」東京出店に向けて活動を進めており、2017年春にオープン予定だという。また筆者は春から、広告会社の系列で、東京で新規事業支援などを行う会社に就職予定であり、広告会社のリソースを生かしながら様々な新規事業に関わる仕事を行っていく予定である。一方でこれまで続けてきたVJ活動も東京で継続していく予定である。こうした活動の相関により、例えば筆者が仕事を通して得た知見を生かして地域にまつわる非営利法人を立ち上げていったり、趣味を通して出会った相手とともに東京の店舗でイベントを開催したりなど、今後できることがますます増えてくることが考えられる。そうした活動の総体として、様々な形で「オホーツク島」に関連を持たせ、場合によっては「オホーツク島」と切り離しつつも、地域に関する「第三の柱」としての集団が形成されていくのではないかと考えられる。


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