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きっと、二人も天国から平和を願っていることだろう。

終戦の日。わが家は取り憑かれたかのように終戦特集の番組を食い入るように見つめる。これも、間違いなく曾祖母と祖母の影響。

祖母の父、つまりわたしの曾祖父は第二次世界大戦で戦死した。日中戦争で生還したというのに、曾祖母と結婚して約半年で出征した。だから、わたしはもちろん、母も祖母も曾祖父に直接会ったことがない。曾祖母と祖母は自分の夫、そして父の面影を求めて毎年終戦特集の番組を食い入るように見ていた。

今年の日本武道館。出席者における85歳以上の配偶者は、一桁だったとのこと。曾祖母が生きていたら、今年で95歳。曾祖母だってだいぶ若くしてお嫁に嫁いできたはずなんだけどな。もう、未亡人として戦後を生き抜いてきた方々がほんの僅かになっている。
わたしの曾祖母は若い頃から身体が丈夫ではなかったからそんなに頻繁に武道館の慰霊祭には参加できなかった。それでも、地元の慰霊祭には欠かさず参加していた。そして、祖母もまた曾祖父の面影を追い求めてフィリピンまで慰霊のために飛んだことがある。

曾祖父の写真を見ると、わたしの叔父にそっくりだ。ちゃんと、わたしたちのご先祖様なんだなぁとしみじみ思う。

結婚生活半年、未亡人約70年。それでも曾祖父を追い求め続けた曾祖母。お父さんのことを知りたいと常に親戚の集まりに行っては彼のエピソードを聞き続けた祖母。終戦特集番組を食い入るように見る二人を見て育ったからこそ、この日を特別に感じるのだと思う。

わたしは戦争をしたくない。
大好きな人を失いたくない。
これを当たり前だと思える毎日が続いていきますように。

#エッセイ #日記 #終戦の日 #旅しゃぶ更新部 #まいにち日記部

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