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精神分析的心理療法について

精神分析は日本ではまだあまりそのサービスを受けられる機関が限られています。

アメリカでは、『母親業の再生産』の著者ナンシー・チョドロウは社会学・人類学を学んだ後、精神分析家になりました。

また、『愛の拘束』や『他者の影』の著者ジェシカ・ベンジャミンも社会学・哲学を学んだ後、自身も精神分析を受け、個人開業しています。

ユダヤ人であるフロイトによって形作られた精神分析は、ユングやメラニー・クラインといった今日の精神分析を豊かにする後続を生み出しました。

その後、精神分析家たちがアメリカに移住したことをきっかけに、精神分析は医学との結びつきを深め、権威化しました。

精神分析を受けるには多くの費用が必要であったため、昔は裕福な人しか受けられないものでした。

日本における精神分析は、医師の一部の方たちによって深められてきましたが、今日は心理臨床でも多くの人が注目し取り入れています。

オーソドックスな精神分析は、カウチというソファに横になり、週に1回以上という高頻度で受けるものです。

しかし、それだけ受けるのには、時間も費用もかかります。

現代でいわれる「精神分析的心理療法」は、カウチを用いず、来れるペースで、つまり、かなりゆるいかたちで受けることができます。

受け始めは、できれば月に2回程度受けていただくと、ご来談者さまの現状を改善するためにメリットになります。

心のテーマは、長くかかることも多くあります。1回でどうにかなるという魔法は残念ながらありません。

けれども、カウンセラーと地道にやりとりする中で、自分を知っていくということ、そうして、自我の核が健康的につくられてくると、「生きる」ことが四季のように色彩をもち豊かになっていくようです。

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