実朝日記

実朝の徒然なる日常を高らかに賛美しながら記す。 注: 源実朝は関係ありません。

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現代の本歌取り『すずめの戸締り』

先月公開された『すずめの戸締り』を観た。 これだけ大規模な作品で現実に起きた震災をテーマに描くことは、簡単なことではなかっただろう。新海誠だからこそ、この描き方ができたのだと思う。 作品の本筋とは別に、鑑賞中に何度もジブリ作品が脳裏をよぎった。 『崖の上のポニョ』『もののけ姫』を思わせるセリフがあり、後半は全体的に『ハウルの動く城』の雰囲気を纏っていた。『魔女の宅急便』の劇中歌である『ルージュの伝言』が劇中歌として流れた時は、思いがけず大好きな曲が流れたことで思わず頬が緩ん

    • 生と死と、諸行無常な人生戦略

      最近、幾つかの本や動画を見て印象に残ったことがあったので、内容を自分なりにまとめてみた。読んだ本は以下の3冊。 『「さみしさ」の研究』 ビート たけし 『クレア・バーチンガー自伝 紛争地の人々を看護で支えた女性の軌跡』 『「利他」 人は人のために生きる』 瀬戸内 寂聴,稲盛 和夫 子どもの頃から親しんできた有名人が気づいたら亡くなっている投資に関する動画でオマハの賢人と呼ばれるウォーレン・バフェット率いるバークシャーハサウェイの年次報告書を紹介していた。その報告書は2

      • 『戦場のピアニスト』4Kデジタルリマスター版

        言わずと知れた名作映画である『戦場のピアニスト』。恥ずかしながら未鑑賞だったので 4Kデジタルリマスター版の上映を見に行ってきた。 最初に湧いた感情は、陳腐だけど怒り。 映画の中には、目を瞑りたくなるような残酷な暴力シーンが多い。ユダヤ人だからという理由で、一方的に暴力を振るわれたり、行動を制限されたり、見下されたり。人としての尊厳を奪われる。どうして…。 街の人も、警察も、軍人も、人じゃないのか。他人を殴る、蹴る、罵る、嘲う、殺すことに罪悪感がないのか。多少はあるだろう

        • 2023年75冊の本を読んだ人がおすすめの本を8冊、分野別に紹介してみた

          本年2023年も終わりに近づいてきたので、ふと今年読んで良かった本をまとめてみようと思った。読んだ本は読書メーターに記録していて、2023年に読んだ本は75冊だった。もちろん、全部ちゃんと読んでいるわけではなく、ざっと読んでいるだけの本もたくさんあるが。週一冊読んだときには年間52冊程度になるはずなので、そのペースを上回っていたし、"AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣より"に紹介されていたトップ5%リーダーの年間平均49冊を超えていた。数えたときに少し嬉しくなった。

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        現代の本歌取り『すずめの戸締り』

          米国VIブルETFの売り戦略はS&P500より儲かるのか?

          今回は、投資に関して取り上げてみようと思う。 米国VIブルETFについて。このETFはどういうものかというと、S&P500と逆相関するVIX(恐怖指数)を先物取引するETFとなる。要するに逆相関の逆相関の金融商品でS&P500と正に連動する。ただこのETFの圧倒的な特徴としては急激な勢いでETFの価格が逓減することだ。理由としては2つあり、1つは先物取引に連動するETFの特徴としてコンタンゴによる減価がある。先物価格は直近の価格が期先の価格より安い場合は乗り換え時に掛かるコ

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          フラットメイトよ、餃子はダメだ、餃子は。

          英国ロンドンに住むとしたら、普通はシェアハウスに住む。日本のようなキッチン、トイレ、寝室を一人で占有出来るタイプの部屋をスタディオタイプと呼び、自分用の部屋一つと、キッチン・トイレ・リビングを住人でシェアする形を一般的にシェアハウスと呼んでいる。 ロンドンで安い物件というと昨今の円安事情も相まって月賃は10万円を下回ることはない。 そのため、ロンドンに住む場合は、フラットメイトガチャで良い当たりを引き、フラットメイトと共同生活を支障なく過ごす必要があるわけです。快適に過ご

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          共同体としての教会,英国での教会を訪ねて

          先日,英国の住んでいる家の近くにある教会を訪ねた.もともと,僕は敬虔なキリスト教徒ではないながらも,教会には時々通っていた.たまたま英国で教会を初めて訪問したときには洗礼が行われていた.洗礼を受ける人は赤ん坊で牧師が赤ん坊の頭に軽く水を掛ける方法だった.英国で広く存在している英国国教会(Anglican)での洗礼を偶然目に出来たのは幸運だった.また,洗礼の日にはご馳走も用意されており,礼拝の終わりには様々な料理とケーキが並び,初めて来た僕も食べて良いことだった.イギリスなのに

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          良質な情報は世に溢れてるが歩いてきてくれない

          情報が巷に溢れるようになり,色んな人と繋がれる環境がますます増えているため,ただ情報を受け取る人と情報を積極的に取りに行く人での格差は拡大する一方だと感じる. そこで本記事では僕がどのように情報収集しているのか簡単にまとめてみようと思う. 大原則ある知識や概念の存在を知っていることと,知らないことは大きな違い,つまり,知識が0と1は大違い. 例えば,長文小説や理論,論文,定理,概念など一つ一つ読破したり理解したりするのに時間が掛かる場合がある.そして出会った知識は深く掘

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          2023年3月 イタリア旅行の記録

          2023年3月6日から3月17日までの約10日間、イタリアの4都市を観光した。 調べてもコロナ以前、2019年以前の情報ばかりで現状がわからず、現地までかなり不安だった。ということで2023年時点での経験を自分が困った場面を中心にまとめておこうと思う。参考にされたい。 ちなみに私は初めての海外旅行、一緒に行った友人はアジア圏の旅行には慣れているがヨーロッパは初めてだった。お互い20代前半の女性であり、周囲からは旅行自体少し反対された。 0. 旅行の概要 1日目: 夕方ロー

          2023年3月 イタリア旅行の記録

          ヨーロッパ旅行後時間差で現れた時差ボケの記録

          2023年3月、大学の長期休業を利用してヨーロッパ旅行を敢行した。 初めての海外旅行については後で詳しく書くとして、この記事では帰国後1週間の睡眠を振り返る。初めての時差ボケの記録である。 帰国は4月1日夜、家についたのは12時近い時間だった。4月3日からは大学の授業が始まってしまうという状況で、噂に聞く時差ボケを恐れた私は、乗り継ぎ後の9時間のフライトは睡眠を取らないことにした。そこで我慢できれば、4月1日の夜からは通常のサイクルで睡眠をとることができると考えたのだ。結果

          ヨーロッパ旅行後時間差で現れた時差ボケの記録

          多様性を目指すのではなく,多様性を許容する社会へ

          高校生のときに "みんな違って,みんな良い" という題目で講演を行ってくれた先生がいた.「人は十人十色,一人ひとりに違った性格,特技,技術,知識がある.だから,自分の好きなことをやって,自分なり特徴を出していって良いよ」という内容だったと思う.非常に平々凡々な内容で綺麗事しか言わない講演だと感じた. 大学生の時には,より良い医療を目指すための勉強会やプレゼンをするサークルに所属していた.そこでの議論の鉄則は相手の意見を否定しない,反対しないことが求められていた.大義名分とし

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          次々生まれてくる「弱者」を指す言葉たち

          中学生の時、人権作文で小さな賞をいただいた。 当時疑問に思っていたのは、「障害者」という言葉は差別ではないのか、ということである。 現在でも、「障害者」を「障がい者」と表記する動きがあったり、LGBTQ+とわざわざ名前をつけることに疑問を持っている人がいたりする。SNSを見ていると、差別を失くそうと主張する層がこうした名前を普及させようとするのをみて、偽善だと感じている人もいるようである。 ではなぜ、少数派に名前をつけるのか。これまで私が障害者差別を失くそうとする活動に関

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          自分の音楽の性癖について少し語ってみる - 結論: ピアノ曲って良いよね

          性癖っていうのは自分の好きなものに対する癖や偏りのことを言う。自分は小学校2年生から中学1年生くらいまでピアノを習っていて、それ以降は独学で大学に入るまでピアノを弾いていた。楽器を一定期間以上やったことある人なら分かると思うが、自分が習っていた楽器の音が聞こえてくると頭が明らかに興奮するし、楽しさを覚える。僕の場合はそれがピアノだったため、音楽を聞く時にもピアノの音が聞こえてくると、おっ、と思って注意を向けてしまう。これを性癖と言わずして何であろうか。 この記事では、僕が好

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          過去の経験と未来の価値

          浪人生の時は人とのつながりを作る余裕がなかったので、予備校講師の言葉ばかりが心の隙間を埋め、今でも大切な言葉として私の辞書に収録されている。そして、当時最も陳腐だと感じた言葉が真実であることを今身をもって体験している。 「今やっている時はその意味が分からなくても、これから生きていく中で分かるってことはいくらでもあります。30代40代になったら分かります。」 当時は、「30代超えたら体が急に変わった、あなたも30歳になったら分かるよ!」のように、手垢のついた忠告だと思った。

          過去の経験と未来の価値

          幸福論 - 子ども時代のまどろみのひととき

          大学生のある期間、幸福とは何か気になって調べる機会があった。 過去の哲学者、アリストテレスやショーペンハウアーが語る幸福論は身体の健康について繰り返し述べていた。何にもまして身体が健康であることの大切さが述べられていた。 現代は過去のどの期間に比べても死亡率が減少し、平均寿命が伸びた世界だ。抗生物質の発見・発明が行われるまで世界人口の大多数が感染症で亡くなっていた。20世紀の始めのときでさえ、同級生の10人に3人は20歳まで生きることが出来なない世界の有り様であった。 そん

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          確率論的遠距離恋愛攻略法

          タイトルがお堅いですが、想像の通り内容もお堅い。 書く動機としてはnoteや一般的なサイトで遠距離恋愛について調べても、精神論的な意見が非常に多く、自分の肌感覚に合わないため、自分で調べたことや考えたことを記事として一つにまとめておこうと思ったため。 ちなみに僕は現在、英国の大学院に留学中。後、何年外国にいるかは未定。彼女は日本の某大学の大学生。日本から英国を往復するには安くて20万ちょっとと、20時間前後のフライト。距離は大体9400 km程度。 遠距離恋愛の捉え方遠距

          確率論的遠距離恋愛攻略法